4年 理科 検流計の使い方

検流計の使い方 ── 針のふれる向きが、電流の向き

4年の電気の実験では、豆電球の明るさやモーターの回る速さを見くらべます。けれども明るさは目で見たかんじなので、「さっきより少し明るい」としか言えません。しかも、モーターが逆に回ったとき、何が逆になったのかは見ただけでは分かりません。そこで使うのが検流計(けんりゅうけい)です。この道具は、目に見えない電流の強さと向きを、いっぺんに針の動きで見せてくれます。

明るさでは、向きが分からない

かん電池と豆電球をつないで、かん電池の向きだけを入れかえてみます。豆電球はどうなるでしょうか。答えは「さっきと同じように光る」です。

ところが、同じことをモーターでやると、今度ははっきり変わります。回る向きが逆になるのです。つまり、かん電池の向きを変えたとき、回路の中では確かに何かが逆になっている。それなのに豆電球はそれを教えてくれない、ということです。

この「逆になっているもの」が電流の向きです。電流は、かん電池の+極から出て、導線を通って−極へもどっていく流れとして表します。目には見えませんが、確かに向きがあります。検流計は、その向きを針のかたむく方向で、強さを針のふれる大きさで表す道具です。1つの器具で2つのことが同時に分かる、というのがこの道具の値打ちです。

検流計のつくりを先に見る

学校で使うのはたいてい簡易検流計という名前のものです。上から見ると、まん中に目もりと針、下に2つのたんし(導線をつなぐ金具)、そしてその間に小さな切りかえスイッチがついています。

【簡易検流計を上から見たところ】     5 3 1 0 1 3 5     \ \ | | | / / ← 目もり          ↑          針(まん中が0)   [切りかえスイッチ]     豆電球(0.5A) ← 弱い電流をはかるとき     モーター(5A) ← 強い電流をはかるとき    (−たんし)   (+たんし)

まず目もりを見てください。ふつうのものさしとちがって、0がまん中にあり、左右の両方に数字がならんでいます。これは、針が右にも左にもふれるからです。右にふれたら電流はある向き、左にふれたら反対の向き。0がまん中にあること自体が、「この道具は向きもはかる」という宣言になっています。

次に切りかえスイッチです。ここには「豆電球(0.5A)」「モーター(5A)」のように書いてあります。Aはアンペアと読み、電流の強さを表す単位です。この2つは、はかれる範囲のちがいです。豆電球側は弱い電流をこまかく、モーター側は強い電流までまとめてはかれます。

回路を切って、その間に入れる

検流計のいちばん大事なきまりは、つなぎ方です。

検流計は、回路の一部としてつなぎます。もともとつながっていた導線を1か所はずし、そのすきまに検流計をはさみこむイメージです。電流は導線→検流計→導線と、検流計の中を通りぬけていきます。通りぬけるからこそ、強さと向きが分かるのです。

【正しいつなぎ方】  かん電池 ─── 検流計 ─── 豆電球 ─── かん電池へもどる       (回路の中を電流が通りぬける) 【やってはいけないつなぎ方】  かん電池 ─── 検流計 ─── かん電池へもどる       (豆電球もモーターもない = ショート)

やってはいけない方を見てください。かん電池と検流計だけでわっかを作ると、電流を使うもの(豆電球やモーター)がどこにもありません。すると電流が一気に流れこみ、針は勢いよく振り切れ、検流計がこわれます。かん電池も熱くなります。かん電池と検流計だけでつながない。これが最初に覚えるきまりです。

つなぐ前には、回路のどこか一か所を必ずはずしておきます。つなぎ終わってからスイッチを入れる、という順番を守ると、うっかり振り切れることがほとんどなくなります。

手順は4つ

実際の操作は、次の4つだけです。

① 水平なつくえの上に置き、針が0を指しているか見る ② 切りかえスイッチを、まず「モーター(5A)」側にする ③ 回路の一部として検流計をつなぎ、スイッチを入れる ④ 針のふれが小さすぎたら「豆電球(0.5A)」側に切りかえて読む

②が分かりにくいところなので説明します。なぜ強い方から始めるのでしょうか。それは、どれくらいの電流が流れるか、つなぐ前には分からないからです。いきなり弱い方(0.5A)にしておくと、思ったより強い電流が来たときに針が振り切れてしまいます。強い方から始めれば、まず安全に「だいたいこれくらい」が分かります。そのうえで、針のふれが小さくて読みにくければ、弱い方に切りかえてこまかく読みます。大は小をかねる、ではなく「安全な方から近づける」という考え方です。

①の水平も大切です。かたむいたところに置くと、針が自分の重さで少しずれます。はかる前に0を指していない検流計の数字は、全部その分だけずれています。

針のふれ方を読み取る

針が動いたら、2つのことを同時に読みます。

1つめは向きです。右にふれたか、左にふれたか。ここでかん電池の向きを入れかえて、もう一度つないでみてください。針は反対側にふれます。電池の向きを変えたことが、電流の向きを変えたことだと、これではっきり分かります。モーターが逆に回った理由も同じです。

2つめは大きさです。針が大きくふれるほど、強い電流が流れています。ここで注意するのは、切りかえスイッチの位置によって、同じ「3」でも意味がちがうことです。豆電球側の3と、モーター側の3は、表す電流の強さが10倍ちがいます。記録するときは数字だけでなく、どちら側にしていたかも書いておきます。書いていないノートは、あとから読み返しても比べられません。

読むときは、温度計と同じで真上または真横からまっすぐ見ます。ななめから見ると、針と目もりの間のわずかなすきまのせいで、実際とちがう数字を読んでしまいます。

直列と並列で、数字はこう変わる

検流計が本当に役に立つのは、かん電池2個のつなぎ方を比べるときです。教科書では「直列は明るい、並列は1個と同じ明るさ」と習いますが、明るさは目で見た感じなので、はっきりしません。検流計を入れると、次のような数字として出てきます。

つなぎ方針のふれ(目安)豆電球の明るさ電池のもち
かん電池1個1ふつうふつう
直列つなぎ2個約2(1個の2倍)明るい短い
並列つなぎ2個約1(1個と同じ)1個と同じ長い

この表のうち、目で見て分かるのは3列目だけです。並列にしても明るさが変わらないので、「並列は意味がないのでは」と思う子がよくいます。ところが検流計を見ると、並列では電流の大きさが1個のときと変わっていないことが分かり、さらに時間をおいて調べると、電池が長くもつことが分かります。見た目が同じでも、中で起きていることはちがう。それを数字で見せてくれるのが検流計です。

つまずきやすいところ

針が動かない。まず、回路のどこかが切れていないかを一か所ずつ調べます。導線がたんしのねじにしっかりはさまっていない、という理由がいちばん多いです。ビニルの部分をはさんでいると、見た目はつながっていても電流は通りません。

針が勢いよく振り切れた。すぐにスイッチを切ってください。ほとんどの場合、豆電球やモーターを通らない道(ショート)ができています。つなぎ方の図をもう一度見て、電流を使うものが回路の中に入っているか確かめます。

数字が人によってちがう。切りかえスイッチの位置がそろっていない可能性があります。班の中で、はかる前に「今どっち側?」と声に出して確認するだけでそろいます。

左にふれたから、値がマイナスだと思った。左にふれても電流の強さは同じです。ちがうのは向きだけです。記録では「左に2」「右に2」のように、向きと数をセットで書きます。

やってみよう

まとめ

おうちの方へ

4年の電気は、目に見えないものを器具の目もりに置きかえて考える、という抽象的な一歩を含んでいます。お子さんが「明るいからこっちが強い」で止まっているうちは、直列と並列のちがいはなかなか定着しません。ご家庭では、実験の話が出たときに「針はどっちにふれた?」「スイッチはどっち側だった?」と、結果ではなく条件のほうをたずねてみてください。条件を言葉にできるようになると、数字の意味が自分でつながり始めます。なお、乾電池を直接つなぎ合わせて遊ぶのは発熱の危険があるため、ご家庭での電池の実験は必ず豆電球やモーターを間に入れた形で行ってください。「電気のはたらき(4年)」「明かりがつかないとき(3年)」もあわせて読むと、回路を調べる手順としてひとつながりになります。