ぼうグラフは量を、折れ線グラフは変化を表します。目的でグラフを選べるようになりましょう。
3年生でぼうグラフを学びました。4年生では折れ線グラフが加わります。何がちがうのでしょうか。
| ぼうグラフ | 折れ線グラフ | |
|---|---|---|
| 表すもの | 量の大小 | 変化のようす |
| 横軸 | 種類・項目 | 時間の流れ |
| 見どころ | ぼうの高さ | 線のかたむき |
| 例 | すきな教科の人数 | 1日の気温の変化 |
いちばん大きなちがいは、横軸が時間かどうかです。
時間のように順序が決まっていて、間もつながっているものには折れ線グラフを使います。だから点と点を線で結ぶのです。
逆に、好きな教科のぼうグラフを線で結んでも意味がありません。国語と算数の「間」は存在しないからです。
折れ線グラフの命は線のかたむきです。
| 線のようす | 意味 |
|---|---|
| 右上がり | 増えている |
| 右下がり | 減っている |
| 横ばい(平ら) | 変わっていない |
| 急な坂 | 変化が大きい |
| ゆるい坂 | 変化が小さい |
ここが重要です。点の高さは「そのときの量」、線のかたむきは「変わり方」を表しています。
このグラフから、「気温がいちばん高いのは15時ごろ」「朝は急に上がる」といったことが読み取れます。
数字の表だけでは気づきにくいことが、グラフにすると一目で分かる。これがグラフの力です。
折れ線グラフには、便利な工夫があります。
0から始めると、変化がつぶれて見えません。そこで途中を省略します。
この≈のような記号を波線といいます。「ここは省略しています」という印です。
波線を使うと変化が見やすくなりますが、注意も必要です。
波線を使うと、わずかな変化が大きく見えます。
78から85への変化は、実際には1割弱の増加です。でも波線グラフでは、何倍にもなったように見えてしまいます。
広告やニュースで「売上が急増!」というグラフを見たら、たての目もりが0から始まっているかを確かめてください。
グラフは事実を伝える道具ですが、見せ方で印象を操ることもできます。読み手として気をつけることも、4年生から学べる大切な力です。
自分でかけるようになりましょう。手順は5つです。
②の目もりの決め方が、いちばん考えどころです。
目安は、グラフ用紙の高さを7〜8割使うことです。小さすぎても大きすぎても読みにくくなります。
⑤を忘れる人が多いですが、表題と単位のないグラフは意味が伝わりません。「何のグラフか」「単位は何か」は必ず書きましょう。
折れ線グラフの強みは、複数のデータを重ねられることです。
2本の線を並べると、ちがいがはっきりします。「札幌のほうがいつも低い」「夏は差が小さい」といったことが読み取れます。
重ねるときのルールは2つ。
どちらの線が何を表すかが分からないと、グラフは読めません。凡例は必ず付けます。
理科の実験でも、この形のグラフをよく使います。「日なたと日かげの地面の温度」「金属と水のあたたまり方」。比べたいものを重ねるのが基本です。
ただし、重ねられるのは単位がそろっているときだけです。気温(℃)と降水量(mm)のように単位がちがうものは、そのままでは重ねられません。この場合は、右側にもう1本たて軸を作るという方法がありますが、これは中学校以降で学びます。
折れ線グラフには、もう1つの使い道があります。これからどうなるかを予想することです。
線のかたむきがそのまま続くと考えれば、まだ測っていない先を予想できます。
ただし、予想は必ず当たるわけではありません。植物はいつか成長が止まりますし、気温も一日じゅう上がり続けることはありません。グラフの予想には限界があることも、あわせて知っておきましょう。
それでも、変化の傾向をつかむ力は強力です。天気予報も、売上の見通しも、この考え方の延長線上にあります。
好きな食べ物の人数を折れ線グラフにしてしまう。
横軸が時間かどうかで判断します。順序のない項目には、ぼうグラフを使います。
「いちばん高いのはどこ」しか答えられない。
折れ線グラフの主役はかたむきです。「どこで急に増えたか」「いつから減りはじめたか」を読み取る練習をしましょう。
1目もりが2なのに1だと思って読む。
グラフを見たら、まず1目もりがいくつかを確認します。数字が書いてある目もりの間を数えれば分かります。
Q1 ぼうグラフと折れ線グラフの使い分けは?
A 量の大小を比べるならぼう、時間による変化を見るなら折れ線です。
Q2 線が急な右上がりのとき、何が分かりますか。
A その間に急激に増えたということです。かたむきの急さが変化の大きさを表します。
Q3 波線は何のために使いますか。
A たて軸の途中を省略して、変化を見やすくするためです。ただし変化が大げさに見えることに注意します。
Q4 1週間、毎日同じ時刻に気温を記録してグラフにしてみましょう。
A 天気との関係も書き込むと、理科の学習にもつながります。
折れ線グラフは、理科・社会の学習と直結する重要な技能です。とくに理科の「天気と気温」では、この単元の内容がそのまま使われます。
お子さんがグラフを読むとき、「いちばん高いのはいつ?」だけでなく「どこで急に増えた?」「いつから減りはじめた?」と聞いてあげてください。かたむきに注目させる問いかけです。
波線の話は、メディアリテラシーの入り口でもあります。ニュースや広告のグラフを一緒に見て、「これ、0から始まってる?」と確かめる習慣は、大人になっても役立ちます。
実際に記録を取ってグラフにする体験も貴重です。毎日の気温、植物の背たけ、貯金の額。自分のデータなら、変化を読み取る面白さが実感できます。