5年 理科 天気の変化

天気の変化 ── 日本の天気は西から東へ動く

なぜ天気予報ができるのでしょうか。雲の動きに規則があるからです。

雲を観察する

天気を決めているのはです。まず、雲を見ることから始めます。

観察するポイント ・雲の量(空全体のどれくらいか) ・雲の形と厚さ ・雲の動く方向 ・動く速さ

そして、雲の量で天気が決まります

空全体を10としたとき 雲の量 0〜1 … 快晴 雲の量 2〜8 … 晴れ 雲の量 9〜10 … くもり → 雨や雪が降っていれば 雲の量に関係なく「雨」「雪」

意外に思うかもしれませんが、雲が8割あっても「晴れ」です。日本の天気の決め方では、そうなっています。

雲にはいろいろな種類があります。

特徴天気
すじ雲(巻雲)高い所に細く晴れ。天気が変わる前ぶれ
わた雲(積雲)白くもこもこ晴れ
入道雲(積乱雲)高くそびえる強い雨・雷
あま雲(乱層雲)厚く暗い雨や雪が続く
うろこ雲(巻積雲)小さな粒が並ぶ天気が下り坂のことも

とくに入道雲は要注意です。急に発達して激しい雨や雷をもたらします。見かけたら、屋内に避難する判断が必要です。

西から東へ

雲を何日か観察すると、ある規則に気づきます。

日本付近では 雲は西から東へ動く ↓ 天気も西から東へ変わる

これが、この単元でいちばん大事な発見です。

だから、西の空を見れば、明日の天気が分かるのです。

「西の空が晴れていれば、明日は晴れ」 「西の空に厚い雲があれば、明日は雨」 → 昔からの言い伝えにも 科学的な根拠があった

なぜ西から東へ動くのでしょうか。偏西風という風が吹いているからです。

偏西風 日本の上空を、西から東へ 常に吹いている強い風 高さ約10km、 時速100km以上になることも → 雲を東へ押し流す

飛行機の飛行時間も、これで説明できます。

日本 → アメリカ(東向き) → 追い風になる → 速い アメリカ → 日本(西向き) → 向かい風になる → 遅い 同じ距離でも1〜2時間ちがう

偏西風は、天気だけでなく交通にも影響しているのです。

天気予報のしくみ

天気に規則があるから、予報ができます

天気予報に使う情報 ① 気象衛星「ひまわり」 → 宇宙から雲の様子を撮影 ② アメダス → 全国約1300か所で 雨量・気温・風などを自動観測 ③ 気象レーダー → 電波で雨雲の位置と強さを測る ④ 高層の観測 → 気球を上げて上空の状態を調べる

これらの情報を集めて、スーパーコンピュータで計算します。

大気の状態を数値にして、物理の法則で「次にどうなるか」を計算するのです。

ただし、完全には当たりません

なぜ外れることがあるか ・大気の動きは非常に複雑 ・わずかな差が大きく広がる ・観測できていない場所がある → 明日の予報は約85%的中 → 1週間先は約70% → 先になるほど当たりにくい

だから、天気予報は「〜でしょう」という言い方をします。断定ではなく、可能性を伝えているのです。

降水確率も同じです。「降水確率30%」は、同じ条件が100回あれば30回雨が降るという意味です。「30%の面積で降る」でも「30%の時間降る」でもありません。

台風のしくみ

夏から秋にかけて、台風がやってきます。

台風とは ・熱帯の海の上で発生 ・あたたかい海水から 大量の水蒸気を得て発達 ・強い風がうずを巻く ・中心付近の最大風速が 秒速17.2m以上のもの

台風の力の源はあたたかい海の水蒸気です。だから、海の上では発達し、陸に上がると弱まります

台風の進路にも規則があります。

台風の動き ① 南の海で発生 ② 北西へ進む(貿易風に押される) ③ 日本付近で北東へ向きを変える (偏西風に乗る) → 「く」の字を描くような進路

日本付近で東へ曲がるのは、偏西風に乗るからです。雲が西から東へ動くのと同じ理由です。

台風の東側は危険

台風の風は反時計回りに吹きこんでいます。
そして、台風自体も北東へ進んでいます。
すると、台風の東側(進行方向の右側)では、風の向きと進む向きが重なって風が強くなります
逆に西側では打ち消し合って、やや弱くなります。
だから、同じ台風でも東側にあたる地域のほうが被害が大きいのです。
台風情報を見るときは、自分の地域が台風のどちら側になるかも確認しましょう。

災害から身を守る

天気の知識は、身を守ることにつながります。

気象情報の種類 注意報 … 災害が起こるおそれ 警報 … 重大な災害が起こるおそれ 特別警報 … 数十年に一度の 重大な危険 → 段階が上がるほど危険

とくに特別警報が出たら、命に関わる状況です。ただちに避難行動が必要になります。

そして、雨の降り方にも目安があります。

1時間の雨量ようす
10〜20mmザーザー降る
20〜30mmどしゃ降り
30〜50mmバケツをひっくり返したよう
50mm以上滝のよう。危険

近年は、短時間に激しく降る雨が増えています。ゲリラ豪雨と呼ばれることもあります。

入道雲が発達しているのを見たら、早めに安全な場所へ。川や用水路には近づかない。この判断が命を守ります。

季節ごとの天気の特徴

日本の天気は、季節によって大きく変わります

春 ・低気圧と高気圧が交互に通る ・数日ごとに天気が変わる ・「三寒四温」という言葉も つゆ(梅雨) ・6月ごろ、雨の日が続く ・南北の空気がぶつかり、 東西にのびる雨雲の帯ができる 夏 ・南からのあたたかい空気におおわれる ・晴れて暑い日が続く ・午後に入道雲が発達しやすい 秋 ・台風が来やすい ・秋雨の時期がある ・その後は春に似た天気 冬 ・北西から冷たい風が吹く ・日本海側は雪、太平洋側は晴れ

とくに冬の日本海側と太平洋側のちがいは劇的です。

冬の季節風のしくみ 大陸から冷たい乾いた風 ↓ 日本海で水蒸気をたっぷり含む ↓ 山にぶつかって上昇 ↓ 日本海側に大雪を降らせる ↓ 山を越えて乾いた風になる ↓ 太平洋側は晴れて乾燥

同じ日でも、山をはさんでまったくちがう天気になるのです。

これは4年生の社会「わたしたちの県」でも学んだ内容です。理科と社会がつながる好例といえます。

つまずきやすいところ

その1 雲の量と天気の関係を誤解する

雲が多ければくもりだと考える。
雲の量が8以下なら晴れです。9以上でくもりになります。

その2 なぜ西を見るのか分からない

東の空を見てしまう。
天気は西から東へ移動します。だから、これから来る天気は西にあるのです。

その3 降水確率の意味を誤解する

「30%の時間降る」と考える。
同じ条件が100回あれば30回降るという意味です。強さや時間とは関係ありません。

やってみよう

Q1 日本付近で、雲はどちらへ動きますか。

A 西から東へ動きます。上空の偏西風に流されるためです。

Q2 明日の天気を知るには、どちらの空を見ますか。

A 西の空です。これから来る天気が西側にあります。

Q3 台風の力の源は何ですか。

A あたたかい海の水蒸気です。だから陸に上がると弱まります。

Q4 1週間、雲の様子と天気を記録してみましょう。

A 雲の量・形・動く方向を記録します。西の空の様子と翌日の天気を比べると規則が見えます。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、日常の天気予報がそのまま教材になります。ニュースの天気予報を一緒に見るだけで、学習の復習になります。
「明日の天気を予想してみよう」という活動もおすすめです。西の空を見て予想し、翌日答え合わせをする。当たったときの喜びが、学習を楽しくします。
気象衛星の画像は、インターネットで誰でも見られます。雲が西から東へ動く様子が、動画ではっきり分かります。
台風の情報を見るときは、自分の地域が進路のどちら側かを確認する習慣をつけてください。東側は風が強くなるという知識は、実際に役立ちます。
そして、この単元は防災教育でもあります。「入道雲を見たら」「警報が出たら」どうするか。家庭で話し合っておく価値があります。