片方が増えると、もう片方はどうなるか。関数の考えの入り口です。
身のまわりには、片方が変わると、もう片方も変わるものがたくさんあります。
| 変わるもの | つられて変わるもの |
|---|---|
| 買う個数 | 代金 |
| 歩いた時間 | 進んだきょり |
| 正方形の1辺 | まわりの長さ |
| 使った水の時間 | たまった水の量 |
こういう関係を「ともなって変わる2つの量」といいます。
この単元でやることは、その関係を見つけて、式で表すことです。
そのための道具が表です。バラバラに見ていては気づかない関係も、表にすると見えてきます。
実際にやってみましょう。
まず表を作ります。
表を作ったら、関係を探します。探し方は2つです。
どちらの見方でも、同じ関係にたどりつきます。2つの見方を持っておくと、いろいろな問題に対応できます。
見つけた関係を、式にします。4年生では□と○を使います。
この式のよいところは、表にない数でも答えが出せることです。
表には3.5の欄がありませんが、式があれば求められます。式は表よりも強力なのです。
もう1つ例を見てみましょう。
この形の関係は、片方が2倍になると、もう片方も2倍になります。
これは6年生で学ぶ比例という関係です。4年生では名前を覚える必要はありませんが、「2倍・3倍がそろっている」ことに気づけると素晴らしいです。
関係には、いくつかのパターンがあります。
| 関係 | 式の形 | 例 |
|---|---|---|
| 和が一定 | □ + ○ = 決まった数 | まわりの長さが決まった長方形 |
| 差が一定 | ○ - □ = 決まった数 | 兄と弟の年令 |
| 積が一定 | □ × ○ = 決まった数 | 面積が決まった長方形 |
| 商が一定 | ○ ÷ □ = 決まった数 | 個数と代金 |
「差が一定」の例を見てみましょう。
何年たっても年の差は変わりません。当たり前のようですが、表にすると改めてはっきりします。
「積が一定」も見ておきましょう。
この場合、片方が2倍になると、もう片方は半分になります。これは6年生の反比例です。
表と式に加えて、グラフでも表せます。
関係が式で表せるとき、グラフには規則的な形が現れます。
個数と代金の場合はこうなります。
表・式・グラフ。同じ関係を3つの方法で表せます。それぞれに得意なことがあります。
| 表し方 | 得意なこと |
|---|---|
| 表 | 具体的な値がすぐ分かる |
| 式 | 表にない値も計算できる |
| グラフ | 全体の傾向が一目で分かる |
この3つを行き来する力は、中学・高校の数学の核心です。4年生でその入り口に立っているのです。
もう1つ、よく出る問題の形があります。図形が規則的に増えていく問題です。
1辺1cmの正方形をならべたとき、まわりの長さを表にします。
横に見ると、2ずつ増えていることが分かります。正方形が1個増えるたびに、まわりが2cm長くなる。
なぜ2なのでしょうか。図で考えます。正方形を1個くっつけると、上と下に1cmずつ辺が増え、くっついた部分の辺は消えるからです。増えるのは上下の2cm分だけなのです。
では式にしましょう。たてに見て関係を探します。
「2ずつ増える」ことが×2に、はじめの形が+2に対応しています。
この式があれば、100個並べたときも計算できます。100×2+2=202cm。図をかかなくても分かるのです。
こうした「図をかかずに答えを出す」経験は、算数の力を大きく伸ばします。規則を見つけて式にすれば、いくらでも先が分かる──これが数学の強さです。
頭の中だけで関係を探して行きづまる。
まず表を作るのが鉄則です。3〜4組の値を書き出せば、たいてい関係が見えてきます。
表はできたが、規則が分からない。
2つの見方を試します。たてに見て「足すと?かけると?」、横に見て「いくつずつ増える?」。どちらかで見つかります。
規則は分かったが、□と○の式にできない。
見つけた規則をそのまま言葉で書いてから、記号に置きかえます。「たてとよこを足すと9」→「□+○=9」。
Q1 関係を見つけるとき、まず何をしますか。
A 表を作ること。値を並べると規則が見えてきます。
Q2 表の見方を2つ言いましょう。
A たてに見る(同じ列で足す・かける)と横に見る(いくつずつ変わるか)です。
Q3 1辺が□cmの正方形のまわりの長さ○cmを式にしましょう。
A □ × 4 = ○。1辺が4本分だからです。
Q4 式があると、表より何が便利ですか。
A 表にない値も計算できることです。小数でも大きな数でも求められます。
Q5 三角形をならべた形のまわりの長さを、表にして調べてみましょう。
A 1辺1cmの正三角形を1個ずつならべると、まわりは3・4・5・6…と1ずつ増えます。式は□+2=○。正方形のときと増え方がちがう理由も考えてみましょう。
この単元は、中学以降の「関数」の入り口です。地味に見えますが、算数から数学への橋渡しをする重要な内容です。
お子さんが行きづまったら、まず表を書かせてください。頭の中で考えようとして止まっているケースがほとんどです。3〜4組の値が並べば、たいてい規則が見えてきます。
「2倍になると2倍」という比例の感覚は、この段階で気づけると理想的です。名前を教える必要はなく、「そろってるね」と気づいたことをほめてあげてください。
日常でも関係を探せます。「歩いた時間と進んだ距離」「お小づかいと残り」。表にしてみると、意外な発見があります。