4年 算数 折れ線グラフ

折れ線グラフ ── 線のかたむきが「変化」を語る

ぼうグラフはを、折れ線グラフは変化を表します。目的でグラフを選べるようになりましょう。

2つのグラフのちがい

3年生でぼうグラフを学びました。4年生では折れ線グラフが加わります。何がちがうのでしょうか。

ぼうグラフ折れ線グラフ
表すもの量の大小変化のようす
横軸種類・項目時間の流れ
見どころぼうの高さ線のかたむき
すきな教科の人数1日の気温の変化

いちばん大きなちがいは、横軸が時間かどうかです。

【ぼうグラフが向く】 国語・算数・理科・社会 の好きな人数 → 横に並んだ項目に順序はない → 入れかえてもよい 【折れ線グラフが向く】 6時・9時・12時・15時 の気温 → 時間には決まった順序がある → 入れかえられない

時間のように順序が決まっていて、間もつながっているものには折れ線グラフを使います。だから点と点を線で結ぶのです。

逆に、好きな教科のぼうグラフを線で結んでも意味がありません。国語と算数の「間」は存在しないからです。

かたむきを読む

折れ線グラフの命は線のかたむきです。

線のようす意味
右上がり増えている
右下がり減っている
横ばい(平ら)変わっていない
急な坂変化が大きい
ゆるい坂変化が小さい

ここが重要です。点の高さは「そのときの量」、線のかたむきは「変わり方」を表しています。

1日の気温(例) 30℃| ● | / \ 20℃| ●───● ● | / \ 10℃| ● ● └──┴───┴───┴───┴───┴── 6時 9時 12時 15時 18時 6→9時: 急な右上がり(ぐんぐん上がった) 9→12時:ゆるい右上がり 12→15時:いちばん急な上がり 15時以降:右下がり(下がりはじめた)

このグラフから、「気温がいちばん高いのは15時ごろ」「朝は急に上がる」といったことが読み取れます。

数字の表だけでは気づきにくいことが、グラフにすると一目で分かる。これがグラフの力です。

波線(省略)の使い方

折れ線グラフには、便利な工夫があります。

【問題】たての目もりが0から100まで でも、データは 78〜85 の範囲 100 | | | ●●●●● ← 上のほうに固まって | 変化が見えない 0 └──────────

0から始めると、変化がつぶれて見えません。そこで途中を省略します。

86 | ● | / \ 82 | ● ● | / 78 |● ≈ ← 波線(省略の印) 0 └────────── 変化がはっきり見える!

この≈のような記号を波線といいます。「ここは省略しています」という印です。

波線を使うと変化が見やすくなりますが、注意も必要です。

波線は印象を変える

波線を使うと、わずかな変化が大きく見えます
78から85への変化は、実際には1割弱の増加です。でも波線グラフでは、何倍にもなったように見えてしまいます。
広告やニュースで「売上が急増!」というグラフを見たら、たての目もりが0から始まっているかを確かめてください。
グラフは事実を伝える道具ですが、見せ方で印象を操ることもできます。読み手として気をつけることも、4年生から学べる大切な力です。

折れ線グラフのかき方

自分でかけるようになりましょう。手順は5つです。

① 横軸に時間、たて軸に量をとる ② たての目もりの単位を決める (データの最大値が入るように) ③ 各データを点で打つ ④ 点を順に直線で結ぶ ⑤ 表題と単位を書く

②の目もりの決め方が、いちばん考えどころです。

データが 12・15・21・28・24 のとき × 0〜100 → 下に固まって見にくい × 0〜30、1目もり0.5 → 細かすぎる ○ 0〜30、1目もり2 → ちょうどよい

目安は、グラフ用紙の高さを7〜8割使うことです。小さすぎても大きすぎても読みにくくなります。

⑤を忘れる人が多いですが、表題と単位のないグラフは意味が伝わりません。「何のグラフか」「単位は何か」は必ず書きましょう。

2つの折れ線を重ねる

折れ線グラフの強みは、複数のデータを重ねられることです。

東京と札幌の月別気温 30℃| ●─● | / \ ← 東京 20℃| ● ○─○ ● | / \ ← 札幌 10℃| ○ ○ └──┴──┴──┴──┴── 4月 6月 8月 10月

2本の線を並べると、ちがいがはっきりします。「札幌のほうがいつも低い」「夏は差が小さい」といったことが読み取れます。

重ねるときのルールは2つ。

① 線の種類を変える(実線・点線など) ② 凡例(はんれい)を書く ── 東京 ‥‥ 札幌

どちらの線が何を表すかが分からないと、グラフは読めません。凡例は必ず付けます。

理科の実験でも、この形のグラフをよく使います。「日なたと日かげの地面の温度」「金属と水のあたたまり方」。比べたいものを重ねるのが基本です。

ただし、重ねられるのは単位がそろっているときだけです。気温(℃)と降水量(mm)のように単位がちがうものは、そのままでは重ねられません。この場合は、右側にもう1本たて軸を作るという方法がありますが、これは中学校以降で学びます。

グラフから予想する

折れ線グラフには、もう1つの使い道があります。これからどうなるかを予想することです。

植物の背たけの記録 30cm| ● | / 20cm| ● | / 10cm| ● └──┴───┴───┴───┴── 1週 2週 3週 4週 5週 → このまま伸びれば、 5週目は40cmくらい?

線のかたむきがそのまま続くと考えれば、まだ測っていない先を予想できます

ただし、予想は必ず当たるわけではありません。植物はいつか成長が止まりますし、気温も一日じゅう上がり続けることはありません。グラフの予想には限界があることも、あわせて知っておきましょう。

それでも、変化の傾向をつかむ力は強力です。天気予報も、売上の見通しも、この考え方の延長線上にあります。

つまずきやすいところ

その1 グラフの選びまちがい

好きな食べ物の人数を折れ線グラフにしてしまう。
横軸が時間かどうかで判断します。順序のない項目には、ぼうグラフを使います。

その2 点の高さだけ見る

「いちばん高いのはどこ」しか答えられない。
折れ線グラフの主役はかたむきです。「どこで急に増えたか」「いつから減りはじめたか」を読み取る練習をしましょう。

その3 目もりの単位を読みまちがう

1目もりが2なのに1だと思って読む。
グラフを見たら、まず1目もりがいくつかを確認します。数字が書いてある目もりの間を数えれば分かります。

やってみよう

Q1 ぼうグラフと折れ線グラフの使い分けは?

A 量の大小を比べるならぼう、時間による変化を見るなら折れ線です。

Q2 線が急な右上がりのとき、何が分かりますか。

A その間に急激に増えたということです。かたむきの急さが変化の大きさを表します。

Q3 波線は何のために使いますか。

A たて軸の途中を省略して、変化を見やすくするためです。ただし変化が大げさに見えることに注意します。

Q4 1週間、毎日同じ時刻に気温を記録してグラフにしてみましょう。

A 天気との関係も書き込むと、理科の学習にもつながります。

まとめ

おうちの方へ

折れ線グラフは、理科・社会の学習と直結する重要な技能です。とくに理科の「天気と気温」では、この単元の内容がそのまま使われます。
お子さんがグラフを読むとき、「いちばん高いのはいつ?」だけでなく「どこで急に増えた?」「いつから減りはじめた?」と聞いてあげてください。かたむきに注目させる問いかけです。
波線の話は、メディアリテラシーの入り口でもあります。ニュースや広告のグラフを一緒に見て、「これ、0から始まってる?」と確かめる習慣は、大人になっても役立ちます。
実際に記録を取ってグラフにする体験も貴重です。毎日の気温、植物の背たけ、貯金の額。自分のデータなら、変化を読み取る面白さが実感できます。