4年 算数 小数

小数 ── 小数点は動かない。動くのは数字のほう

小数第二位、そして小数のかけ算・わり算へ。位取りの原理は整数とまったく同じだと気づけば、こわくありません。

3年生の復習と、その先へ

3年生では小数第一位まで学びました。0.1が10個で1になる、というしくみです。

4年生では、その先へ進みます。

1 の 1/10 → 0.1 (小数第一位) 0.1 の 1/10 → 0.01 (小数第二位) 0.01 の 1/10 → 0.001(小数第三位)

位の名前も決まっています。

位置位の名前大きさ
小数第一位10分の1の位0.1
小数第二位100分の1の位0.01
小数第三位1000分の1の位0.001

ここで大事なのは、整数の位と小数の位が、まったく同じ規則で並んでいるということです。

千 百 十 一 . 0.1 0.01 0.001 ←── 10倍ずつ大きく 10分の1ずつ小さく ──→ 小数点をはさんで、 左へ行けば10倍、右へ行けば10分の1

整数も小数も、ひとつながりの数直線の上にあります。小数点は、その中の「1の位のすぐ右」に打たれた目印にすぎません。

小数のたし算・ひき算

小数の筆算には、たった1つのルールがあります。

小数点をそろえて書く

整数の筆算では「右をそろえる」と教わりました。でも小数では、右をそろえると失敗します。

【まちがい】右をそろえた 3.5 + 1.25 ────── ずれている! 【正しい】小数点をそろえた 3.50 ← 0を補ってもよい + 1.25 ────── 4.75

なぜ小数点をそろえるのでしょうか。同じ位どうしを足すためです。0.5と0.25を足すには、10分の1の位どうし、100分の1の位どうしを足さなければなりません。

これは1年生から変わらない原則です。「10のかたまりは10のかたまりと」「1は1と」。そろえてから計算する。小数でも同じなのです。

0を補ってよい

3.5 と 3.50 は同じ大きさです。小数の右はしの0は、あってもなくても値が変わりません
だから筆算では、けたをそろえるために0を書き足してかまいません。むしろ書いたほうが、位のずれを防げます。
ただし、答えを書くときは 4.50 → 4.5 と、余分な0を消すのがふつうです。

小数 × 整数

4年生では、小数に整数をかける計算を学びます。

2.4 × 3 = ? 【考え方1】たし算で 2.4 + 2.4 + 2.4 = 7.2 【考え方2】0.1をもとにして 2.4 は 0.1 が 24個 24個 × 3 = 72個 0.1 が 72個 = 7.2

考え方2が大事です。0.1を1つの単位とみれば、整数のかけ算に変わります

この見方を使うと、筆算のやり方も説明できます。

2.4 × 3 ────── 7.2 ① 小数点を無視して 24×3=72 ② かけられる数の小数点の位置に合わせて 答えに小数点を打つ → 7.2

「小数点を無視して計算し、あとで打つ」。この手順の理由は、0.1を単位にして整数計算をしているからです。

ここで、よくある誤解を1つ。「小数点を動かす」という言い方をしますが、実際に動いているのは数字のほうです。

2.4 × 10 = 24 小数点が右へ動いたように見えるが… 実際は、2 と 4 が1つ左の位へ動いた (0.4 → 4、2 → 20)

小数点は1の位の右という定位置にあります。動くのは数字。この理解があると、5年生の小数×小数でも混乱しません。

小数 ÷ 整数

わり算も同じ発想です。

7.2 ÷ 3 = ? 7.2 は 0.1 が 72個 72個 ÷ 3 = 24個 0.1 が 24個 = 2.4

筆算では、小数点の位置をそのまま上げるのがルールです。

2.4 ┌────── 3 │ 7.2 6 ──── 1 2 1 2 ────── 0 わられる数の小数点の 真上に、商の小数点を打つ

整数のわり算とやることは同じです。小数点の位置だけ気をつける

わりきれないときは、0を補って続けられるのが小数の便利なところです。

3 ÷ 4 = ? 3 を 3.00 とみて → 0.75 整数のわり算なら 「0あまり3」で終わっていたが、 小数なら最後まで求められる

整数だけの世界では表せなかった量が、小数なら表せる。数の世界が広がったのです。

ただし、小数でもわりきれない場合はあります。10÷3=3.333…のように、いつまでも続く数です。こういうときは、がい数で「約3.3」と表します。がい数の学習がここでつながります

小数の大きさを比べる

小数の大小比較には、コツがあります。

0.9 と 0.85 はどちらが大きい? ×「けたが多いほうが大きい」→ 0.85 ○ 正しくは 0.9 のほう

整数では「けたが多いほうが大きい」でした。小数ではそれが通用しません。

正しい比べ方は、上の位から順に見ることです。

0.90 0.85 ↑ 小数第一位を比べる 9 > 8 なので 0.9 のほうが大きい

けたをそろえて(0を補って)比べると分かりやすくなります。0.9=0.90ですから、0.90と0.85を比べればよいのです。

数直線で確かめるのも有効です。0.8と0.9の間に0.85があることが目で見えると、納得できます。

もう1つ、小数を身近に感じる方法があります。単位の書きかえです。

1.35m = 1m35cm (1m = 100cm だから 0.35m = 35cm) 2.4L = 2L400mL (1L = 1000mL だから 0.4L = 400mL) 1.08kg = 1kg80g

小数で書いた量を、別の単位に直すと具体的になります。「1.35m」と言われてもピンときませんが、「1m35cm」なら身長として想像できます。

逆に、cmで書かれた長さをmの小数で表すこともできます。単位換算と小数は、たがいに行き来できるのです。この見方は5年生・6年生でも繰り返し使います。

つまずきやすいところ

その1 筆算で右をそろえてしまう

3.5+1.25を右そろえで書き、答えがずれる。
小数点をそろえる。0を補って3.50と書けば、けた数もそろって間違えにくくなります。

その2 答えの小数点を打ち忘れる

2.4×3の答えを「72」と書いてしまう。
計算前に答えのだいたいの大きさを予想しておきます。2.4を約2とみれば2×3=6くらい。72はおかしいとすぐ分かります。

その3 0.9 < 0.85 と考える

けた数の多さで判断してしまう。
上の位から順に比べる。けたをそろえて0.90と0.85にすれば一目瞭然です。

やってみよう

Q1 0.01は0.1の何分の1ですか。

A 10分の1。位は右へ1つ進むごとに10分の1になります。

Q2 小数の筆算で、何をそろえて書きますか。

A 小数点をそろえます。同じ位どうしを計算するためです。

Q3 1.6×4を、0.1をもとにして考えましょう。

A 0.1が16個。16×4=64個。0.1が64個で6.4

Q4 0.7、0.65、0.702を大きい順に並べましょう。

A 0.700/0.650/0.702 とそろえて比べ、0.702 > 0.7 > 0.65

まとめ

おうちの方へ

小数は「整数とは別の新しい数」だと感じる子が多いですが、実際には位取りの規則がそのまま右へ延びただけです。位取り表を書いて、整数部と小数部が連続していることを見せてあげてください。
筆算で「小数点をそろえる」のは、位をそろえるためです。「なぜ整数のときは右そろえだったのか」まで戻って説明すると、納得が深まります。整数は小数点が右はしにあるので、結果的に右そろえになっていただけなのです。
「小数点を動かす」という表現は便利ですが、5年生で混乱の原因になります。動いているのは数字だという正しい理解を、この段階で持たせておくと後が楽です。
買い物のレシート、体重計、ペットボトルの容量。小数は生活のあちこちにあります。目にしたら読ませてみてください。