4年 算数 わり算のひっ算

わり算のひっ算 ── たてる・かける・ひく・おろすの4ステップ

4年生でいちばん手強い計算です。手順は4つの繰り返しですが、商の見当をつける力が問われます。

ほかのひっ算との違い

たし算・ひき算・かけ算のひっ算は、右から計算しました。わり算だけが違います。

計算計算の向き手順
たし算・ひき算右から位ごとに1回ずつ
かけ算右から位ごと+部分積の合計
わり算左から4ステップを繰り返す

なぜわり算だけ左からなのでしょうか。大きい位から分けていくほうが自然だからです。

たとえば「738円を3人で分ける」とき、まず100円玉から分けます。700円分を3人に配って、余りは10円玉にくずして……という順序です。

これが「大きい位から分ける」ということ。だから左からになります。

4つのステップ

わり算のひっ算は、次の4つを繰り返します。

① たてる … 商を決める ② かける … 商 × わる数 ③ ひく … 上から引く ④ おろす … 次の位を下ろす ①に戻る(数字がなくなるまで)

実際にやってみます。「738 ÷ 3」です。

2 ┌──────── 3 │ 7 3 8 6 ← ② 2×3=6 ──── 1 ← ③ 7-6=1 ① 7÷3 は 2あまり1 → 商の百の位に「2」 ② 2×3=6 を書く ③ 7-6=1 ④ 次の3を下ろす
2 4 ┌──────── 3 │ 7 3 8 6 ──── 1 3 ← ④ 3を下ろした 1 2 ← ② 4×3=12 ────── 1 ← ③ 13-12=1
2 4 6 ┌──────── 3 │ 7 3 8 6 ──── 1 3 1 2 ────── 1 8 ← ④ 8を下ろした 1 8 ← ② 6×3=18 ────── 0 ← ③ 18-18=0 答え: 246

同じ4ステップを3回繰り返しただけです。けた数が増えても、繰り返す回数が増えるだけで、やることは変わりません。

商の見当をつける

2けたでわる場合、いちばん難しいのが①たてるです。

184 ÷ 23 18 ÷ 23 はできない → 184 ÷ 23 で考える → 商は1けた さて、いくつだろう?

ここで見当をつけます。方法は、わる数をきりのよい数に直すことです。

23 を 20 とみる 184 ÷ 20 = 約9 → 商は 9 くらい? → 9×23=207 … 184より大きい。多すぎた → 8×23=184 … ぴったり! 答え: 8

このように、見当をつけて、確かめて、修正するのがわり算のひっ算です。

大事なのは、一発で当たらなくてよいということです。大きすぎたら1減らす、小さすぎたら1増やす。調整するのが前提です。

見当のつけ方のコツ

わる数をきりのよい数に丸めるのが基本です。
・23 → 20 とみる(少なめに丸めると、商が大きめに出る)
・28 → 30 とみる(多めに丸めると、商が小さめに出る)
どちらでも構いません。大事なのは、そこから調整することです。
この「丸めて考える」やり方は、次の単元「がい数」で本格的に学びます。

商がたたない位

つまずきやすいのが、商に0が入る場合です。

3 0 2 ┌──────── 3 │ 9 0 6 9 ──── 0 0 ← 0÷3=0。商に「0」を書く 0 ────── 0 6 6 ────── 0 答え: 302

ここで0を書き忘れると、答えが「32」になってしまいます。けた数がずれる、致命的なミスです。

防ぐ方法は、数字を下ろしたら例外なく商の欄に何かを書くと決めておくことです。0でも書く。「たてられないから飛ばす」をやらない。

そして、答えが何けたになるかを計算前に予想しておくのも有効です。

906 ÷ 3 900 ÷ 3 = 300 くらい → 答えは3けたのはず もし「32」になったら、明らかにおかしい

けた数の見当があれば、0の書き忘れにすぐ気づけます。

もう1つ、0が最後に来る場合も要注意です。

1 2 0 ┌──────── 4 │ 4 8 0 4 ──── 0 8 8 ────── 0 0 ← 0÷4=0。最後の0も書く 0 ────── 0 答え: 120(12ではない)

最後の0を落とすと、答えが10分の1になってしまいます。わられる数の数字を全部使い切ったかを、毎回確認しましょう。

検算をする

わり算の答えは、かけ算で確かめられます

【わりきれるとき】 わる数 × 商 = わられる数 738 ÷ 3 = 246 → 3 × 246 = 738 ✓ 【あまりがあるとき】 わる数 × 商 + あまり = わられる数 185 ÷ 23 = 8 あまり 1 → 23 × 8 + 1 = 185 ✓

3年生で学んだ検算の式が、そのまま使えます。

そして、あまりの確認も忘れずに。

あまり < わる数

これも3年生で学んだきまりです。あまりがわる数以上なら、商をもう1増やせます。

わり算のひっ算は手順が長いので、途中でミスしやすい計算です。だからこそ、検算の価値が高くなります。

わり算の性質

4年生では、わり算の便利な性質も学びます。

わられる数とわる数に 同じ数をかけても、わっても、商は変わらない 60 ÷ 20 = 3 ↓ 両方10でわる 6 ÷ 2 = 3 ← 同じ!

この性質を使うと、計算が楽になります

もとの式簡単にすると
800 ÷ 2008 ÷ 24
4500 ÷ 90045 ÷ 95
120 ÷ 4012 ÷ 43

ただし、あまりには注意が必要です。

130 ÷ 40 = 3 あまり 10 13 ÷ 4 = 3 あまり 1 商は同じ 3。でも あまりは違う! (簡単にした式のあまりを10倍すると、元のあまり)

商は変わりませんが、あまりは元の大きさに戻す必要があります。ここは間違えやすいところです。

この性質は、5年生の小数のわり算で決定的に重要になります。「2.4 ÷ 0.3」を「24 ÷ 3」に直せるのは、この性質があるからです。小数点を動かす操作の正体は、わられる数とわる数を同じだけ10倍・100倍していることなのです。

また、6年生の分数のわり算や、中学で学ぶ約分にも、この考え方はそのまま受けつがれます。4年生でいちばん先の学年まで効いてくる性質だと言ってよいでしょう。今すぐには便利さが分からなくても、頭のすみに置いておいてください。

つまずきやすいところ

その1 商の見当が大きくずれる

何度も書き直して時間がかかる。
わる数を丸めて考える練習をします。23なら20、38なら40。慣れると1〜2回の調整で決まります。

その2 商の0を書き忘れる

けた数がずれて、まったく違う答えになる。
下ろしたら必ず商を立てる。そして答えのけた数を先に見当づける。この2つで防げます。

その3 位がずれる

商を書く位置、引き算を書く位置がずれる。
マス目ノートを使います。わり算のひっ算は書く量が多いので、位をそろえる工夫が特に重要です。

やってみよう

Q1 4つのステップを言えますか。

A 商をたてる → わる数とかける → 上から引く → 次の位を下ろす。この順に繰り返します。

Q2 「196 ÷ 28」の商の見当をつけましょう。

A 28を30とみて 196÷30=約6。6×28=168、7×28=196。答えは7

Q3 「824 ÷ 4」の答えは何けたになりますか。

A 800÷4=200くらいなので3けた。実際は206です。

Q4 「3600 ÷ 600」を簡単にして計算しましょう。

A 両方100でわって 36÷6=6

まとめ

おうちの方へ

わり算の筆算は、4年生でもっとも時間がかかる単元です。手順が長く、途中でミスすると最後まで狂うため、苦手意識を持ちやすいところです。
つまずきの原因は大きく2つ。九九があやふやか、商の見当がつけられないかです。前者なら九九に戻る、後者なら「わる数を丸める」練習をします。
また、商の見当は一発で当てなくてよいと伝えてあげてください。「大きすぎたら1減らす」と分かっていれば、書き直しを恐れなくなります。消しゴムを使うことは失敗ではありません。
マス目ノートは必須です。わり算の筆算は書く量が多く、位がずれやすいためです。