4年 算数 時計の針がつくる角度

時計の長い針と短い針がつくる角度 ── 1分で6度、1時間で30度、「速さのちがい」で角度が決まる

「角の大きさ」の単元で、時計の長い針と短い針がつくる角も角度で表せることを知りました。では、何時何分でもその角度を計算で求められるでしょうか。

時計の1まわりは360度

時計の文字盤には、1から12までの数字が等しい間かくで並んでいます。時計の針がつくる角度を考えるときの出発点は、時計の1まわりが360度だということです。

時計の文字盤は12等分されている 360° ÷ 12 = 30° → となり合う数字と数字の間は、いつも30°

たとえば12と1の間、3と4の間、どこをとっても30度です。この「となり合う数字の間は30度」という事実が、このあとの計算のもとになります。

長い針(分針)は1分でどれだけ動く?

長い針は60分(1時間)で文字盤を1まわり、つまり360度動きます。1分あたりで考えると、こうなります。

長い針は60分で360°動く 360° ÷ 60 = 6° → 長い針は1分で6°動く

たとえば15分なら、長い針は12の位置から 6°×15=90° の場所、つまり3の数字の位置まで動きます。30分なら 6°×30=180° で、6の数字の位置です。これは、ふだん時計を読むときにも自然に使っている感覚です。

短い針(時針)は1分でどれだけ動く?

短い針は1時間(60分)で、文字盤の数字1つ分、つまり30度だけ動きます。長い針よりずっとゆっくりです。

短い針は60分で30°動く 30° ÷ 60 = 0.5° → 短い針は1分で0.5°動く

長い針が1分で6°、短い針が1分で0.5°。長い針は短い針の12倍の速さで動いています(6÷0.5=12)。この「速さのちがい」こそが、2本の針がつくる角度を計算するためのカギになります。

何時何分でも角度を求める手順

長い針と短い針、それぞれが「12の位置」からどれだけ回転したかを別々に計算し、その差を求めます。

手順 ① 長い針の角度 = 6° × 分 ② 短い針の角度 = 30° × 時 + 0.5° × 分 ③ ①と②の差を求める(大きい方から小さい方を引く)

②の「30°×時」は、短い針がちょうどの時刻のときに数字の上にある角度です。「+0.5°×分」を忘れてしまう人が多いのですが、これが今日いちばん大事なポイントです。短い針は、分が進むあいだも止まっていません。少しずつ次の数字へ近づいています。

例として、4時30分で計算してみましょう。

4時30分 ① 長い針 6° × 30 = 180° ② 短い針 30° × 4 + 0.5° × 30 = 120° + 15° = 135° ③ 差   180° - 135° = 45°

4時30分の2本の針がつくる角度は45度です。

見落としやすい落とし穴 ── 「3時15分」は0度ではない

ここで、よくある思いちがいを確かめてみましょう。「3時15分は、長い針も短い針も3の方を向いているから、角度は0度のはず」と考えてしまう人がいます。本当にそうでしょうか。

3時15分 ① 長い針 6° × 15 = 90°(3の数字の位置) ② 短い針 30° × 3 + 0.5° × 15 = 90° + 7.5° = 97.5° ③ 差   97.5° - 90° = 7.5°

長い針はちょうど3の位置(90°)まで来ていますが、短い針は3の位置からさらに7.5°進んでいます。15分のあいだ、短い針も止まっていなかったからです。だから、2本の針がつくる角度は0度ではなく7.5度です。

「短い針は、分が変わっても数字の上にじっと止まっている」という思いこみが、この見落としの原因です。短い針は1分で0.5°ずつ、たしかに少しずつ動き続けています。

角度が180度を超えたとき

長い針と短い針の角度の差を計算すると、180度を超える数字が出てくることがあります。角度はふつう180度までで表すので、そのときは360度から引きます。

1時50分 ① 長い針 6° × 50 = 300° ② 短い針 30° × 1 + 0.5° × 50 = 30° + 25° = 55° ③ 差   300° - 55° = 245° 245°は180°を超えているので 360° - 245° = 115°

1時50分の2本の針がつくる角度は、245度ではなく115度です。時計の針の間には、つねに「短い方の角」と「長い方の角」の2つがあり、ふつうはせまい方(180度以下の方)を答えとして使います。

時刻長い針短い針角度
3時00分0°90°90°
6時00分0°180°180°
4時30分180°135°45°
3時15分90°97.5°7.5°
1時50分300°55°115°

表の「6時00分」を見てください。短い針は180°、長い針は0°で、角度は180度です。これは「時計の長針と短針が一直線になる」という、すでに知っている事実とぴったり一致します。計算のしかたは、どんな時刻でも同じです。

つまずきやすいところ

その1 短い針は、分が進んでも数字の上で止まっていると思う

「3時15分の短い針は、まだ3の位置」と思いこんでしまう。
短い針も1分で0.5°ずつ動いているので、分が進むほど次の数字に近づいていきます。②の式で「+0.5°×分」を必ず入れましょう。

その2 2本の針の速さを同じだと思って引くだけで済ませる

長い針と短い針を同じ速さで動くものとして考え、角度を求めずに「分の数字どうしを引けばいい」と勘ちがいしてしまう。
長い針は1分で6°、短い針は1分で0.5°で、速さが12倍ちがいます。それぞれ別の式で角度を出してから、差を計算します。

その3 180度を超えたときに360度から引くのを忘れる

差が245°のような大きい数字のまま答えにしてしまう。
時計の角度はふつう180度以下で答えます。180度を超えたら、360°からその数字を引くと、せまい方の角度になります。

やってみよう

Q1 3時のとき、長い針と短い針がつくる角度は何度ですか。

A 長い針は0°、短い針は30°×3=90°。差は90度。

Q2 6時のとき、長い針と短い針がつくる角度は何度ですか。

A 長い針は0°、短い針は30°×6=180°。差は180度(一直線)。

Q3 7時30分のとき、長い針と短い針がつくる角度は何度ですか。計算のしかたも書きましょう。

A 長い針は6°×30=180°。短い針は30°×7+0.5°×30=210°+15°=225°。差は225°-180°=45度。

Q4 3時15分の角度は、ちょうど0度ではありません。それはなぜですか。何度になりますか。

A 15分のあいだに短い針も3の位置から7.5°進んでいるため。長い針90°・短い針97.5°で、角度は7.5度。

Q5 1時50分のとき、長い針と短い針がつくる角度は何度ですか。

A 長い針300°、短い針55°で差は245°。180°を超えるので360°-245°=115度。

まとめ

おうちの方へ

この単元は教科書の本編には出てこないことが多いですが、「角の大きさ」で分度器と360度を学んだ4年生なら十分理解できる、人気の発展問題です。
いちばんのポイントは「短い針は、分が進むあいだも少しずつ動いている」という点です。実際のアナログ時計を見せながら、15分・30分・45分で短い針がどのくらい動くか指でなぞらせると、「ちょうど数字の上にはいない」ことが視覚的に納得できます。
計算が複雑に感じる場合は、まず「長い針は1分で6°」「短い針は1分で0.5°」の2つの数字だけを覚えて、表を自分で作りながら確かめるのがおすすめです。公式を丸暗記するより、「なぜ0.5°なのか(30°を60分で割っただけ)」を確認できていることのほうが大切です。