4年 理科 天気と気温

天気と気温 ── 気温がいちばん高いのは正午ではない

太陽がいちばん高いのは正午。でも気温のピークは午後2時ごろ。このずれには理由があります。

気温の正しいはかり方

「気温」とは、空気の温度のことです。ただ温度計を置けばよいわけではありません。決まったはかり方があります。

気温のはかり方の条件 ① 地面から1.2〜1.5mの高さ ② 風通しのよいところ ③ 日光が直接当たらないところ

なぜこんな条件があるのでしょうか。それぞれに理由があります。

①の高さ:地面の近くは、地面の熱の影響を強く受けます。夏のアスファルトの上は50度を超えることもありますが、それは気温ではありません。人が生活する高さではかるのです。

②の風通し:空気がよどんでいると、その場所だけ熱がこもります。まわりの空気とまじり合う場所ではかる必要があります。

③の日かげ:これがいちばん重要です。日光が温度計に直接当たると、温度計そのものが熱くなってしまうのです。はかりたいのは空気の温度であって、温度計の温度ではありません。

この三つの条件を満たすために作られたのが百葉箱です。

百葉箱の工夫 ・白くぬってある → 日光を反射する ・すきま(よろい戸)がある → 風が通る ・とびらは北向き → 開けても日が入らない ・しばふの上 → 地面の照り返しが少ない ・地面から1.2〜1.5m → 決まった高さ

すべての工夫に理由があります。正確にはかるための道具なのです。

1日の気温の変化

晴れた日に、1時間ごとに気温をはかると、こんなグラフになります。

気温 28℃| ● | / \ 24℃| ● ● | / \ 20℃| ● ● | / \ 16℃| ● ● └──┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴── 6時 8 10 12 14 16 18 20時

ここでおどろくべきことに気づきます。太陽がいちばん高くなるのは正午(12時)なのに、気温のピークは午後2時ごろなのです。

なぜずれるのでしょうか。

太陽の光 → 地面をあたためる ↓ 地面 → 空気をあたためる 空気は日光では直接あたたまりにくい。 地面があたたまってから、 その熱で空気があたたまる。 → だから時間がおくれる

空気は太陽の光で直接あたたまるのではない──これがこの単元の核心です。

正午に日ざしが最も強くても、地面はまだあたたまり続けています。地面の温度が最高になるのが午後1時ごろ、それが空気に伝わって午後2時ごろに気温が最高になる。熱が伝わるのに時間がかかるのです。

同じ理由で、1年でいちばん暑いのも夏至(6月下旬)ではなく8月です。日の長さのピークと、暑さのピークがずれるのも同じしくみです。

天気による変化のちがい

晴れの日と雨の日では、気温の変化のしかたがまったくちがいます。

【晴れの日】 変化が大きい(山の形) 朝は低く、昼過ぎに高く、夕方から下がる 【雨・くもりの日】 変化が小さい(平らな線) 1日じゅう、あまり変わらない

なぜでしょうか。雲がふたの役割をするからです。

昼間 … 雲が日光をさえぎる → 地面があたたまらない → 気温が上がらない 夜 … 雲が地面の熱を逃がさない → 気温が下がりにくい → 上がりも下がりもしない → 変化が小さい

つまり、雲は昼も夜も温度の変化をおさえるのです。

逆に、よく晴れた日は昼と夜の差が大きくなります。とくに冬のよく晴れた夜は、地面の熱がどんどん逃げて、放射冷却という現象で朝がとても冷えこみます。

砂漠が昼はとても暑く、夜はとても寒いのも同じ理由です。雲も水蒸気も少ないため、熱がためられないのです。

正しく調べるために

実験や観察では、条件をそろえることが大切です。

晴れの日と雨の日の気温を比べるとき そろえるもの ・はかる場所(同じ百葉箱) ・はかる時刻(同じ時間ごと) ・温度計(同じもの) ・はかる高さ 変えるもの ・天気だけ

比べたいこと以外を全部同じにする。これを条件制御といいます。理科の実験すべてに共通する基本です。

温度計の使い方にも注意点があります。

・目もりは真横から読む (ななめから見ると値がずれる) ・液の先が動かなくなるまで待つ ・温度計を手で持たない (手の熱が伝わる)
記録のとり方

気温の観察では、表に記録してからグラフにするのが基本です。
表:時刻と気温を書く
グラフ:折れ線グラフにする
そして、天気も一緒に記録しておきます。「10時 21℃ 晴れ」というように。
後で見返したとき、気温と天気の関係が分かるからです。算数で学んだ折れ線グラフが、ここで実際に役立ちます。

気温と生活

気温の変化を知っていると、生活にも役立ちます。

天気予報では、その日の最高気温と最低気温が発表されます。最低気温はたいてい明け方、最高気温は午後2時ごろの値です。

朝の気温だけで服装を決めると失敗します。日中はもっと上がるからです。逆に、日中の暖かさで薄着をすると、夕方に冷えこみます。

また、1日の気温差にも注目してみましょう。

気温差が大きい日 … よく晴れる日 気温差が小さい日 … 雨やくもりの日 → 差が大きい日は、 朝と昼で服装を変える必要がある

農業でも気温は重要です。作物によって育つのに適した気温があり、遅霜(おそじも)が出ると作物がだめになることもあります。気温を知ることは、暮らしを守ることにもつながっているのです。

近年は、都市部でヒートアイランド現象も問題になっています。アスファルトやコンクリートが熱をためこみ、建物やエアコンが熱を出すため、都会は郊外より気温が高くなるのです。

同じ市内でも、公園の中と大通りでは気温がちがいます。地面の様子が気温を左右する──「空気は地面を通してあたたまる」という原理が、ここでも効いているのです。

つまずきやすいところ

その1 正午が最高気温だと思う

太陽の高さと気温を同じだと考える。
空気は地面を通してあたたまるため、時間がおくれます。ピークは午後2時ごろです。

その2 日なたで気温をはかる

日光が当たる場所で温度計を使う。
それでは温度計自体が熱くなり、正しい気温になりません。必ず日かげ・風通しのよい場所ではかります。

その3 条件をそろえずに比べる

場所も時刻もちがう記録を比べてしまう。
比べたいこと以外は全部同じにします。これが理科の実験の基本です。

やってみよう

Q1 気温をはかる三つの条件を言いましょう。

A 地面から1.2〜1.5m・風通しがよい・日光が直接当たらないです。

Q2 なぜ気温のピークは正午ではないのですか。

A 空気は地面があたたまってからあたたまるため、時間がおくれるからです。

Q3 雨の日の気温の変化はどうなりますか。

A 変化が小さく平らな線になります。雲が日光と熱の両方をさえぎるためです。

Q4 1日の気温を2時間おきにはかって、グラフにしてみましょう。

A 天気も一緒に記録します。晴れの日と雨の日で比べると、ちがいがはっきりします。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、理科の観察・記録の基本を学ぶ最初の本格的な機会です。同時に、算数で学んだ折れ線グラフが実際に役立つ場面でもあります。
「気温のピークが正午ではない」という事実は、多くの子にとって意外な発見です。太陽の高さ=暑さだと思いこんでいるからです。ここで「空気は地面を通してあたたまる」というしくみを理解できると、季節の暑さのずれも説明できるようになります。
家庭でも、天気予報の最高・最低気温に注目してみてください。「今日は差が大きいね。晴れるのかな?」といった会話が、そのまま学習になります。
温度計があれば、日なたと日かげ、家の中と外を測り比べてみるのもおすすめです。数字の差を体感できます。