5年 国語 情報を読み取る

情報を読み取る ── 図表は本文の一部として読む

図やグラフはおまけではありません。本文と組み合わせて初めて意味が分かります。

なぜ図表があるのか

説明文や資料には、図・グラフ・表がついていることがあります。

これらは飾りではありません。筆者が意図をもって入れています。

種類得意なこと
写真実際の様子を見せる・証拠になる
イラスト・図しくみや構造を示す
ぼうグラフ量の大小を比べる
折れ線グラフ変化を見せる
円・帯グラフ割合を示す
正確な数値を並べる

言葉で書くと長くなることも、図なら一目で伝わります

言葉で書くと… 「2020年は120万人、2021年は135万人、 2022年は150万人、2023年は162万人で、 年々増加している」 グラフなら… → 右上がりの線を見れば一瞬で分かる

だから、図表を飛ばして読むのは損なのです。

本文と図表をつなぐ

図表を読むときの基本は、本文との対応を確かめることです。

手がかりになる言葉 「図1のように」 「下のグラフを見ると」 「表1に示したとおり」 「次の写真は〜」

こうした言葉があったら、その場で図表を見ます。読み終わってから見るのでは遅いのです。

そして、次の3点を確認します。

① 図表は何を示しているか → 表題を読む ② 単位と目もりは何か → たて軸・横軸を確認 ③ 本文のどの部分と対応するか → 前後の文を読む

とくに②の単位は重要です。「万人」なのか「人」なのかで、意味がまったく変わります。

そして、本文にない情報が図表にあることもあります。

本文:「近年、来場者が増えている」 グラフ:2020年に一度大きく減っている → 本文には書かれていない → でも重要な情報 → 「なぜ減ったのか」と考えられる

図表を丁寧に見ると、本文だけでは分からないことが見えてきます。

グラフの読み方の注意

4年生でも学びましたが、あらためて確認します。

グラフを見たら確かめること ① たて軸は0から始まっているか → 波線で省略されていると 変化が大げさに見える ② いつのデータか → 古すぎないか ③ 誰が作ったデータか → 立場によって見せ方が変わる ④ 何を調べたデータか → 対象は何人? どこの?

とくに③の作成者は見落としがちです。

同じ商品について 作った会社のグラフ → 良いところを強調 消費者団体のグラフ → 問題点を強調 どちらもうそではないが、 見せ方がちがう

データは中立とは限りません。誰が、何のために作ったかを考える必要があります。

これは、ものごとを疑ってかかれということではありません。背景を知ったうえで判断するということです。

引用のしかた

調べたことを書くとき、他の人の文章や資料を使うことがあります。これを引用といいます。

引用には、守るべきルールがあります。

引用のルール ① 引用部分をはっきり示す → 「 」でくくる → 段落を変えて字下げする ② 変えずにそのまま写す → 都合よく変えてはいけない ③ 出典を示す → 書名・著者・出版社・ページ ④ 引用は必要な部分だけ → 全体が引用ばかりにならない

なぜルールがあるのでしょうか。

第一に、どこまでが自分の考えかを区別するためです。引用と自分の意見が混ざると、読む人が判断できません。

第二に、書いた人への礼儀です。他人の文章を自分のもののように使うのは、盗んだのと同じです。

第三に、確かめられるようにするためです。出典があれば、読者が元の資料を見て確認できます。

コピーして貼りつけるだけは調べ学習ではない

インターネットの文章をそのままコピーして提出する。これは調べ学習ではありません
調べたことは、自分の言葉で書き直すのが原則です。要約の力がここで生きます。
どうしてもそのまま使いたいときだけ、「 」でくくって引用し、出典を示します。
自分の言葉に直せないということは、理解できていないということでもあります。書き直す作業そのものが、理解を深めるのです。

情報の確かめ方

情報があふれる時代です。正しいかどうかを確かめる力が必要になります。

確かめる4つの視点 ① だれが発信したか → 名前や所属が分かるか ② いつの情報か → 古い情報ではないか ③ 根拠は示されているか → もとになるデータはあるか ④ 他でも同じことが言われているか → 複数の情報源で確認

いちばん簡単で有効なのはです。1か所だけの情報は、うのみにしないことです。

とくに気をつけたいのが、おどろくような情報です。

注意が必要な特徴 ・「絶対」「必ず」と言い切っている ・感情に強く訴えかける ・「〇〇だけが知っている真実」 ・出どころが書かれていない ・急いで広めるよう求めている

こうした情報は、いったん立ち止まるべきサインです。

そして、自分が発信する側になったときも同じです。確かめていない情報を広めると、まちがいを広げる側になってしまいます。

「本当かな?」と一度考える。この習慣が、自分も他人も守ります。

複数の資料を組み合わせる

5年生では、複数の資料を読み比べる学習もします。

組み合わせて読むと分かること ・共通していること → 確かな事実 ・食いちがうこと → 要確認 ・片方にしかないこと → 補い合える

1つの資料だけでは、一面しか見えません。複数を合わせると、全体像が見えてきます。

例:ある地域の人口について 資料A:グラフ(人口の推移) 資料B:文章(減少の原因の分析) 資料C:表(年代別の内訳) → 3つ合わせると 「いつから」「なぜ」「誰が」 が分かる

資料を読むときは、それぞれが何を教えてくれるかを意識しましょう。

そして、足りない情報は何かも考えます。「この資料からは分からないこと」に気づけるのも、大切な力です。

つまずきやすいところ

その1 図表を読み飛ばす

本文だけ読んで終わる。
図表には本文にない情報があります。「図1のように」が出たら、その場で見ます。

その2 出典を書かない

どこで調べたか示さない。
出典は確かめられるようにするためのものです。調べながらメモしておきます。

その3 1つの情報を信じこむ

最初に見た情報をそのまま受け取る。
複数の情報源で確かめます。同じことが書かれていれば、信頼度が上がります。

やってみよう

Q1 図表を読むとき、最初に確認するのは何ですか。

A 表題と単位です。何のデータで、単位が何かを確かめます。

Q2 引用のルールを3つ言いましょう。

A 「 」で示す・変えずに写す・出典を書く。必要な部分だけにすることも大切です。

Q3 情報を確かめるいちばん簡単な方法は?

A 複数の情報源で同じことが言われているかを見ることです。

Q4 新聞や教科書のグラフを1つ選び、4つの視点で確認してみましょう。

A 0から始まっているか、いつのデータか、誰が作ったか、何を調べたか。順に見てみてください。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、情報社会を生きるうえで欠かせない力を扱います。国語の枠を超えた、実用的な学習です。
図表を読む練習は、新聞やニュースが最良の教材です。「このグラフ、0から始まってる?」「いつのデータ?」と一緒に確かめてみてください。習慣になれば、一生の財産になります。
引用のルールは、中学・高校のレポート、そして大学や仕事にまで続く大切な作法です。小学生のうちから「どこから持ってきたかを書く」習慣をつけておくと、後で困りません。
情報の確かめ方は、SNSが身近になる年齢だからこそ重要です。「おどろく情報ほど、いったん止まる」という原則を伝えてあげてください。
そして、大人自身がその姿勢を見せることが、いちばんの教育になります。