5年 算数 図形の角

図形の角 ── 三角形の180°から、すべてが導ける

たった一つの事実を覚えるだけ。あとはそこから導けます

三角形の3つの角

この単元の出発点は、たった一つの事実です。

三角形の3つの角の大きさの和は 必ず 180°

どんな三角形でもそうなります。細長くても、平べったくても、直角があっても。

まず、自分で確かめてみましょう。方法は2つあります。

方法1:切って並べる

A /\ / \ /____\ B C 1. 紙に三角形をかいて切り取る 2. 3つの角をちぎる 3. 頂点を1点に集めて並べる → ぴったり一直線になる → 一直線 = 180°

目で見て確かめられる、いちばん納得できる方法です。

方法2:平行線を使う

A /|\ ──/─┼─\── ← Aを通る、BCに平行な線 / | \ /___|___\ B C 平行線の性質から 角B と 左の角 が等しい 角C と 右の角 が等しい → 3つの角が一直線に並ぶ → 180°

こちらは、なぜそうなるのかを説明する方法です。4年生で学んだ平行線の性質が使われています。

この事実が分かると、1つの角が求められます

2つの角が 50° と 70° のとき 残りの角 = 180 - 50 - 70 = 60°

四角形は360°

では、四角形の4つの角の和はいくつでしょうか。

ここで、前の単元で学んだ「三角形に分ける」考え方を使います。

四角形に対角線を1本ひく ┌───────┐ │\ │ │ \ │ │ \ │ └───────┘ → 三角形が2つできる → 180° × 2 = 360°

四角形の角の和は360°。覚える必要はありません。三角形2つ分と考えればよいのです。

実際、正方形で確かめられます。90°が4つで360°。ぴったり合います。

そして、この方法はどんな多角形にも使えます。

多角形の角の和

五角形、六角形と進んでみましょう。

五角形に対角線をひく (1つの頂点から) → 三角形が3つできる → 180° × 3 = 540° 六角形 → 三角形が4つ → 180° × 4 = 720°

表にすると、規則が見えてきます。

頂点の数三角形の数角の和
三角形31180°
四角形42360°
五角形53540°
六角形64720°
七角形75900°

三角形の数は、頂点の数より2つ少ない。ここに気づけば、公式が作れます。

□角形の角の和 = 180° × (□ - 2)

これは4年生の「変わり方」で学んだ、表から式を作るやり方そのものです。

なぜ2つ少ないのでしょうか。1つの頂点から対角線をひくと、となりの2つの頂点には引けないからです。だから、分けられる三角形は(頂点の数-2)個になります。

この公式があれば、百角形でも計算できます。180×(100-2)=17640°。図をかかなくても分かるのです。

もう一つの見方

多角形の角の和には、別の求め方もあります。

図形の内側に点を1つとって、 すべての頂点と結ぶ 五角形の場合 → 三角形が5つできる → 180° × 5 = 900° でも、中心に集まった角(360°)は 内角ではないので引く → 900° - 360° = 540° ✓

答えは同じ540°になりました。やり方がちがっても、答えは同じです。

算数では、こうした別解を考えるのが力になります。「他のやり方はないか」と考える習慣が、思考力を育てます。

公式を作る楽しさ

この単元のよさは、公式を自分で作れることです。
覚えるのは「三角形=180°」だけ。あとは分けて数えれば、どんな多角形でも計算できます。
もし公式を忘れても、その場で作り直せる。これが本当に理解しているということです。
「覚える数を減らして、導ける範囲を増やす」──これは算数・数学を学ぶうえで、とても大切な姿勢です。

外角という考え方

もう一つ、面白い角があります。外角です。

\ \ 外角 ────────●──── / / 内角 内角 + 外角 = 180° (一直線だから)

辺を延長したときにできる角が外角です。内角と外角を足すと、必ず180°になります。

そして、驚くべき事実があります。

多角形の外角の和は いつでも 360° 三角形でも 360° 四角形でも 360° 百角形でも 360°

角の数に関係なく、いつも360°なのです。

なぜでしょうか。図形の辺の上を1周歩くと考えてみてください。

図形のまわりを1周歩く 頂点で曲がるたびに、 外角の分だけ向きを変える 1周してもとの向きにもどる → 曲がった角の合計 = 1回転 = 360°

この考え方は、5年生の教科書では扱わないこともありますが、知っておくと面白い性質です。中学校で本格的に学びます。

使えるようになるために

角の問題では、分かっているところから順に求めるのが基本です。

よく使う関係 ・三角形の内角の和 = 180° ・四角形の内角の和 = 360° ・一直線 = 180° ・1回転 = 360° ・向かい合う角は等しい (2本の直線が交わったとき) ・平行線の同じ位置の角は等しい ・二等辺三角形の底角は等しい ・正三角形の角は60°

問題を解くときは、図に分かった数値を書きこんでいくのがコツです。

手順 ① 問題文の条件を図に書きこむ ② 求められる角を1つずつ計算して書く ③ 目的の角にたどりつくまで続ける

いきなり答えを出そうとせず、分かるところから埋めていく。パズルのような楽しさがあります。

例題で手順を確かめましょう。

問題:三角形ABCで、 角A=40°、角B=60°。 頂点Cの外角は何度? ① 角C を求める 180 - 40 - 60 = 80° ② 外角を求める 180 - 80 = 100° 答え: 100°

2段階で解けました。一気に求めようとせず、途中の値を出すのがコツです。

実は、この問題にはもっと速い解き方もあります。

40 + 60 = 100° → 外角は、 となり合わない2つの内角の和に等しい

なぜでしょうか。内角の和が180°で、外角+角C=180°。両方から角Cを引けば、残りは同じになるからです。

この性質を知っていれば1段階で解けます。ただし、知らなくても2段階で解けることが大事です。基本がしっかりしていれば、どんな問題も時間をかければ解けるのです。

つまずきやすいところ

その1 公式を丸暗記して忘れる

540°や720°を覚えようとする。
三角形に分けて数えるだけです。覚えるのは180°ひとつでよいのです。

その2 図に書きこまない

頭の中だけで計算して混乱する。
分かった数値は図に書く。これだけで正答率が大きく変わります。

その3 内角と外角を混同する

どちらを聞かれているか分からなくなる。
内角は図形の内側の角、外角は辺を延長してできる角です。足すと180°になります。

やってみよう

Q1 三角形の内角の和は何度ですか。

A 180°。どんな形の三角形でも同じです。

Q2 六角形の内角の和を求めましょう。

A 三角形4つ分なので 180×4=720°です。

Q3 □角形の内角の和を式で表しましょう。

A 180° × (□-2)。三角形の数は頂点の数より2つ少ないからです。

Q4 三角形を紙で作り、3つの角を切って並べてみましょう。

A ぴったり一直線になります。180°である証拠です。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、「覚える数を減らして導ける範囲を増やす」という数学的な考え方を体験できる、良い機会です。
三角形の角を切って並べる実験は、ぜひやってみてください。手を動かして確かめた事実は、強く記憶に残ります。細長い三角形など、いろいろな形で試すと「どんな三角形でも」が実感できます。
多角形の公式は、覚えさせるのではなく導かせてください。表を作って三角形の数を数えれば、規則はすぐ見つかります。4年生の「変わり方」で学んだ手法がそのまま使えます。
角の問題を解くときは、図に書きこむ習慣が決定的に重要です。頭の中だけで処理しようとして混乱する子が多いので、「分かったところは書いてごらん」と促してあげてください。