4年 理科 雨水のゆくえと地面のようす

雨水のゆくえと地面のようす ── 水は高いところから低いところへ流れる

雨がやんだあと、いつも同じ場所に水たまりができるのはなぜでしょう。答えは地面の中にかくれています。

水たまりはどこにできるか

雨がふった次の日、校庭を見わたすと、水たまりができている場所と、まったくできていない場所があります。

この場所は、雨のたびにだいたい同じです。なぜでしょうか。

水たまりができやすい場所 ・鉄棒の下(人がよく通ってふみかためられた場所) ・階段の下 ・地面がへこんでいるところ 水たまりができにくい場所 ・砂場(つぶが大きくすきまが多い) ・花だんのまわり(土がやわらかい) ・坂になっているところ

ここから分かることが二つあります。①地面の傾き②土のつぶの大きさです。この二つが、雨水のゆくえを決めています。

水は高いところから低いところへ流れる

まず、地面の傾きについて調べてみましょう。

校庭に線を引いて、その上に水を流すと、水はまっすぐ低い方へ向かって流れていきます。坂になっていれば、必ず低い方へ流れるのです。

水の流れる向きの調べ方 ① 校庭にビー玉を置く ② ビー玉が転がる方向を記録する ③ 何か所かで同じことをくり返す ④ 転がった向きを地図に矢印でかきこむ 結果:矢印は全部、地面が低くなっている方へ向く

この実験から、水は必ず高いところから低いところへ流れるということが分かります。これは坂道でも、校庭のようなゆるやかな傾きでも同じです。

そして、まわりより低くなっている場所に水が集まると、そこから逃げ場がなくなり、水たまりになります。鉄棒の下や階段の下に水たまりができやすいのは、そこが周囲より低くなっているからです。

土のつぶの大きさで、しみこみ方が変わる

もう一つの理由は、土のつぶの大きさです。運動場の土と、砂場の砂を比べてみましょう。

運動場の土砂場の砂じゃりの多い土
つぶの大きさ小さい中くらい大きい
すきまの広させまいふつう広い
水のしみこみ方おそい速いとても速い
水たまりのできやすさできやすいできにくいほとんどできない

同じ量の水を、運動場の土・砂場の砂・じゃりの3つに同時に注ぐ実験をすると、しみこむ速さのちがいがはっきり分かります。

実験:同じ量の水を注ぐ 運動場の土 砂場の砂 じゃり ┌──────┐ ┌──────┐ ┌──────┐ │ ● ● ● │ │ ○ ○ │ │ ◯ ◯ │ │● ● ● ●│ │ ○ ○ │ │ ◯ ◯│ └──────┘ └──────┘ └──────┘ つぶが小さい つぶが中くらい つぶが大きい すきまがせまい すきまがふつう すきまが広い ↓ ↓ ↓ 水がしみこむ ふつうにしみこむ すぐしみこむ のに時間がかかる (一瞬で消える)

つぶが小さいと、つぶとつぶの間のすきまがせまくなり、水が通りにくくなります。反対に、つぶが大きいとすきまも広くなり、水はどんどん下へしみこんでいきます。運動場の土はつぶが細かいため、雨水がしみこみにくく、水たまりが残りやすいのです。

雨水はどこへ行くのか

地面にしみこまなかった雨水は、どうなるのでしょうか。行き先は主に三つです。

雨水のゆくえ ① 地面の低い方へ流れて 川や側溝に集まる ② 地面にしみこんで 土の中の水になる ③ そのまま蒸発して 空気中にもどる → ①は「地面の上を流れる水」 → ②は「地面の中にしみこむ水」 → この二つの割合は、傾きとつぶの大きさで決まる

校庭のように、傾きがゆるくつぶが細かい地面では、②のしみこみが少なく、①の流れとして側溝や川へ向かいます。反対に、砂地や森の土のようにすきまが多い地面では、②のしみこみが多くなり、雨水は地下水としてゆっくりとたくわえられます。

この「しみこむ・流れる」のバランスは、大雨のときの災害とも関係しています。アスファルトのようにまったく水を通さない地面がふえると、雨水はすべて①の「流れる水」になってしまい、短時間で川に集中してこう水の原因になることがあります。

校庭の傾きを調べてみよう

実際に校庭の傾きを調べる方法を紹介します。特別な道具がなくても、身近なものでできます。

水平器を使わない調べ方 【方法1】ビー玉を転がす 地面にビー玉を置き、転がる方向と速さを記録する →速く転がるところほど傾きが急 【方法2】ペットボトルの水平器を作る ペットボトルに水と少しの空気を入れてよこにする →空気のあわが動く方に地面が下がっている 【方法3】長い板と定規で高さを比べる 平らな板を地面に置き、両はしの高さを定規ではかる →高さの差が大きいほど傾きが急

実際に何か所かで調べて記録すると、校庭全体は完全に平らではなく、少しずつ傾いていることに気づきます。多くの学校では、水はけをよくするために、校庭のはしや側溝に向かってわずかに低くなるよう設計されています。

調べた結果を白地図のような簡単な図にまとめると、校庭のどこが高く、どこが低いかが一目で分かります。矢印を低い方へ向けて何本もかき入れると、雨水がどこに集まりやすいかを予想することもできます。予想した場所と、実際に雨上がりにできる水たまりの場所を見比べてみましょう。傾きの調べ方から予想した場所と、実際の水たまりの場所がぴったり重なることが多いはずです。これは、地面の傾きが雨水のゆくえを決める大きな要因であることの何よりの証拠になります。

つまずきやすいところ

その1 水たまりは土の量が多いからできると思う

水たまりの場所を「土がたくさんあるから」と考えてしまう。
正しくは周囲より低い場所に水が集まるからです。土の量ではなく、地面の高さの差が原因です。

その2 つぶが大きい方が水を吸うと思う

大きいつぶの方が水を「たくさん吸いこむ」と誤解しやすい。
正しくは、つぶが大きいとすきまが広くなり水が下へすり抜けやすくなるだけで、水を吸収しているわけではありません。

その3 しみこんだ水は消えてなくなると思う

地面にしみこんだ水は「なくなった」と考えてしまう。
実際は土の中に水としてたくわえられているだけで、なくなったわけではありません。井戸水や湧き水のもとにもなります。

やってみよう

Q1 水は地面のどちらへ向かって流れますか。

A 高いところから低いところへ向かって流れます。

Q2 運動場の土と砂場の砂、水がしみこみやすいのはどちらですか。

A 砂場の砂です。つぶが大きくすきまが広いため、水が通りやすいからです。

Q3 水たまりができやすいのはどんな場所ですか。

A 周囲より低く、土のつぶが細かい場所です。

Q4 アスファルトの地面がふえると、雨水のゆくえはどう変わりますか。

A 地面にしみこむ量が減り、流れる水が増えるため、こう水につながりやすくなります。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、雨上がりの通学路や公園を観察するだけで、家庭でも十分に学びを深められます。「なぜここに水たまりができるんだろう?」と問いかけてみると、地面の傾きやつぶの大きさに自然と目が向きます。
ビー玉やペットボトルの水平器は、特別な道具を使わずにできる簡単な実験です。実際に校庭や庭で試してみることで、教科書の中の「傾き」という言葉が、目に見える現象として実感できます。
近年増えている大雨による浸水被害とも関係の深い単元です。アスファルトやコンクリートで地面がおおわれると雨水がしみこまず流れる水が増えることは、ニュースで見る水害のしくみを理解する土台にもなります。