4年 算数 角の大きさ

角の大きさ ── 「開き具合」をはかる分度器のしくみ

角の大きさは辺の長さと関係ありません。ここを取り違えると、分度器を使う前につまずきます。

角とは何か

2本の直線が1点で交わったとき、その開き具合を「角」といいます。

/ / / ●──────── ← ここの開き具合が「角」 頂点

交わっている点を頂点、2本の直線をといいます。三角形や四角形で使った言葉と同じです。

ここで、最初の大事な確認です。次の2つの角、どちらが大きいでしょうか。

【A】 / 【B】 / / / / / ●───── ●────────── 辺が短い 辺が長い

答えは「同じ」です。開き具合が同じなら、辺の長さがちがっても角の大きさは同じです。

辺はいくらでも伸ばせます。伸ばしても開き具合は変わりません。だから、辺の長さは角の大きさに関係ないのです。

最大のつまずきポイント

「辺が長いほうが角が大きい」と思いこむ子は非常に多いです。
これは、長さ・面積・かさなど、これまで学んだ量が「大きいほど数値が大きい」ものばかりだったためです。
角は回転の量であって、長さの量ではありません。ここを最初にはっきりさせておくことが、この単元の出発点です。

角の単位「度」

角の大きさを表す単位は度(°)です。

1回転 = 360° 半回転 = 180°(直線) 直角 = 90°

基準になるのは直角=90°です。3年生までに何度も使ってきた直角が、ここで数値になります。

なぜ1回転が360なのか。これは約4000年前の古代バビロニアから続く決まりです。360は2でも3でも4でも5でも6でも8でも9でも10でも12でもわりきれる、非常に便利な数だからだと言われています。

大きさ見た目
直角90°紙の角
直線180°まっすぐ
1回転360°もとに戻る
直角の半分45°三角定規の角
正三角形の角60°三角定規の角

三角定規の角を覚えておくと便利です。

三角定規A: 90° / 60° / 30° 三角定規B: 90° / 45° / 45° どちらも合計 180°

この2枚を組み合わせると、15°、75°、105°、135°など、いろいろな角が作れます。

分度器の使い方

角をはかる道具が分度器です。使い方は3ステップです。

① 中心(分度器の真ん中の印)を 角の頂点に合わせる ② 0°の線を、角の一方の辺に合わせる ③ もう一方の辺が指す目もりを読む

①と②が正確にできていないと、③で正しい数値は出ません。合わせる作業が8割です。

そして、分度器には目もりが2列あります。ここで多くの子が迷います。

外側: 0 → 180(左から右) 内側: 180 → 0(左から右) どっちを読めばいいの?

迷わない方法

合わせた辺の目もりが「0」になっているほうを読む。これが答えです。

もう1つ、確実な方法があります。読む前に見当をつけるのです。

直角(90°)と比べて… 直角より小さい → 0〜90 のほう 直角より大きい → 90〜180 のほう

目で見て「直角より開いてるな」と思ったら、答えは90より大きいはずです。もし50°と読めたら、読む列を間違えています。

見当をつけてから読む。これで読み間違いはほぼなくなります。

180°より大きい角

分度器は180°までしかありません。では、こんな角はどうはかるでしょうか。

●──────── │ │ ← この外側の広いほう(約230°) └────

方法は2つあります。

方法1:180°+残り

直線(180°)で区切って、 残りをはかって足す 180° + 50° = 230°

方法2:360°-内側

内側の角(130°)をはかって、 360°から引く 360° - 130° = 230°

どちらでも同じ答えになります。足すか引くか、やりやすいほうを選ぶ──これは面積のときと同じ発想です。

算数では、直接はかれないものを、はかれるものの組み合わせで求めるという場面が何度も出てきます。この考え方に慣れておくと、あとの学習がぐっと楽になります。

角をかく

はかるだけでなく、指定された角をかくこともできます。

「70°の角をかきましょう」 ① 直線を1本ひく ② 分度器の中心を端点に、0°を直線に合わせる ③ 70°のところに点を打つ ④ 端点とその点を結ぶ

コツは、③で点を正確に打つことです。目もりの真下に、細く小さく打ちます。

これができると、三角形をかくことにつながります。

「辺が5cmと4cm、その間の角が60°の三角形」 → 5cmの直線をひく → 分度器で60°の角をかく → その線上に4cmをとる → 残りを結ぶ

定規と分度器を組み合わせると、言葉で書かれた図形を正確に再現できるようになります。これは5年生の合同な図形の作図に直結します。

角の大きさの計算

角はたしたり引いたりできます。

/ / 30° /______ ● 45° \______ 30° + 45° = 75°

また、三角形の3つの角の合計は必ず180°になります(これは5年生で詳しく学びます)。

三角形の角: 50° + 60° + □ = 180° □ = 180 - 110 = 70°

4年生の段階では、まず三角定規で確かめてみるとよいでしょう。90+60+30=180、90+45+45=180。どちらも180になります。

紙で三角形を切って、3つの角をちぎって並べると、ぴったり一直線になります。180°である証拠です。ぜひ一度やってみてください。細長い三角形でも、平べったい三角形でも、どんな形の三角形でも同じ結果になります。

身のまわりにも角はたくさんあります。時計の長針と短針が作る角、開いたドアと壁の角、はさみの刃の開き。角度で表せるものを探してみると、この単元がぐっと身近になります。

つまずきやすいところ

その1 辺の長さで判断する

「辺が長いから角も大きい」と思う。
角は開き具合です。辺を伸ばしても角は変わりません。折り紙を折って重ねると、辺の長さと無関係に開き具合を比べられます。

その2 分度器の目もりを読み間違える

50°と130°を取り違える。
直角と比べて見当をつけてから読む。直角より小さければ90未満、大きければ90より上です。

その3 中心と頂点が合っていない

そもそも合わせがずれていて、正しく読めない。
分度器の中心の印を、頂点にぴったり。そして0°の線を辺に重ねる。この2つを毎回確認します。

やってみよう

Q1 辺が長い角と短い角、どちらが大きいですか。

A 開き具合が同じなら同じ。辺の長さは関係ありません。

Q2 1回転は何度ですか。半回転は?

A 1回転は360°、半回転は180°、直角は90°です。

Q3 210°の角をはかる方法を2つ言いましょう。

A ①180°+30° ②360°-150°。どちらでも同じです。

Q4 三角定規2枚の角をすべて言えますか。

A 90・60・30 と 90・45・45。どちらも合計180°です。

まとめ

おうちの方へ

この単元の最大の壁は「辺の長さと角の大きさは無関係」という点です。長さ・面積・かさと違い、角は回転の量です。折り紙や扇子を使って、開き具合だけが問題であることを体感させてあげてください。
分度器の操作は、器用さの差が出ます。うまく合わせられない子には、まず合わせる練習だけを何度かさせるとよいです。読むのはその後で十分です。
目もりの読み違いは、直角との比較で防げます。「これは直角より開いてる? 閉じてる?」と声をかける習慣をつけると、自然に見当がつくようになります。
三角形の紙の3つの角をちぎって並べる実験は、5年生の学習の先取りにもなり、印象に残ります。