日本に住む外国の人は増え続けています。ことばや文化がちがう人と、どう暮らしを共にするかを考えます。
スーパーの店員さん、コンビニのアルバイト、工場で働く人。今、日本には約300万人以上の外国人が住んでいます。
特別な観光地だけの話ではありません。自分の住む町にも、外国から来て暮らしている人がいるかもしれません。学校のクラスに、外国につながる友だちがいる人もいるでしょう。
地域は、こうした人たちといっしょに暮らしていくための工夫を進めています。これを国際交流や多文化共生と呼びます。
多くの市区町村は、外国の都市と姉妹都市(しまいとし)の関係を結んでいます。
| 姉妹都市になるきっかけ | 例 |
|---|---|
| 歴史的なつながりがある | 移民を送り出した/受け入れた歴史 |
| 産業や気候が似ている | 同じような農業・工業のまち |
| 地名や名前が似ている | 「〇〇」という同じ地名 |
| 友好のきっかけがあった | スポーツ大会や災害支援での交流 |
姉妹都市になると、学生の交換留学、文化祭への参加、青少年の相互訪問などが行われます。
たとえば、姉妹都市の中学生が数週間ホームステイをしたり、逆に自分の町の子どもたちが姉妹都市を訪れたりします。実際に会って話すことで、教科書だけでは分からない「その国のふつうの暮らし」を知ることができます。
姉妹都市は災害のときにも力を発揮します。地震などの被害があったとき、姉妹都市どうしで物資や義援金を送り合うことがあります。ふだんからの信頼関係が、いざというときの助け合いにつながるのです。
地域に住む外国人にとって、いちばんの壁はことばです。市区町村は、さまざまな支援を用意しています。
とくに注目したいのが「やさしい日本語」です。
これは、外国語に翻訳するのではなく、日本語そのものを、外国人にも分かりやすい表現に言いかえる工夫です。たとえば「避難してください」を「にげてください」、「土足厳禁」を「くつをぬいでください」のように言いかえます。
すべての外国語に対応するのは大変ですが、やさしい日本語なら、地域の人が少し気をつけるだけで実現できます。災害時のように一刻を争うときにも、命を守る情報がすばやく伝わるという利点があります。
国際交流は、役所だけの仕事ではありません。学校や地域でも取り組みが進んでいます。
外国につながる子どもたちの中には、日本語がまだ十分ではない子もいます。多くの学校では、日本語指導の担当者がついたり、やさしい日本語で書かれた教材を使ったりする支援が行われています。
反対に、日本の子どもたちにとっても、外国につながる友だちと関わることは大きな学びになります。同じ「日本語が母語ではない」立場を体験してみることで、相手の気持ちを想像しやすくなるからです。
外国につながる友だちの中には、日本の文化と自分の国の文化のあいだで気持ちが揺れる子もいます。「どちらが正しいか」ではなく、ちがいをそのまま受け止める姿勢が大切です。
あいさつの仕方、食べ物のルール、お祝いの日。国によって当たり前が変わります。「知らない」を「おかしい」と決めつけず、「そういう考え方もあるんだ」と受け止められると、多文化共生の第一歩になります。
国際交流に力を入れることで、地域にはどんな良いことがあるのでしょうか。
とくに①の労働力の支え合いは、日本全体の課題と直結しています。少子高齢化が進む日本では、多くの産業で人手が足りません。外国人労働者は、その不足を補う大切な存在になっています。
一方で、ことばの壁、生活習慣のちがい、差別や偏見といった課題も残っています。国際交流は「良いことだけ」ではなく、乗りこえるべき課題とセットで考える必要があります。
たとえば、ごみの出し方やマンションでの生活音など、「知らなかった」ことがトラブルの原因になることがあります。多くは悪気があるわけではなく、育った国のルールがちがうだけです。だからこそ、多言語やさしい日本語での説明が、トラブルを防ぐ第一歩になります。
お祭りや交流会だけが国際交流ではありません。
日常生活の中の支援(多言語表示、やさしい日本語、日本語教室など)も大切な国際交流の一部です。
地域に住む外国人の多くは、観光客ではなく住民として働き、暮らしている人です。同じ地域で生活する仲間として考えます。
姉妹都市は、災害時の助け合いなど日常の危機にも役立つ関係です。ふだんからの信頼関係が土台になっています。
Q1 「多文化共生」とはどういう意味ですか。
A ちがう文化を持つ人どうしが、おたがいを認め合いながら共に暮らすことです。
Q2 「やさしい日本語」とはどんな工夫ですか。
A 外国語に翻訳するのではなく、日本語そのものを分かりやすい表現に言いかえる工夫です。
Q3 姉妹都市はどんなときに助け合いをしますか。
A 地震などの災害があったときに、物資や義援金を送り合うことがあります。
Q4 自分の市区町村の姉妹都市を調べてみましょう。
A 市区町村のホームページの「国際交流」のページに書かれていることが多いです。
国際交流の学習は、身近な生活とのつながりを意識すると理解が深まります。
お住まいの市区町村のホームページで「国際交流」「多文化共生」のページを一緒に見てみると、姉妹都市や外国人向けの支援策が具体的に分かります。
近所のコンビニやスーパー、工場などで働く外国人の方を見かけたときに、「どこの国から来ているのかな」「どんな工夫で日本語を覚えたのかな」と会話のきっかけにしてみるのもおすすめです。
「やさしい日本語」は、実は大人にとっても練習になります。ニュースの内容を、外国人の友だちにも伝わるような言い方に言いかえてみる遊びは、家庭でも手軽にできる国際理解の学習です。