4年 算数 分数

分数 ── 1をこえる分数の2つの書き方

仮分数と帯分数は、同じ量の別の書き方です。どちらが正しいということはありません。

3年生からの続き

3年生では、1より小さい分数を学びました。1/2、2/3、3/4など。1つのものを等しく分けた、そのいくつ分という考え方です。

4年生では、1をこえる分数が登場します。

ピザを4等分。1枚と3切れ食べた。 どう書く? 【書き方A】 7/4 (4分の1が7個分) 【書き方B】 1と3/4 (1枚と、4分の3)

どちらも同じ量です。表し方が2つある、というだけのことです。

それぞれに名前がついています。

名前
真分数分子 < 分母3/4、2/5
仮分数分子 ≧ 分母7/4、5/5
帯分数整数+真分数1と3/4

「仮分数」の「仮」は、仮の姿という意味です。1をこえているのに、分数の形のまま書いているからです。

ちなみに5/5=18/4=2のように、分子が分母でわりきれるときは整数になります。これも仮分数の仲間です。

仮分数 → 帯分数

2つの書き方を、自由に行き来できるようにします。まずは仮分数から帯分数へ。

11/3 を帯分数に 3分の1が11個ある。 3個で1になるから… 11 ÷ 3 = 3 あまり 2 → 3と2/3

わり算そのものです。「11を3ずつ分けると、3組できて2余る」。その3組が整数部分、余りの2が分子になります。

仮分数 → 帯分数 分子 ÷ 分母 を計算して 商 → 整数部分 あまり → 新しい分子 分母 → そのまま

3年生で学んだ「あまりのあるわり算」が、ここで役に立ちます。

帯分数 → 仮分数

今度は逆向きです。

2と3/5 を仮分数に 2 は 5/5 が2つ = 10/5 それに 3/5 を足す 10/5 + 3/5 = 13/5

手順にすると、こうなります。

帯分数 → 仮分数 整数 × 分母 + 分子 = 新しい分子 分母はそのまま 2 × 5 + 3 = 13 → 13/5

この式を丸暗記してもよいのですが、意味を理解しておくほうが確実です。「1が分母個分で1になる」という関係が分かっていれば、式を忘れても作り直せます。

どちらを使うか

帯分数と仮分数、どちらを使えばよいのでしょうか。
大きさを実感したいときは帯分数。2と3/5なら「2より少し大きい」とすぐ分かります。
計算するときは仮分数。整数部分と分数部分に分かれていないほうが、かけ算・わり算がしやすいのです。
場面によって使い分けるのが正解です。

同じ分母のたし算・ひき算

分母が同じ分数どうしなら、計算はかんたんです。

2/7 + 3/7 = 5/7 1/7 が 2個 と 3個 → 合わせて 5個 → 5/7

分母はそのまま、分子だけ足す。これがルールです。

なぜ分母を足さないのでしょうか。分母は「何等分したか」を表す名前だからです。

2/7 は 「7分の1」が2個 3/7 は 「7分の1」が3個 同じ「7分の1」という単位で 数えているので、 個数(分子)だけ足せばよい 2こ + 3こ = 5こ りんご2個+りんご3個=りんご5個 と同じこと

「7分の1」というものが2個と3個。合わせて5個。単位がそろっているから足せるのです。

これは小数のたし算で「小数点をそろえる」のと同じ原理です。単位をそろえてから、個数を数える。算数の一貫した考え方です。

逆に言うと、分母がちがう分数はそのままでは足せません。1/2+1/3が計算できないのは、単位がちがうからです。これをどうするかは5年生で学びます。

帯分数のたし算・ひき算

帯分数どうしの計算には、2つの方法があります。

2と1/5 + 1と3/5 = ? 【方法1】整数と分数を別々に 整数:2 + 1 = 3 分数:1/5 + 3/5 = 4/5 → 3と4/5 【方法2】仮分数に直して 11/5 + 8/5 = 19/5 → 3と4/5

どちらでも同じ答えです。ふつうは方法1が速いのですが、くり上がり・くり下がりがあるときは注意が必要です。

3と1/4 - 1と3/4 = ? 分数部分で 1/4 - 3/4 ができない! 【解決】整数から1借りる 3と1/4 = 2と5/4 (1 = 4/4 を分数部分に移した) 2と5/4 - 1と3/4 = 1と2/4

ひき算の筆算でくり下がりをするのと、まったく同じ発想です。上の位から1借りてくる。ただし借りてくる「1」は、分数では「分母/分母」の形になります。

くり下がりが苦手なら、仮分数に直してから計算する方法2が安全です。13/4 - 7/4 = 6/4 と、迷わず計算できます。

数直線で見る分数

分数は、数直線上の1点として表せます。

0 1/4 2/4 3/4 1 5/4 6/4 7/4 2 ├────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤ ↑ 1と1/4 = 5/4

数直線で見ると、仮分数と帯分数が同じ場所にあることが目で分かります。

そして、分数が整数と同じ数直線の上にあることも見えてきます。分数は特別な数ではなく、整数のすきまを埋める数なのです。

小数も同じ数直線上にあります。0.25 = 1/4、0.5 = 2/4、0.75 = 3/4。整数・小数・分数は、すべてつながっている──4年生で気づいておきたい大事なことです。

数直線で見ると、もう1つ面白いことに気づけます。同じ場所を指す分数がいくつもあるのです。

1/2 = 2/4 = 3/6 = 4/8 どれも数直線の同じ場所 0 1/2 1 ├─────┼─────┤ 0 2/4 1 ├──┼──┼──┼──┤

分ける数を増やしても、取る数を同じ割合で増やせば、大きさは変わりません。折り紙を4等分した2枚と、2等分した1枚は同じ広さです。

この性質は5年生で約分・通分として本格的に学びます。4年生では「同じ大きさの分数がある」と気づいておけば十分です。1/2=2/4を図で確かめておくと、5年生の学習がぐっと楽になります。

つまずきやすいところ

その1 分母どうしを足してしまう

2/7+3/7=5/14としてしまう。
分母は単位の名前です。りんご2個+りんご3個=りんご5個であって、りんごが増えるわけではありません。図で確かめると納得できます。

その2 帯分数のくり下がり

分数部分が引けなくて手が止まる。
整数から1借りる。1=4/4のように、分母と同じ分子にして移します。難しければ仮分数に直すのが確実です。

その3 変換で式を丸暗記する

「整数×分母+分子」を忘れて手が止まる。
意味に戻ります。「1は分母個分」という関係が分かっていれば、式は自分で作れます。

やってみよう

Q1 仮分数とはどんな分数ですか。

A 分子が分母以上の分数です。1以上の大きさになります。

Q2 17/5を帯分数に直しましょう。

A 17÷5=3あまり2なので3と2/5

Q3 4と2/3を仮分数に直しましょう。

A 4×3+2=14なので14/3

Q4 なぜ分母を足してはいけないのですか。

A 分母は単位の名前だからです。同じ単位のものを数えているので、個数(分子)だけを足します。

まとめ

おうちの方へ

分数は、小学校算数でもっとも抽象度が高い分野です。4年生の段階では、まだ図や具体物と結びつけて理解させることが大切です。
とくに「分母どうしを足してしまう」ミスは、分母の意味が分かっていないサインです。ピザや折り紙で「7分の1が2個と3個」を実際に見せると、一度で理解できることが多いです。
仮分数と帯分数は、どちらが上ということはありません。「大きさを見るなら帯分数、計算するなら仮分数」と用途で説明してあげてください。
数直線を1本引いて、整数・小数・分数を全部書き込む活動もおすすめです。バラバラに学んできた数が1本につながる体験は、算数の見方を変えます。