4年 社会 ごみのしょり

ごみのしょり ── 燃やしても「なくなる」わけではない

ごみ収集車が持っていったら終わり──ではありません。その先を知ると、行動が変わります。

どれだけ出しているか

日本人1人が1日に出すごみの量は、約900g。1年間では約330kgになります。

これを国全体で見ると、年間約4000万トン。東京ドーム約110杯分です。

ごみの中身を見てみましょう。

種類割合の目安
紙類約3割新聞、包装紙、ティッシュ
生ごみ約3割食べ残し、野菜くず
プラスチック約2割容器、包装、袋
その他約2割布、木、金属、ガラス

注目すべきは、紙と生ごみで6割を占めることです。この2つを減らせば、ごみは大きく減ります。

とくに生ごみは、その多くが水分です。水を切ってから出すだけで、重さが減り、燃やすときの燃料も少なくて済みます。

なぜ分別するのか

ごみは種類ごとに分けて出します。面倒に感じますが、すべてに理由があります。

種類行き先分ける理由
燃えるごみ清掃工場燃やして減らす
燃えないごみ破砕・埋立燃やせない/燃やすと有害
資源ごみリサイクル工場材料として再利用できる
粗大ごみ専用の処理大きくて機械に入らない
危険ごみ専門業者電池・スプレー缶は爆発の危険

とくに大事なのが危険ごみです。

リチウムイオン電池やスプレー缶を燃えるごみに混ぜると、収集車や清掃工場で火災が起きます。実際、全国で毎年多数の火災が発生しています。

分別は、単なる決まりではなく働く人の安全を守るルールでもあるのです。

また、分別のルールは市区町村によってちがいます。処理施設の設備がちがうためです。プラスチックを燃やせる工場もあれば、そうでない所もあります。引っ越したら、必ず新しいルールを確認します。

清掃工場のしくみ

燃えるごみは清掃工場で燃やされます。ただ燃やしているのではありません。

① ごみピット 収集車が運んだごみをためる クレーンでかき混ぜる (よく燃えるように) ② 焼却炉 約800〜900℃で燃やす → 体積が約20分の1になる ③ 排ガス処理 有害な物質を取りのぞく (ダイオキシン、すすなど) ④ 灰の処理 埋立地へ/セメント材料に ⑤ 熱の利用 発電、温水プール、暖房

注目すべきは⑤の熱の利用です。

燃やすと大量の熱が出ます。それを捨てずに、発電や施設の暖房に使うのです。清掃工場のとなりに温水プールがあることが多いのは、このためです。

そして③の排ガス処理も重要です。昔はダイオキシンなどの有害物質が問題になりましたが、今は高温で燃やし、フィルターで取りのぞくことで大幅に減っています。

ここで大事な事実を確認しましょう。

燃やしても、ごみは消えない 体積は 1/20 になるが 灰は必ず残る → その灰は埋め立てるしかない

「燃やせばなくなる」は誤解です。減るだけで、なくなりはしません。

埋立地には限りがある

最後に残った灰は、最終処分場(埋立地)に埋められます。

ここで深刻な問題があります。埋立地はいつか いっぱいになるのです。

日本の最終処分場 残りの容量 … あと約20年分 (このままのペースで出し続けた場合) 新しく作ろうにも… ・広い土地が必要 ・近くの住民の理解が必要 ・環境への影響が心配される → かんたんには作れない

だから、ごみを減らすことが最優先になります。

東京湾の埋立地は、実はごみで作られた土地です。今は公園や施設になっていますが、そこも無限ではありません。

処理には費用もかかる

ごみ処理には、税金が使われています。
全国で年間約2兆円。1人あたり約1万5000円です。
収集車の燃料、清掃工場の運転、働く人の給料、施設の建設と修理。すべてにお金がかかります。
ごみを減らすことは、税金の節約にもつながるのです。

3Rの優先順位

ごみを減らす取り組みは、3Rと呼ばれます。

Reduce(リデュース)… 減らす そもそもごみになるものを買わない Reuse(リユース)… くり返し使う こわれたら直す、人にゆずる Recycle(リサイクル)… 資源にもどす 材料として作り直す

ここで重要なのが、この順番に意味があるということです。

優先順位 1位 Reduce ← いちばん大事 2位 Reuse 3位 Recycle ← 最後の手段

なぜリサイクルが最後なのでしょうか。リサイクルにもエネルギーとお金がかかるからです。

ペットボトルを再生するには、集めて、運んで、洗って、くだいて、溶かして、新しい製品にする。その各段階で電気や燃料を使います。

そもそもごみを出さなければ、そのすべてが不要です。マイバッグを持つ、詰め替え商品を選ぶ、必要な分だけ買う。これがいちばん効果的なのです。

最近はRefuse(断る)を加えて4Rと言うこともあります。いらないレジ袋や割りばしを「いりません」と断る。これも立派な取り組みです。

ごみは資源になる

分別された資源ごみは、どう生まれ変わるのでしょうか。

ペットボトル → 洗って細かくくだく → 繊維にする → 服、カーペット、 新しいペットボトル アルミ缶 → とかして再びアルミに → 新しく作るより エネルギーが約1/30で済む 古紙 → とかして紙にもどす → トイレットペーパー、 段ボール、新聞紙 生ごみ → 発酵させる → 肥料、バイオガス

とくにアルミ缶のリサイクル効果は絶大です。鉱石からアルミを作るには膨大な電気が必要ですが、再生ならその30分の1で済みます。

ただし、リサイクルには条件があります。

・きれいに洗ってある ・ラベルやふたを外してある ・他のごみが混ざっていない → 汚れていると、 リサイクルできず 燃やすしかなくなる

ひとつでも汚れた物が混ざると、まとめて使えなくなることがあります。だから、出す前にさっと洗うことが大切なのです。

「分別すること」と「きちんと出すこと」はセットです。形だけ分けても、中身が汚れていては意味がありません。

つまずきやすいところ

その1 燃やせばなくなると思う

清掃工場でごみが消えると考える。
体積は減りますが、灰は必ず残ります。それを埋める場所にも限りがあります。

その2 リサイクルすればよいと思う

分別さえすれば問題ないと考える。
リサイクルにもエネルギーとお金がかかります。3Rの1位はReduce(減らす)です。

その3 分別のルールを他の市と混同する

引っ越し先で前と同じ出し方をしてしまう。
ルールは市区町村ごとにちがいます。どんな炉やリサイクル設備を持っているかが自治体ごとに異なるからです。必ず確認します。

やってみよう

Q1 ごみの中で多いのは何ですか。

A 紙類と生ごみで約6割を占めます。この2つを減らす効果は大きいです。

Q2 清掃工場で出る熱は何に使われますか。

A 発電や温水プール、暖房などに利用されています。

Q3 3Rを優先順位の高い順に言いましょう。

A Reduce(減らす)→ Reuse(くり返し使う)→ Recycle(資源にもどす)です。

Q4 自分の家のごみの分別ルールを調べてみましょう。

A 市区町村のホームページやごみカレンダーで確認できます。1週間分のごみを記録してみるのもおすすめです。

まとめ

おうちの方へ

ごみの学習は、実践に結びつけやすい単元です。学んだことをすぐ家庭で試せます。
おすすめは、1週間のごみを記録することです。何がどれだけ出たか書き出すと、自分の生活が見えてきます。「思ったより包装が多い」といった気づきが、行動を変えます。
清掃工場の見学も、多くの自治体で受け入れています。ごみピットの巨大さやクレーンの動きは迫力があり、強く印象に残ります。
3Rの優先順位は、大人でも誤解しがちな点です。「リサイクルすればいい」ではなく「そもそも減らす」が最優先。買い物のときに「これは本当に必要?」と一緒に考える習慣が、いちばんの学習になります。
電池やスプレー缶の危険性についても、ぜひ家庭で確認しておいてください。