立体を平面の紙の上で考える。この単元でその方法を身につけます。
2年生で「はこの形」を学びました。4年生では、それに名前をつけて詳しく調べます。
立方体は、すべての辺の長さが等しい直方体です。正方形が特別な長方形だったのと同じ関係です。
どちらも、面・辺・頂点の数は同じです。
この数は覚えておくと便利ですが、数え方を知っておくほうが確実です。
実際に箱を手に持って数えてみると、確実に身につきます。見えない裏側も忘れずに数えるのがコツです。
直方体の面や辺には、垂直と平行の関係があります。
底面に注目してみましょう。底面と平行なのは上の面だけ。残りの4つの側面は、すべて底面に垂直です。
辺についても同じように考えられます。
「ねじれの位置」というのは、平行でも垂直でもなく、交わりもしない関係です。平面では起こらない、立体ならではの関係です。
4年生ではこの言葉は使いませんが、「平行でも垂直でもない辺がある」ことに気づけると立体の理解が深まります。
面と辺の関係は、図だけで理解するのは難しいものです。
ティッシュの空き箱を用意して、指でなぞりながら確かめるのがいちばんです。
「この面と平行なのはどれ?」「この辺と交わらない辺は?」と問いかけながら触ると、立体の感覚が育ちます。
立体を切り開いて平らにした図を展開図といいます。
展開図は、箱の設計図です。お菓子の箱をていねいに開くと、展開図が現れます。
立方体の展開図は、なんと11種類あります。回転させて同じになるものを除いた数です。
すべて覚える必要はありませんが、いくつかは自分で見つけてみると面白い発見があります。
展開図を見るときのポイントは2つです。
①は、1つ飛ばしの位置にある面が向かい合います。十字型なら、横一列の1番目と3番目、2番目と4番目が向かい合います。
②は難しいですが、切り開いた辺どうしがくっつくと考えます。実際に紙で作って確かめるのが一番の近道です。
立体を立体らしく紙にかいた図を見取図といいます。
ポイントは③のななめの線を、全部同じ向き・同じ長さにすることです。ばらばらだと、ゆがんだ形になってしまいます。
そして④の点線が重要です。見えない辺を点線でかくことで、「これは立体だ」と伝わります。点線がないと、平面の図形と区別がつきません。
展開図と見取図は、それぞれ得意なことがちがいます。
目的によって使い分けます。2つの表し方を行き来できることが、この単元のゴールです。
この単元にはもう1つ、重要な内容があります。空間での位置を数で表す方法です。
平面なら、2つの数で位置が決まります。
では立体ではどうでしょうか。
平面は2つ、立体は3つの数で位置が決まります。これが「2次元」「3次元」という言葉の意味です。
この考え方は、身のまわりで実際に使われています。
3つの数で空間の1点を指定する。これがコンピュータの世界を支えているのです。中学の数学、そして高校の空間図形へとつながる、大事な考え方です。
展開図が分かると、箱を作るのに必要な紙の量が計算できます。
ポイントは、面が3種類あり、それぞれ2つずつだということです。向かい合う面は同じ大きさなので、3種類を求めて2倍すれば済みます。
この計算をするとき、展開図をかいてみると確実です。6つの面がすべて見えるので、数え落としがなくなります。見取図では裏側が見えないため、面を忘れやすいのです。
立方体ならもっと簡単です。6つの面がすべて同じなので、1面の面積を6倍します。1辺5cmなら 5×5×6=150cm² です。
お菓子の箱やティッシュの箱には、実際にこの計算が使われています。紙をむだなく使うために、展開図の形も工夫されているのです。空き箱を開いたとき、余分な「のりしろ」がどこにあるかも見てみてください。
頭の中で立体にできない。
実際に作るのが最短です。紙に展開図をかいて、切って、組み立てる。数回やれば感覚がつかめます。想像力は経験から育ちます。
見取図が平面図のようになる。
見えない辺は点線です。手前の面から順にかき、最後に「これは見えるか?」と確認しながら線種を決めます。
「この面に垂直な面はどれ?」で止まる。
実物を手に持って確かめます。図だけで考えるのは4年生には難しい作業です。箱を触りながらなら分かります。
Q1 直方体の面・辺・頂点はいくつありますか。
A 面6つ、辺12本、頂点8つ。立方体も同じです。
Q2 直方体の1つの面に平行な面はいくつありますか。
A 1つ(向かい合う面)です。残りの4つは垂直です。
Q3 見取図で、見えない辺はどうかきますか。
A 点線でかきます。これがないと立体に見えません。
Q4 お菓子の空き箱を開いて、展開図を作ってみましょう。
A どの面とどの面が向かい合っていたか、印をつけてから開くと分かりやすいです。
立体図形は、紙の上の図だけでは理解が進みません。実物を手に取ることが何より効果的です。ティッシュの空き箱、お菓子の箱、さいころ。家にあるもので十分です。
とくに展開図は、実際に開いて・組み立てる経験が決定的です。「開く前に、向かい合う面に同じ色のシールを貼る」といった工夫をすると、展開図の中での位置関係が見えてきます。
見取図をかくのは、意外と難しい作業です。うまくかけなくても、立体を理解していないわけではありません。まずは実物を見ながらかかせて、少しずつ精度を上げていけば十分です。
「位置を3つの数で表す」考え方は、地図アプリやゲームの世界と直結しています。身近な例を出すと、興味を持って取り組めます。