4年生でいちばん手強い計算です。手順は4つの繰り返しですが、商の見当をつける力が問われます。
たし算・ひき算・かけ算のひっ算は、右から計算しました。わり算だけが違います。
| 計算 | 計算の向き | 手順 |
|---|---|---|
| たし算・ひき算 | 右から | 位ごとに1回ずつ |
| かけ算 | 右から | 位ごと+部分積の合計 |
| わり算 | 左から | 4ステップを繰り返す |
なぜわり算だけ左からなのでしょうか。大きい位から分けていくほうが自然だからです。
たとえば「738円を3人で分ける」とき、まず100円玉から分けます。700円分を3人に配って、余りは10円玉にくずして……という順序です。
これが「大きい位から分ける」ということ。だから左からになります。
わり算のひっ算は、次の4つを繰り返します。
実際にやってみます。「738 ÷ 3」です。
同じ4ステップを3回繰り返しただけです。けた数が増えても、繰り返す回数が増えるだけで、やることは変わりません。
2けたでわる場合、いちばん難しいのが①たてるです。
ここで見当をつけます。方法は、わる数をきりのよい数に直すことです。
このように、見当をつけて、確かめて、修正するのがわり算のひっ算です。
大事なのは、一発で当たらなくてよいということです。大きすぎたら1減らす、小さすぎたら1増やす。調整するのが前提です。
わる数をきりのよい数に丸めるのが基本です。
・23 → 20 とみる(少なめに丸めると、商が大きめに出る)
・28 → 30 とみる(多めに丸めると、商が小さめに出る)
どちらでも構いません。大事なのは、そこから調整することです。
この「丸めて考える」やり方は、次の単元「がい数」で本格的に学びます。
つまずきやすいのが、商に0が入る場合です。
ここで0を書き忘れると、答えが「32」になってしまいます。けた数がずれる、致命的なミスです。
防ぐ方法は、数字を下ろしたら例外なく商の欄に何かを書くと決めておくことです。0でも書く。「たてられないから飛ばす」をやらない。
そして、答えが何けたになるかを計算前に予想しておくのも有効です。
けた数の見当があれば、0の書き忘れにすぐ気づけます。
もう1つ、0が最後に来る場合も要注意です。
最後の0を落とすと、答えが10分の1になってしまいます。わられる数の数字を全部使い切ったかを、毎回確認しましょう。
わり算の答えは、かけ算で確かめられます。
3年生で学んだ検算の式が、そのまま使えます。
そして、あまりの確認も忘れずに。
これも3年生で学んだきまりです。あまりがわる数以上なら、商をもう1増やせます。
わり算のひっ算は手順が長いので、途中でミスしやすい計算です。だからこそ、検算の価値が高くなります。
4年生では、わり算の便利な性質も学びます。
この性質を使うと、計算が楽になります。
| もとの式 | 簡単にすると | 商 |
|---|---|---|
| 800 ÷ 200 | 8 ÷ 2 | 4 |
| 4500 ÷ 900 | 45 ÷ 9 | 5 |
| 120 ÷ 40 | 12 ÷ 4 | 3 |
ただし、あまりには注意が必要です。
商は変わりませんが、あまりは元の大きさに戻す必要があります。ここは間違えやすいところです。
この性質は、5年生の小数のわり算で決定的に重要になります。「2.4 ÷ 0.3」を「24 ÷ 3」に直せるのは、この性質があるからです。小数点を動かす操作の正体は、わられる数とわる数を同じだけ10倍・100倍していることなのです。
また、6年生の分数のわり算や、中学で学ぶ約分にも、この考え方はそのまま受けつがれます。4年生でいちばん先の学年まで効いてくる性質だと言ってよいでしょう。今すぐには便利さが分からなくても、頭のすみに置いておいてください。
何度も書き直して時間がかかる。
わる数を丸めて考える練習をします。23なら20、38なら40。慣れると1〜2回の調整で決まります。
けた数がずれて、まったく違う答えになる。
下ろしたら必ず商を立てる。そして答えのけた数を先に見当づける。この2つで防げます。
商を書く位置、引き算を書く位置がずれる。
マス目ノートを使います。わり算のひっ算は書く量が多いので、位をそろえる工夫が特に重要です。
Q1 4つのステップを言えますか。
A 商をたてる → わる数とかける → 上から引く → 次の位を下ろす。この順に繰り返します。
Q2 「196 ÷ 28」の商の見当をつけましょう。
A 28を30とみて 196÷30=約6。6×28=168、7×28=196。答えは7。
Q3 「824 ÷ 4」の答えは何けたになりますか。
A 800÷4=200くらいなので3けた。実際は206です。
Q4 「3600 ÷ 600」を簡単にして計算しましょう。
A 両方100でわって 36÷6=6。
わり算の筆算は、4年生でもっとも時間がかかる単元です。手順が長く、途中でミスすると最後まで狂うため、苦手意識を持ちやすいところです。
つまずきの原因は大きく2つ。九九があやふやか、商の見当がつけられないかです。前者なら九九に戻る、後者なら「わる数を丸める」練習をします。
また、商の見当は一発で当てなくてよいと伝えてあげてください。「大きすぎたら1減らす」と分かっていれば、書き直しを恐れなくなります。消しゴムを使うことは失敗ではありません。
マス目ノートは必須です。わり算の筆算は書く量が多く、位がずれやすいためです。