砂糖を水に入れると、見えなくなります。でも消えたわけではありません。
食塩を水に入れてかき混ぜると、姿が見えなくなります。これを「とける」といいます。
とけてできた液を水溶液といいます。水溶液には、はっきりした特徴があります。
「透明」と「無色」はちがいます。色つきでも、向こうが透けて見えれば透明です。
見分け方は、光を通すかと放置して分かれるかです。
ここで重要な実験をします。
とけても重さは変わりません。これは大切な発見です。
なぜでしょうか。食塩がなくなったのではなく、水の中に散らばっただけだからです。
この「形が変わっても全体の重さは変わらない」という考え方は、理科の基本原則です。中学以降、繰り返し使います。
実験するときの注意点があります。
条件をそろえないと、正しい結果が出ません。ここでも条件制御の考え方が生きています。
食塩をどんどん入れていくと、やがてとけなくなります。
このとける限界の量を溶解度といいます。
溶解度は、2つのことで変わります。
②が面白いところです。物によって温度の影響がまったくちがうのです。
| 水温 | 食塩 | ミョウバン |
|---|---|---|
| 20℃ | 約36g | 約11g |
| 40℃ | 約36g | 約24g |
| 60℃ | 約37g | 約57g |
※水100gあたりの量
食塩はほとんど変わりません。温度を上げても、とける量はわずかしか増えないのです。
一方、ミョウバンは大きく増えます。60℃では20℃の5倍以上とけます。
この差が、次の「取り出す方法」につながります。
水溶液から、とけたものを取り出す方法は2つあります。
海水から塩を作る塩田は、この方法です。太陽と風の力で水を蒸発させます。
ただし、この方法が使えるのは温度で溶解度が変わる物だけです。
出てきたつぶを結晶といいます。ミョウバンの結晶は、きれいな形をしています。
そして、とけ残ったものと液を分けるにはろ過を使います。
ガラス棒を使うのは、液がはねるのを防ぐためです。ろうとの先を内側につけるのも、しずくが飛び散らないようにする工夫です。
ミョウバンの結晶づくりは、家庭でもできる面白い実験です。
① お湯にミョウバンをとけるだけとかす
② ゆっくり冷ます(急に冷やすと小さい結晶ばかりになる)
③ 出てきた小さな結晶を1つ選ぶ
④ 糸でつるして、新しい飽和水溶液に入れる
⑤ 何日も待つ
ゆっくり時間をかけるほど、大きくきれいな結晶ができます。
ミョウバンはスーパーの漬物コーナーで手に入ります。
水溶液は、生活のあちこちにあります。
| もの | とけているもの |
|---|---|
| 海水 | 塩など |
| しょうゆ・スープ | 塩、うまみ成分 |
| 炭酸水 | 二酸化炭素(気体) |
| お茶・コーヒー | 茶葉やコーヒーの成分 |
| 点滴 | 塩分、糖分 |
| 川の水 | ミネラル(少量) |
注目したいのが炭酸水です。とけているのは気体なのです。
魚が水中で生きられるのも、酸素が水にとけているからです。夏に水温が上がると酸素が減り、魚が苦しくなります。
川の水が飲めるのも、逆に飲めない場合があるのも、何がとけているかによります。理科の知識は、こうした判断にもつながります。
同じ食塩水でも、濃さがちがうことがあります。
濃さは、割合で表せます。5年生の算数で学んだ考え方が使えます。
注意点は、わるのは「水の重さ」ではなく「水溶液全体の重さ」だということです。とけた分も含めた全体で考えます。
そして、水溶液の重要な性質があります。
これが、水溶液とにごった液のちがいです。どろ水は放っておくと下に沈みますが、水溶液は永久に混ざったままです。
海水の塩分濃度は約3.4%です。これは世界中どこの海でもだいたい同じで、深いところでも変わりません。とけたものは均一に広がるという性質が、地球規模で成り立っているのです。
見えなくなったから減ったと考える。
重さは変わりません。小さくなって散らばっただけです。実験で確かめられます。
牛乳を水溶液だと考える。
透明で、つぶが見えず、分かれないのが水溶液です。牛乳はにごっているので該当しません。
食塩を冷やして取り出そうとする。
食塩は温度で溶解度が変わらないので、蒸発させます。ミョウバンなら冷やす方法が使えます。
Q1 水溶液の3つの特徴を言いましょう。
A 透明・つぶが見えない・時間がたっても分かれないことです。
Q2 食塩を水にとかすと、全体の重さはどうなりますか。
A 変わりません。とけたものは消えたのではなく、散らばっただけです。
Q3 とける量を増やす方法を2つ言いましょう。
A 水の量を増やすと温度を上げる。ただし食塩は温度の効果がほとんどありません。
Q4 ミョウバンで結晶を作ってみましょう。
A 熱いお湯にとかし、ゆっくり冷やします。時間をかけるほど大きな結晶ができます。
この単元は、実験の楽しさが際立つ内容です。とくに結晶づくりは、多くの子が夢中になります。
ミョウバンはスーパーで手に入り、家庭でも安全に実験できます。大きな結晶を作るには時間がかかりますが、その待つ時間も学習です。
「とけても重さは変わらない」という原則は、中学の化学につながる重要な考え方です。実際に台ばかりで測ってみると、納得が深まります。
身のまわりの水溶液を探すのも良い活動です。「これは水溶液?」と考えると、透明かどうか、分かれるかどうかを判断する目が育ちます。
炭酸飲料の話(冷やすと気が抜けにくい)は、日常の経験と結びつく面白い題材です。「気体は冷たいほうがよくとける」という、固体とは逆の性質に驚くはずです。