4年 算数 変わり方

変わり方 ── 表にすると、かくれた関係が見えてくる

片方が増えると、もう片方はどうなるか。関数の考えの入り口です。

ともなって変わる2つの量

身のまわりには、片方が変わると、もう片方も変わるものがたくさんあります。

変わるものつられて変わるもの
買う個数代金
歩いた時間進んだきょり
正方形の1辺まわりの長さ
使った水の時間たまった水の量

こういう関係を「ともなって変わる2つの量」といいます。

この単元でやることは、その関係を見つけて、式で表すことです。

そのための道具がです。バラバラに見ていては気づかない関係も、表にすると見えてきます。

表から関係を見つける

実際にやってみましょう。

問題:まわりの長さが18cmの長方形。 たての長さが変わると、 よこの長さはどうなる?

まず表を作ります

たて(cm) 1 2 3 4 5 6 7 8 よこ(cm) 8 7 6 5 4 3 2 1

表を作ったら、関係を探します。探し方は2つです。

探し方1:たてに見る(同じ列を見る)

たて1のとき よこ8 → 1 + 8 = 9 たて2のとき よこ7 → 2 + 7 = 9 たて3のとき よこ6 → 3 + 6 = 9 いつも合計が9になる!

探し方2:横に見る(変わり方を見る)

たて 1 → 2 → 3 → 4 +1 +1 +1 よこ 8 → 7 → 6 → 5 -1 -1 -1 たてが1増えると、よこは1減る

どちらの見方でも、同じ関係にたどりつきます。2つの見方を持っておくと、いろいろな問題に対応できます。

式で表す

見つけた関係を、式にします。4年生では□と○を使います。

たてを □ cm、よこを ○ cm とすると □ + ○ = 9

この式のよいところは、表にない数でも答えが出せることです。

たてが 3.5cm のとき、よこは? 3.5 + ○ = 9 ○ = 9 - 3.5 = 5.5cm

表には3.5の欄がありませんが、式があれば求められます。式は表よりも強力なのです。

もう1つ例を見てみましょう。

問題:1個80円のあめを買う。 個数と代金の関係は? 個数(個) 1 2 3 4 5 代金(円) 80 160 240 320 400 たてに見ると 1×80=80、2×80=160、3×80=240 → □ × 80 = ○

この形の関係は、片方が2倍になると、もう片方も2倍になります。

個数が 2倍(1→2)→ 代金も 2倍(80→160) 個数が 3倍(1→3)→ 代金も 3倍(80→240)

これは6年生で学ぶ比例という関係です。4年生では名前を覚える必要はありませんが、「2倍・3倍がそろっている」ことに気づけると素晴らしいです。

いろいろな変わり方

関係には、いくつかのパターンがあります。

関係式の形
和が一定□ + ○ = 決まった数まわりの長さが決まった長方形
差が一定○ - □ = 決まった数兄と弟の年令
積が一定□ × ○ = 決まった数面積が決まった長方形
商が一定○ ÷ □ = 決まった数個数と代金

「差が一定」の例を見てみましょう。

兄は弟より3才年上。 弟の年令 6 7 8 9 10 兄の年令 9 10 11 12 13 いつも 兄 - 弟 = 3 → ○ - □ = 3

何年たっても年の差は変わりません。当たり前のようですが、表にすると改めてはっきりします。

「積が一定」も見ておきましょう。

面積が24cm²の長方形 たて 1 2 3 4 6 8 12 24 よこ 24 12 8 6 4 3 2 1 いつも □ × ○ = 24

この場合、片方が2倍になると、もう片方は半分になります。これは6年生の反比例です。

グラフにするとどうなるか

表と式に加えて、グラフでも表せます。

□ + ○ = 9 のグラフ ○ 8|● 7| ● 6| ● 5| ● 4| ● └─┴─┴─┴─┴─→ □ 1 2 3 4 5 点が一直線に並ぶ!

関係が式で表せるとき、グラフには規則的な形が現れます

個数と代金の場合はこうなります。

□ × 80 = ○ のグラフ ○ 400| ● 320| ● 240| ● 160| ● 80|● └─┴─┴─┴─┴─→ □ 1 2 3 4 5 0を通る一直線

表・式・グラフ。同じ関係を3つの方法で表せます。それぞれに得意なことがあります。

表し方得意なこと
具体的な値がすぐ分かる
表にない値も計算できる
グラフ全体の傾向が一目で分かる

この3つを行き来する力は、中学・高校の数学の核心です。4年生でその入り口に立っているのです。

だんだん増える形を調べる

もう1つ、よく出る問題の形があります。図形が規則的に増えていく問題です。

正方形をならべて長い形を作る。 まわりの長さはどうなる? □ □□ □□□ 1個 2個 3個

1辺1cmの正方形をならべたとき、まわりの長さを表にします。

正方形の数 1 2 3 4 5 まわり(cm) 4 6 8 10 12

横に見ると、2ずつ増えていることが分かります。正方形が1個増えるたびに、まわりが2cm長くなる。

なぜ2なのでしょうか。図で考えます。正方形を1個くっつけると、上と下に1cmずつ辺が増え、くっついた部分の辺は消えるからです。増えるのは上下の2cm分だけなのです。

では式にしましょう。たてに見て関係を探します。

1個 → 4 : 1×2+2 = 4 2個 → 6 : 2×2+2 = 6 3個 → 8 : 3×2+2 = 8 → □ × 2 + 2 = ○

「2ずつ増える」ことが×2に、はじめの形が+2に対応しています。

この式があれば、100個並べたときも計算できます。100×2+2=202cm。図をかかなくても分かるのです。

こうした「図をかかずに答えを出す」経験は、算数の力を大きく伸ばします。規則を見つけて式にすれば、いくらでも先が分かる──これが数学の強さです。

つまずきやすいところ

その1 表を作らずに考えようとする

頭の中だけで関係を探して行きづまる。
まず表を作るのが鉄則です。3〜4組の値を書き出せば、たいてい関係が見えてきます。

その2 関係を見つけられない

表はできたが、規則が分からない。
2つの見方を試します。たてに見て「足すと?かけると?」、横に見て「いくつずつ増える?」。どちらかで見つかります。

その3 式に表せない

規則は分かったが、□と○の式にできない。
見つけた規則をそのまま言葉で書いてから、記号に置きかえます。「たてとよこを足すと9」→「□+○=9」。

やってみよう

Q1 関係を見つけるとき、まず何をしますか。

A 表を作ること。値を並べると規則が見えてきます。

Q2 表の見方を2つ言いましょう。

A たてに見る(同じ列で足す・かける)と横に見る(いくつずつ変わるか)です。

Q3 1辺が□cmの正方形のまわりの長さ○cmを式にしましょう。

A □ × 4 = ○。1辺が4本分だからです。

Q4 式があると、表より何が便利ですか。

A 表にない値も計算できることです。小数でも大きな数でも求められます。

Q5 三角形をならべた形のまわりの長さを、表にして調べてみましょう。

A 1辺1cmの正三角形を1個ずつならべると、まわりは3・4・5・6…と1ずつ増えます。式は□+2=○。正方形のときと増え方がちがう理由も考えてみましょう。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、中学以降の「関数」の入り口です。地味に見えますが、算数から数学への橋渡しをする重要な内容です。
お子さんが行きづまったら、まず表を書かせてください。頭の中で考えようとして止まっているケースがほとんどです。3〜4組の値が並べば、たいてい規則が見えてきます。
「2倍になると2倍」という比例の感覚は、この段階で気づけると理想的です。名前を教える必要はなく、「そろってるね」と気づいたことをほめてあげてください。
日常でも関係を探せます。「歩いた時間と進んだ距離」「お小づかいと残り」。表にしてみると、意外な発見があります。