5年 英語 be動詞と一般動詞の使い分け

am は「は」ではない ── 2つ目の箱に入る動詞は、ちょうど1つ

「わたしはサッカーをします」を英語で書いてみてください。I am play soccer. と書いてしまう人は、とても多いです。これはまちがいなのですが、まちがえ方にはちゃんとした理由があります。しかもその理由は、英語をまじめに練習した人ほど当てはまります。5年生までに口に出してきた文を2つの列に分けてみると、理由と直し方が同時に見えてきます。

同じ「わたしは」なのに、英語は2通りに分かれる

まず、これまでに習った文をならべてみます。日本語のほうに注目してください。

わたしは 10さいです。   → I am ten years old. わたしは 東京の出身です。 → I am from Tokyo. わたしは サッカーをします。→ I play soccer. わたしは 犬が好きです。  → I like dogs.

日本語は4つとも「わたしは」で始まっています。ところが英語は、am があるものとないものに、きれいに2つへ分かれました。上の2文には am があり、下の2文にはありません。

そして、下の2文に am を足すとまちがいになります。I am play soccer. も I am like dogs. も、英語として通じません。日本語の出だしは同じなのに、なぜ片方だけ am が要るのでしょうか。

教科書では、自己しょうかいの単元、好きなものの単元、一日の生活の単元と、場面ごとに別々に習います。そのため、この2種類が同じページに並ぶ機会がほとんどありません。ここでまとめて、be動詞と一般動詞の使い分けを一度で片づけてしまいましょう。

「は」を am だと思うと、必ず行きづまる

つまずきの正体は、たいていここにあります。自己しょうかいの練習では I am 〜. の形が何度も出てくるので、「わたしは」を「I am」と2語まとめておぼえてしまうのです。

思いこみ  わたしは = I am ほんとう  わたし  = I        です  = am        は   = 英語には ない

この思いこみをかかえていると、「わたしはサッカーをします」を英語にするとき、手が自然に I am と書きます。あとは「します」を足せばよさそうに見えるので、I am play soccer. が出てくるわけです。

では、なぜ「は」は am ではないのでしょう。国語で習った助詞を思い出してください。「わたしは」の「は」は、〈この言葉が話の主です〉と知らせるための小さな札です。英語にはこの札がありません。だれの話かは、文のいちばん前に置くことだけで表します。つまり「は」にあたる英語の単語は、はじめから存在しないのです。

それなら am は何の訳なのか。文の終わりを見てください。「わたしは10さいです」の最後は「です」、「わたしはサッカーをします」の最後は「します」。am が現れたのは「です」で終わる文のほうだけでした。am は「は」ではなく「です」の担当なのです。

だから I am play soccer. を日本語にもどすと、「わたしは です サッカーを します」という文になります。「です」と「します」が1つの文に2つ入った、へんな日本語です。声に出してみると、おかしさがはっきりします。

名前をつけておこう

am・is・are のなかまを be動詞、play・like・go のように動きを表すものを 一般動詞 と呼びます。中学校ではこの2つの名前で授業が進みます。いま名前を知っておくと、教科書の説明がそのまま読めます。

am・is・are の仕事は「=」と「いる・ある」だけ

be動詞は「動詞」という名前がついていますが、走る・食べるのような動きはまったく表しません。仕事はたった2つです。

仕事例意味図にすると
①=(イコール)I am Ken.わたしはケンですI = Ken
①=(イコール)She is my teacher.かのじょは先生ですShe = 先生
①=(イコール)I am happy.わたしはうれしいI = うれしい状態
②いる・あるThe cat is under the table.ねこはテーブルの下にいるねこの居場所

①は、左と右が同じものだと言っているだけです。算数の「=」とまったく同じ役目なので、I am Ken. は「I = Ken」と書きかえられます。ケンという名前の人と、わたしは同じ人物ですよ、という意味になります。

②は、人やものがどこにいるか・あるかを言うときに使います。My school is near the station.(学校は駅の近くにあります)のように、うしろに場所の言葉が続きます。

どちらの仕事にも、動きがありません。これが一般動詞との決定的なちがいです。一般動詞のほうは、走る・遊ぶ・食べるといった体の動きだけでなく、好き・ほしい・知っているといった心のはたらきまで受け持ちます。

見分ける手がかりは、日本語の文の終わり

どちらを使うかは、英語を見て決めるのではありません。言いたい日本語の、終わりのところに手がかりがあります。

  1. 言いたい日本語を、とちゅうで止めずに最後まで声に出す。
  2. 終わりが「〜です」「〜だ」「〜にいる」「〜にある」なら、be動詞。
  3. 終わりが「〜する」「〜した」など、動きや心のはたらきなら、一般動詞。
  4. どちらか決まってから、主語に合わせて形を選ぶ。

4番目の「形を選ぶ」も、種類によってやり方がまるでちがいます。ここを一枚の表にしておきます。

種類I のときyou・2つ以上のとき1人・1つのとき
be動詞amareis
一般動詞(play)playplayplays(s をつける)

be動詞は3つの形に着がえますが、一般動詞が形を変えるのは「1人・1つ」のときに s をつけるところだけです。I am / You are / He is という表はすでに習いましたが、あの表は一般動詞にはあてはまりません。He is play soccer. ではなく、He plays soccer. です。

2つ目の箱に入る動詞は、ちょうど1つ

6年生の記事では、英語の文を〈だれが〉〈どうする〉〈なにを〉という3つの箱にたとえました。いま話しているのは、その2つ目の箱の中身のことです。

2つ目の箱には、be動詞か一般動詞のどちらかが入ります。そして入る数はちょうど1つ。0でも2つでもいけません。

× I am play soccer.  動詞が2つ(am と play) ○ I play soccer. × I happy.      動詞が0 ○ I am happy. × I from Tokyo.    動詞が0 ○ I am from Tokyo.

上の2組は入れすぎ、下の2組は入れ忘れです。反対のまちがいに見えますが、破っているきまりは同じ1つです。2つ目の箱は、空にも二重にもできない。この物差しを1本持っておくと、自分が書いた英語を自分で点検できるようになります。

入れ忘れが起きるのも、やはり日本語のせいです。日本語なら「わたしはうれしい!」で文が完成しますし、「わたしは東京から」でも通じてしまいます。日本語は動詞がなくても文になれる言葉、英語はなれない言葉、というちがいだと考えてください。

「〜でない」「〜ですか」の作り方が、種類で変わる

2種類のちがいがいちばんはっきり顔を出すのは、打ち消しの文とたずねる文です。ここは中学英語で最初に道が分かれるところなので、いま形を見ておく値打ちがあります。

be動詞の文一般動詞の文
ふつうI am hungry.I like natto.
〜でないI am not hungry.I do not like natto.(I don't 〜)
〜ですかAre you hungry?Do you like natto?
答え方Yes, I am.Yes, I do.

be動詞は、not をすぐうしろに置くだけ。たずねるときは、主語と前後を入れかえるだけです。助けを借りずに、自分ひとりで変身できます。

一般動詞にはそれができません。打ち消すにも、たずねるにも、do という助っ人を呼んでくる必要があります。I play not soccer. とも Like you natto? とも言えないのです。

he・she のように「1人」が主語のときは、この助っ人が does に変わります。そして、おもしろいことが起きます。

He plays soccer.  ↓ He does not play soccer.(doesn't) Does he play soccer?

plays についていた s が消えて、does のほうへ移っています。s は文の中に1つだけ、というきまりがはたらいているのです。does が s を受け取ったので、play はもとの形にもどりました。

いちばんまちがえやすいのは、2つのやり方を混ぜてしまうことです。Do you are hungry? や Are you like soccer? が代表例です。文を作りはじめる前に「この文の動詞はどちらの種類か」を決めてしまえば、混ざりません。

習ってきた文を、2つの列に分けてみよう

これまでの単元で口に出してきた文を、2つの列に分けてみます。どちらの文を多く使ってきたかも見えてきます。

be動詞の文(=・いる)一般動詞の文(動き・心のはたらき)
I am from Osaka.I like blue.
My name is Taro.I play the piano.
He is my hero.I get up at six.
This is my town.I go to school by bus.
I am eleven years old.I want to be a teacher.
It is sunny today.I study English every day.

左の列は、どれも「=」で書きかえられます。My name is Taro. は「わたしの名前 = たろう」、This is my town. は「これ = わたしの町」です。名前を言う型も、ものを指す型も、実は同じなかまだったわけです。

右の列には、am・is・are が1つもありません。好き(like)も、ほしい(want)も、日本語では「です」で終わることがありますが、英語では動きの側に入ります。「わたしは犬が好きです」の「です」につられて am を足さないように気をつけてください。like がすでに動詞の役目を果たしています。

つまずきやすいところ

その1 「わたしは」を I am とまるごとおぼえている

いちばん多い原因です。I am 〜. の形を何十回も練習したあとに I play 〜. が出てくるので、体が先に I am を出してしまいます。直すには、英語より先に日本語の文末を見るくせをつけます。「します」で終わるなら、am の出番はありません。

その2 be動詞を落としてしまう

I happy. / I from Japan. / He my brother. のような文です。日本語では動詞がなくても通じるため、つい消えます。英語の文には動詞が必ず1つ要る、と覚えておけば防げます。

その3 I'm を別のものだと思っている

I'm happy. の I'm は、I am を短くしただけのものです。You're は You are、He's は He is。話すときはむしろ短い形のほうがよく使われます。短くすると am が目に見えなくなるため、「am は消してもいいんだ」と思ってしまう人がいますが、中にちゃんといます。

その4 -ing や can を見て混乱する

I am playing soccer. という文を見ると、「am と play が両方あるじゃないか」と思うかもしれません。これは play が playing という別の形に着がえているからで、中学校で〈いましている〉ことを表す言い方として習います。can のときは I can play 〜. で、am は入りません。そのままの形の動詞は am・is・are と並べないと覚えておけば、いまは十分です。

やってみよう

Q1 「わたしはサッカーをします」を英語で言うと?

A I play soccer.(「します」で終わる文なので am は入りません)

Q2 「わたしはねむい」を I sleepy. と書いてよいですか。

A いけません。I am sleepy. です。am がないと、2つ目の箱が空になってしまいます。

Q3 am・is・are の2つの仕事は何ですか。

A 「=(イコール)」と「いる・ある」です。動きはまったく表しません。

Q4 「あなたは納豆が好きですか」と英語でたずねるには?

A Do you like natto? like は一般動詞なので、助っ人の do が必要です。

Q5 He plays soccer. をたずねる文にすると、どうなりますか。

A Does he play soccer? plays の s が does に移り、動詞はもとの形にもどります。

まとめ

おうちの方へ

小学校の外国語は場面ごとの表現を積み上げていく形なので、I am 〜. と I play 〜. が同じ場所を取り合っているという構造は、ふつう説明されません。ところが中学1年生の最初の数か月は、まさにこの2種類を軸に進み、否定文・疑問文の作り方まで枝分かれしていきます。ここを知らないまま進級すると、単語は覚えているのに文が作れない、という状態になりがちです。
ご家庭でしていただきたいのは、正しい英語を教えることではありません。「その日本語、終わりは『です』かな、『する』かな」と聞いてあげるだけで十分です。判断の手がかりが英語側ではなく日本語側にあると分かると、子どもは自分で選べるようになります。
なお I am play 〜. というまちがいは、英語が苦手だから出るものではありません。I am 〜. をまじめに練習した子ほど出やすい、いわば学習の跡です。責めずに「そこまで身についた証拠だね」と伝えたうえで、箱の話をしてあげてください。
もう一つ。ここでのねらいは文法用語をおぼえることではなく、自分の書いた英語を自分で点検できる物差しを1本持つことです。「動詞は1つ入っているか」と声に出して確かめる習慣がつけば、中学校での学習はずいぶん楽になります。