5年 国語 同音異義語

同音異義語 ── 同じ読みでも、意味も漢字もちがう言葉

「大会に出るきかいをもらった」——この「きかい」は、機械でしょうか、機会でしょうか。声に出して読むと同じなのに、漢字で書くとちがう言葉になる。それが同音異義語です。日本語にはこのなかまがとても多く、書き分けをまちがえると、文の意味まで変わってしまいます。見分けるカギは、文の前後にあります。

同音異義語とは ── 読みが同じで、意味がちがう

同音異義語とは、発音(読み)が同じで、意味がちがう言葉のことです。漢字で書くと、ちがいがはっきり分かります。

読み言葉意味
きかい機会ちょうどよいチャンス
機械動力で動くしかけ
器械小型の道具(器械体そうなど)
かんしん関心興味を持つこと
感心りっぱだと心を動かされること
たいしょう対象はたらきかける相手
対照くらべ合わせること

なぜ日本語には同音異義語が多いのでしょうか。それは、漢字の音読みの種類が、もとの中国語よりずっと少ないからです。中国語では発音がちがっていた漢字も、日本語に入ってくると同じ音になってしまいました。その結果、「こうえん」と読む言葉だけでも、公園・講演・公演・後援と、たくさんのなかまが生まれたのです。耳で聞くだけでは区別できない言葉を、わたしたちはふだん、文の前後から自然に判断しています。その「自然にやっていること」を、はっきり意識するのがこの単元です。

見分けるカギは「文の前後」

同音異義語を正しく書き分けるいちばんのカギは、文の前後(文脈)から意味を考えることです。

「大会に出るきかいをもらった」なら、「もらった」のは動くしかけではなく、チャンスのはず。だから「機会」です。「工場で大きなきかいが動いていた」なら、動いているのはしかけだから「機械」です。読みだけを見て漢字を思い出そうとすると迷いますが、「この文で、この言葉はどんな意味で使われているか」をまず考えれば、選ぶべき漢字はしぼれます。順番が大切です。先に意味、あとで漢字。この順で考えるくせをつけると、書き分けのミスはぐっとへります。

もう一つのカギは、漢字一字一字の意味に注目することです。「機会」の「会」は「出会う」——チャンスに出会うこと。「機械」の「械」は「かせ・しかけ」を表す字です。「対照」の「照」は「照らし合わせる」——だからくらべる意味になります。漢字の成り立ち(5年)で学んだように、漢字はそれぞれ意味を持っています。その意味をたよりにすると、丸暗記しなくても、どちらの字を使うべきか推理できるようになります。

よく出る同音異義語

5年生でよく出会う同音異義語を、意味のちがいといっしょに見ておきましょう。

読み書き分け使い方のれい
いがい以外/意外算数以外の教科/意外な結果におどろく
じしん自身/自信/地震自分自身/自信を持つ/地震にそなえる
せいかく正確/性格正確に計算する/明るい性格
しゅうかん習慣/週間早起きの習慣/一週間
こうえん公園/講演/公演公園で遊ぶ/講演を聞く/げきの公演
いどう移動/異動席を移動する/先生の異動

この表を丸暗記する必要はありません。大切なのは、「同じ読みの言葉に出会ったら、意味を考えて漢字を選ぶ」という構えです。国語辞典(3年で学びました)を引くと、同じ読みの見出し語がならんでいて、それぞれの意味と漢字がのっています。迷ったら辞典で確かめる習慣が、いちばんの近道です。

同訓異字 ── 訓読みにも「同じ読み」がある

同音異義語とよくにたなかまに、同訓異字があります。こちらは、訓読みが同じで漢字がちがうものです。

たとえば「はかる」。長さや深さは「測る」、重さは「量る」、時間は「計る」と書き分けます。「あつい」なら、気温は「暑い」、お湯やスープは「熱い」、本のページが多ければ「厚い」です。「なおす」は、こわれたものなら「直す」、病気やけがなら「治す」。同音異義語が音読みの熟語どうしのなかまだったのに対し、同訓異字は訓読み(和語)の書き分けです。どちらも、「意味を考えてから漢字を選ぶ」という見分け方は同じです。何をはかるのか、何があついのか——言葉が指している中身を思いうかべれば、正しい字が見えてきます。迷ったときは、その言葉を別の言い方に置きかえてみるのも有効です。「時間をはかる」は「カウントする」だから「計る」、「体重をはかる」は「重さを調べる」だから「量る」というように、言いかえてみると意味のちがいがはっきりします。

書き分けの力は、伝える力

同音異義語の書き分けは、テストのためだけの知識ではありません。読む人に正しく伝えるための力です。

話し言葉なら、「きかい」と言っても、聞き手は場面から意味を判断してくれます。でも書き言葉では、漢字そのものが意味を伝えます。「先生に感心がある」と書いてしまうと、「興味がある」と伝えたかったのに、「りっぱだと思っている」という別の意味の字になってしまい、読む人は「あれ?」と立ち止まります。反対に、正しく書き分けられた文章は、読み手に意味がすっと伝わります。作文や意見文(5年)を書くとき、漢字の書き分けに気を配ることは、読み手への思いやりでもあるのです。パソコンやタブレットで文字を打つときも、変換候補には同音異義語がずらりとならびます。どれを選ぶかを決めるのは、機械ではなく自分です。書き分けの力は、これからの時代にこそ必要な力だといえます。

つまずきやすいところ

その1 読みだけで漢字を思い出そうとする

「きかい」から直接漢字を思い出そうとすると迷います。
先に文の中での意味を考え、あとで漢字を選びましょう。

その2 変換候補の先頭をそのまま選ぶ

タブレットの変換は、正しい字を選んでくれるとは限りません。
候補の中から、意味に合う字を自分で確かめて選びましょう。

その3 同音異義語と同訓異字を混同する

同音異義語は音読みの熟語(機会・機械)、同訓異字は訓読み(測る・量る)です。
どちらも「意味で選ぶ」という考え方は共通です。

たしかめよう

Q1 読みが同じで意味がちがう言葉を何という?

A 同音異義語

Q2 「大会に出るきかいをもらった」の「きかい」はどう書く?

A 機会(チャンスの意味だから)

Q3 「先生の話にかんしんを持つ」の「かんしん」はどう書く?

A 関心(興味の意味だから)

Q4 同音異義語を見分けるいちばんのカギは?

A 文の前後(文脈)から意味を考えること

まとめ

おうちの方へ

同音異義語は、5年生の言葉の学習の中でも、作文・テスト・入試まで長く効いてくる単元です。ポイントは、漢字を読みから丸暗記させるのではなく、「文の中でどんな意味か」を先に考えさせることです。ご家庭では、「『きかい』ってどんな意味で使った?」と意味を言葉で説明させる遊びや、国語辞典で同じ読みの見出し語を読みくらべる活動がおすすめです。また、タブレットの変換候補から正しい字を選ぶ場面は、書き分けを意識するよい機会になります。まちがえたときは「おしい、意味はどっちだった?」と、意味にもどって考えさせてあげてください。「漢字の成り立ち」「和語・漢語・外来語」の記事とあわせて読むと、言葉を意味から見る力がいっそう深まります。