4年 算数 垂直・平行と四角形

垂直・平行と四角形 ── 線の関係で四角形が決まる

台形・平行四辺形・ひし形のちがいは、辺の平行の数で説明できます。バラバラに覚える必要はありません。

垂直とは

2本の直線が直角に交わっているとき、その2本は「垂直である」といいます。

│ │ ──────┼────── │ │ 交わる角が90°

ここで注意点があります。2本の線が実際に交わっていなくても垂直と言えます。

│ │ │ ← 離れている ────── でも、線を延ばせば直角に交わる → この2本は垂直

直線はどこまでも伸ばせるもの。だから「伸ばしたら直角に交わるか」で判断します。

垂直かどうかを調べるには、三角定規の直角を当てます。分度器で90°を測ってもかまいません。

平行とは

2本の直線がどこまで延ばしても交わらないとき、その2本は「平行である」といいます。

────────────── ────────────── どこまで伸ばしても交わらない

平行には、大事な性質があります。

① 平行な2直線の間の幅は、どこでも同じ ────────────── ↕ 3cm ↕ 3cm ↕ 3cm ────────────── ② 平行な2直線に、 1本の直線が交わってできる角は等しい

「幅がどこでも同じ」──これが平行の本質です。だから電車のレールは平行になっています。幅が変わったら、列車は走れません。

そして、垂直と平行には深い関係があります。

1本の直線に垂直な2本の直線は、 たがいに平行になる │ │ │ │ ← この2本は平行 ──────┼──────┼── 90° 90°

これを使うと、三角定規2枚で平行線が引けます。1枚を固定して、もう1枚をすべらせる方法です。

平行線のかき方

三角定規を2枚使います。
① 1枚目の辺を、もとの直線に合わせる
② 2枚目を1枚目にぴったり当てて、動かないよう押さえる
③ 1枚目を2枚目に沿ってすべらせる
④ 好きな位置で線を引く
すべらせても傾きが変わらないから平行になるのです。

四角形の仲間分け

いよいよ本題です。四角形は平行な辺が何組あるかで分けられます。

名前平行な辺そのほかの条件
ふつうの四角形0組なし
台形1組なし
平行四辺形2組なし
ひし形2組4つの辺が等しい
長方形2組4つの角が直角
正方形2組辺も角も全部等しい

この表を見ると、すっきり整理されていることが分かります。

平行が0組 → ただの四角形 平行が1組 → 台形 平行が2組 → 平行四辺形の仲間 平行四辺形の仲間の中で 辺が全部同じ → ひし形 角が全部直角 → 長方形 辺も角も全部同じ → 正方形

つまり、ひし形も長方形も正方形も、みんな平行四辺形なのです。特別な条件がついた平行四辺形、という位置づけです。

とくに正方形は、ひし形でもあり長方形でもある。両方の条件を満たしているからです。

平行四辺形の性質

平行四辺形には、たくさんの性質があります。

① 向かい合う辺の長さが等しい ② 向かい合う角の大きさが等しい ③ 対角線がそれぞれの真ん中で交わる

①と②は、実際に測って確かめられます。平行だからそうなるのですが、証明は中学校で学びます。

対角線とは、向かい合う頂点を結んだ線のことです。四角形には2本あります。

図形対角線の特徴
平行四辺形真ん中で交わる
ひし形真ん中で垂直に交わる
長方形真ん中で交わり、長さが等しい
正方形真ん中で垂直に交わり、長さも等しい

対角線の性質を見ると、正方形がひし形と長方形の両方の性質を持っていることがはっきり分かります。

この対角線の性質は、5年生の面積の学習で使います。ひし形の面積が「対角線×対角線÷2」で求まるのは、対角線が垂直に交わるからです。

平行四辺形をかくときも、性質が手がかりになります。方法は3つあります。

① 向かい合う辺が平行になるようにかく (三角定規2枚で平行線を2組) ② 向かい合う辺の長さを等しくかく (コンパスで同じ長さをうつす) ③ 対角線が真ん中で交わるようにかく (2本の線をひいて中点で交わらせ、 4つの端を結ぶ)

どの方法でも同じ平行四辺形ができます。性質を1つ使えばかける──これは図形の面白いところです。

逆に言えば、1つでも性質が成り立てば平行四辺形だと分かるということでもあります。この考え方は中学校の証明問題でそのまま使われます。

身のまわりの平行と垂直

平行と垂直は、身のまわりにあふれています。

もの関係なぜそうなっているか
線路平行幅が変わると走れない
柱と床垂直まっすぐ立たないと倒れる
ノートの罫線平行文字の大きさをそろえるため
横断歩道の白線平行渡る方向を示すため
本だな平行と垂直安定して物を置くため

とくに建物は、垂直と平行でできています。柱は地面に垂直、床と天井は平行。これが崩れると建物は傾きます。

また、四角形の仲間も探してみましょう。台形はダムの断面、ひし形は野球のダイヤモンドやトランプのマーク、平行四辺形はジャッキや折りたたみ式の道具に使われています。

平行四辺形は形を変えられるのが特徴です。角度を変えても平行のままなので、伸び縮みする仕組みに向いています。一方、三角形は形が変わりません。だから建物の骨組みには三角形が使われます。用途によって形を選ぶのです。

つまずきやすいところ

その1 正方形は長方形ではないと思う

名前がちがうから別物だと考えてしまう。
条件で考えます。長方形の条件は「4つの角が直角」。正方形はそれを満たすので、長方形でもあります。仲間分けの図(包含関係)を描くと納得できます。

その2 交わっていないと垂直と言えないと思う

離れた2本の線を垂直と認めない。
直線はどこまでも伸ばせるもの。伸ばしたら直角に交わるなら垂直です。実際に鉛筆で延長線を引いて確かめましょう。

その3 平行線がうまくかけない

三角定規がずれて、平行にならない。
押さえる方の定規をしっかり固定します。動かすほうではなく、土台のほうを強く押さえるのがコツです。

やってみよう

Q1 平行な2直線の間の幅は、場所によって変わりますか。

A 変わりません。どこでも同じ幅です。これが平行の本質です。

Q2 台形と平行四辺形のちがいは何ですか。

A 平行な辺が台形は1組、平行四辺形は2組です。

Q3 正方形はひし形ですか。

A ひし形です。4つの辺が等しく、平行が2組あるからです。同時に長方形でもあります。

Q4 部屋の中で平行なもの、垂直なものを探しましょう。

A 窓わくの上下(平行)、柱と床(垂直)、たたみの縁など。三角定規で確かめてみましょう。

まとめ

おうちの方へ

四角形の名前を丸暗記させると、必ず混乱します。「平行な辺が何組か」という一本の軸で整理すると、すっきり理解できます。
とくに「正方形は長方形でもある」という包含関係は、多くの子がつまずきます。名前が違えば別物だと思うのは自然な感覚だからです。「条件を満たしているか」という見方は、算数・数学の基本的な考え方なので、ここで丁寧に扱う価値があります。
三角定規を使った作図は、慣れが必要です。うまくいかないときは、押さえる側の定規をおうちの方が押さえてあげて、動かす作業だけに集中させると成功体験が得られます。
身のまわりの平行・垂直探しもおすすめです。建物が垂直と平行でできていることに気づくと、図形が生活と結びつきます。