三角定規には30°・60°・90°の「三角定規A」と、45°・45°・90°の「三角定規B」の2種類があります。分度器を使わずに作れる角は、この4種類だけでしょうか。実は、2まいを組み合わせるとまったく新しい角度が何種類も作れます。
三角定規Aは「直角三角形」で、角は30°・60°・90°の3つです。三角定規Bは「直角二等辺三角形」で、角は45°・45°・90°の3つです。どちらも1つの角は必ず90°(直角)です。
| 定規 | 角① | 角② | 角③ |
|---|---|---|---|
| 三角定規A | 30° | 60° | 90° |
| 三角定規B | 45° | 45° | 90° |
この時点で分度器を使わずに作れる角は30°・45°・60°・90°の4種類です。ここから、三角定規を組み合わせてつくる角度がどこまで広がるかを、2まいを使って確かめていきます。
2まいの三角定規の辺をぴったり重ね、そこを軸にして外側へ開くと、2つの角が合わさった大きな角ができます。これは2つの角度をたし算することと同じです。Aの角(30°・60°・90°のどれか)とBの角(45°・90°のどちらか、45°は2つあっても同じ数字です)を1つずつ選んで、たせる組み合わせをすべて確かめます。
75°・105°・120°・135°・150°。これで5つの新しい角ができました。
もう1つの組み合わせ、Aの90°とBの90°をたすと90°+90°=180°になりますが、180°は一直線になるだけで、角としては「開いていない」状態です。新しい角としては数えません。
今度は、2まいの三角定規の辺をそろえたまま、1まいをもう1まいの上に重ねるように置きます。すると、はみ出た部分が「大きい角から小さい角を引いた」すきまの角になります。これは2つの角度のひき算です。
どちらも答えは15°になります。別の組み合わせも確かめておきましょう。
重ねてひいた場合、新しく出てくる角度は15°だけです。ほかの組み合わせは、もともとある30°・45°・60°・90°に戻るか、すきまが0°になるだけでした。
たして作れた新しい角が5つ(75°・105°・120°・135°・150°)、重ねて作れた新しい角が1つ(15°)。合わせると6つの新しい角が、三角定規を組み合わせることで作れます。
もとから三角定規1まいだけで作れた4種類(30°・45°・60°・90°)と、今回の6種類を合わせると、ちょうど10種類の角度が、三角定規だけで作れることになります。
| 角度 | 作り方 |
|---|---|
| 15° | 三角定規を重ねる(45°-30°、または60°-45°) |
| 30° | 三角定規A そのまま |
| 45° | 三角定規B そのまま |
| 60° | 三角定規A そのまま |
| 75° | 外に開く(30°+45°) |
| 90° | 三角定規A・Bどちらも そのまま |
| 105° | 外に開く(60°+45°) |
| 120° | 外に開く(30°+90°) |
| 135° | 外に開く(90°+45°) |
| 150° | 外に開く(60°+90°) |
表を上から見ると、15°・30°・45°・60°・75°・90°・105°・120°・135°・150°と、15度ごとに10個並んでいることが分かります。三角定規だけで、15度刻みの角度ならどれでも作れるのです。
2まいの三角定規を組み合わせるとき、「たす」のか「ひく」のかは、置き方で決まります。
①は、2つの角のあいだにすきまができる置き方です。扇を開くように、1まいの角のはしから、もう1まいの角が続いて並びます。②は逆に、1まいがもう1まいの一部とかさなる置き方で、重なっていない部分だけが残ったすきまの角になります。
どちらの置き方か迷ったときは、実際に三角定規2まいを手に取って、角を合わせてみるのが一番確実です。開いているか、重なっているかは、見ればすぐに分かります。
三角定規Bに45°が2つあるので、「組み合わせれば何でも作れそう」と思ってしまう。
実際に作れるのは15度ごとの10種類だけです。たとえば20°や50°のような、15の倍数でない角度は、三角定規2まいだけでは作れません。
三角定規を組み合わせる問題を見ると、外に開く「たし算」のことしか考えず、15°が作れることに気づかない。
2まいを重ねて置くと「ひき算」になることも、必ずセットで確認しましょう。15°は、重ねる置き方でしか作れません。
たし算の組み合わせを数えるとき、90°+90°=180°も新しい角の1つに入れてしまう。
180°は2本の辺が一直線になっているだけで、開いた角ではありません。新しい角の数には入れません。
Q1 三角定規Aの60°と、三角定規Bの45°を外に開いて組み合わせると、何度になりますか。
A 60°+45°=105度。
Q2 三角定規Aの30°に、三角定規Bの45°を重ねると、すきまの角は何度になりますか。
A 45°-30°=15度。
Q3 三角定規を2まい組み合わせて作れる新しい角度は、全部で何種類ありますか。
A 外に開いて作れる5つ(75°・105°・120°・135°・150°)と、重ねて作れる1つ(15°)で、6種類。
Q4 三角定規Aの90°と、三角定規Bの90°を外に開いて組み合わせると180°になりますが、これを新しい角として数えないのはなぜですか。
A 180°は2本の辺が一直線になっているだけで、開いた角とは言えないから。
Q5 三角定規だけで150°を作るには、どの角とどの角を、どのように組み合わせればよいですか。
A 三角定規Aの60°と、三角定規Bの90°を外に開いて組み合わせる(60°+90°=150°)。
この単元は「角の大きさ」の発展として、教科書の脇に小さく紹介されることが多い内容です。分度器がなくても三角定規を組み合わせれば様々な角度が作れることを体験すると、角度を「道具で測るだけのもの」から「組み立てて作れるもの」として実感できます。
できれば実物の三角定規2まいを用意して、実際に辺をそろえて開いたり重ねたりしながら確かめさせてください。計算だけで追うより、「このすきまが15°なんだ」と目で見て納得できるほうが記憶に残ります。
もし発展として余裕があれば、「15度ごとに10種類」という規則性に気づけているかを聞いてみるのもよいでしょう。15・30・45・60・75・90・105・120・135・150と、等差数列になっていることへの気づきは、将来の数の見方にもつながります。