たった一つの事実を覚えるだけ。あとはそこから導けます。
この単元の出発点は、たった一つの事実です。
どんな三角形でもそうなります。細長くても、平べったくても、直角があっても。
まず、自分で確かめてみましょう。方法は2つあります。
目で見て確かめられる、いちばん納得できる方法です。
こちらは、なぜそうなるのかを説明する方法です。4年生で学んだ平行線の性質が使われています。
この事実が分かると、1つの角が求められます。
では、四角形の4つの角の和はいくつでしょうか。
ここで、前の単元で学んだ「三角形に分ける」考え方を使います。
四角形の角の和は360°。覚える必要はありません。三角形2つ分と考えればよいのです。
実際、正方形で確かめられます。90°が4つで360°。ぴったり合います。
そして、この方法はどんな多角形にも使えます。
五角形、六角形と進んでみましょう。
表にすると、規則が見えてきます。
| 形 | 頂点の数 | 三角形の数 | 角の和 |
|---|---|---|---|
| 三角形 | 3 | 1 | 180° |
| 四角形 | 4 | 2 | 360° |
| 五角形 | 5 | 3 | 540° |
| 六角形 | 6 | 4 | 720° |
| 七角形 | 7 | 5 | 900° |
三角形の数は、頂点の数より2つ少ない。ここに気づけば、公式が作れます。
これは4年生の「変わり方」で学んだ、表から式を作るやり方そのものです。
なぜ2つ少ないのでしょうか。1つの頂点から対角線をひくと、となりの2つの頂点には引けないからです。だから、分けられる三角形は(頂点の数-2)個になります。
この公式があれば、百角形でも計算できます。180×(100-2)=17640°。図をかかなくても分かるのです。
多角形の角の和には、別の求め方もあります。
答えは同じ540°になりました。やり方がちがっても、答えは同じです。
算数では、こうした別解を考えるのが力になります。「他のやり方はないか」と考える習慣が、思考力を育てます。
この単元のよさは、公式を自分で作れることです。
覚えるのは「三角形=180°」だけ。あとは分けて数えれば、どんな多角形でも計算できます。
もし公式を忘れても、その場で作り直せる。これが本当に理解しているということです。
「覚える数を減らして、導ける範囲を増やす」──これは算数・数学を学ぶうえで、とても大切な姿勢です。
もう一つ、面白い角があります。外角です。
辺を延長したときにできる角が外角です。内角と外角を足すと、必ず180°になります。
そして、驚くべき事実があります。
角の数に関係なく、いつも360°なのです。
なぜでしょうか。図形の辺の上を1周歩くと考えてみてください。
この考え方は、5年生の教科書では扱わないこともありますが、知っておくと面白い性質です。中学校で本格的に学びます。
角の問題では、分かっているところから順に求めるのが基本です。
問題を解くときは、図に分かった数値を書きこんでいくのがコツです。
いきなり答えを出そうとせず、分かるところから埋めていく。パズルのような楽しさがあります。
例題で手順を確かめましょう。
2段階で解けました。一気に求めようとせず、途中の値を出すのがコツです。
実は、この問題にはもっと速い解き方もあります。
なぜでしょうか。内角の和が180°で、外角+角C=180°。両方から角Cを引けば、残りは同じになるからです。
この性質を知っていれば1段階で解けます。ただし、知らなくても2段階で解けることが大事です。基本がしっかりしていれば、どんな問題も時間をかければ解けるのです。
540°や720°を覚えようとする。
三角形に分けて数えるだけです。覚えるのは180°ひとつでよいのです。
頭の中だけで計算して混乱する。
分かった数値は図に書く。これだけで正答率が大きく変わります。
どちらを聞かれているか分からなくなる。
内角は図形の内側の角、外角は辺を延長してできる角です。足すと180°になります。
Q1 三角形の内角の和は何度ですか。
A 180°。どんな形の三角形でも同じです。
Q2 六角形の内角の和を求めましょう。
A 三角形4つ分なので 180×4=720°です。
Q3 □角形の内角の和を式で表しましょう。
A 180° × (□-2)。三角形の数は頂点の数より2つ少ないからです。
Q4 三角形を紙で作り、3つの角を切って並べてみましょう。
A ぴったり一直線になります。180°である証拠です。
この単元は、「覚える数を減らして導ける範囲を増やす」という数学的な考え方を体験できる、良い機会です。
三角形の角を切って並べる実験は、ぜひやってみてください。手を動かして確かめた事実は、強く記憶に残ります。細長い三角形など、いろいろな形で試すと「どんな三角形でも」が実感できます。
多角形の公式は、覚えさせるのではなく導かせてください。表を作って三角形の数を数えれば、規則はすぐ見つかります。4年生の「変わり方」で学んだ手法がそのまま使えます。
角の問題を解くときは、図に書きこむ習慣が決定的に重要です。頭の中だけで処理しようとして混乱する子が多いので、「分かったところは書いてごらん」と促してあげてください。