同じ2個のかん電池なのに、つなぎ方だけで結果が変わる。その理由を考えます。
3年生では「回路がつながれば豆電球がつく」ことを学びました。4年生では、もう一歩深く電流を調べます。
まず大事なのが、電流には向きがあるということです。
豆電球では向きは関係ありません。どちら向きでも光ります。ところがモーターを使うと、はっきり分かります。
これが、電流に向きがある証拠です。モーターは電流の向きを目に見えるようにしてくれる道具なのです。
この性質は、実際の製品にも使われています。電車が前にも後ろにも走れるのは、モーターに流す電流の向きを変えているからです。
電流の向きと大きさをはかる道具が検流計(かんいけんりゅうけい)です。
使い方には注意点があります。
かん電池に直接つながないのは絶対のルールです。豆電球やモーターが電流をおさえる役目をしているので、それがないと大きすぎる電流が流れます。
これは、水道のホースを思い出すと分かりやすいです。ホースの先を細くすると水の勢いが調整されますが、何もつけないと勢いよく出すぎてしまいます。
いよいよこの単元の中心です。かん電池2個のつなぎ方には2種類あります。
結果を比べてみましょう。
| 電池1個 | 直列2個 | 並列2個 | |
|---|---|---|---|
| 豆電球の明るさ | ふつう | 明るい | ふつう |
| モーターの速さ | ふつう | 速い | ふつう |
| 電流の大きさ | ふつう | 約2倍 | ふつう |
| 使える時間 | ふつう | ふつう | 約2倍 |
まとめると、こうなります。
これは、役割がちがうということです。どちらが優れているのではありません。
この結果を、水の流れにたとえて考えてみましょう。
直列は力を足し算する。並列は仕事を分け合う。この理解があれば、丸暗記の必要はありません。
直列が使われるもの
懐中電灯、リモコン、時計など。電池を2本並べて入れるタイプは、たいてい直列です。必要な電圧を得るためです。
並列が使われるもの
家の中のコンセント、部屋の照明。どれか一つを消しても、他は消えません。もし直列だったら、一つ切れると全部消えてしまいます。
昔のクリスマスの電球は直列だったので、1個切れると全部つかなくなりました。今は並列なので、そんなことは起きません。
4年生では、回路図という記号を使った図も学びます。
なぜ記号を使うのでしょうか。絵をかくより速く、正確に伝わるからです。
豆電球の絵を上手にかける必要はありません。⊗と書けば、誰にでも「豆電球」だと伝わります。
そして回路図には、もう一つの利点があります。つながり方だけに注目できることです。実物の写真では導線がぐちゃぐちゃに見えても、回路図にすればシンプルな形になります。
直列と並列も、回路図にすると一目で見分けられます。
「道が分かれるかどうか」──これが見分けるいちばんの手がかりです。
ここまでは電池のつなぎ方を見てきましたが、豆電球を2個つなぐ場合も同じ2種類があります。ただし、結果は電池のときと逆になります。
電池の直列は明るくなるのに、豆電球の直列は暗くなる。ここが混乱しやすいところです。
整理して考えましょう。電池は電流を押し出すもの、豆電球は電流の流れをじゃまするものです。
役割が逆なので、結果も逆になるのです。「何を直列にしたのか」を確かめるのが、混乱を防ぐコツです。
また、豆電球を並列にすると、1個を外しても、もう1個はついたままです。直列だと両方消えます。家の照明が並列なのは、この性質が必要だからです。
どちらが明るいか混乱する。
直列は力が足されるから明るい。並列は分担するから長持ち。意味で覚えると混ざりません。
こわれてしまう。
必ず豆電球やモーターと一緒に回路に入れます。電流をおさえるものが必要です。
電池の+どうしをつなぐのに抵抗がある。
並列では+どうし・-どうしをつなぎます。直列とは逆なので、確認しながら配線しましょう。
Q1 電流に向きがあることを、どうやって確かめられますか。
A モーターを使います。電池の向きを変えると、回る向きも変わります。
Q2 直列つなぎにすると、何が変わりますか。
A 電流が大きくなり、豆電球が明るく、モーターが速くなります。ただし電池は早くなくなります。
Q3 並列つなぎの利点は何ですか。
A 長く使えることです。2個の電池で仕事を分担するためです。
Q4 回路図で直列と並列を見分ける方法は?
A 道が分かれているかを見ます。一本道なら直列、分かれて合流するなら並列です。
直列と並列は、4年生理科の中でも特に混乱しやすい内容です。丸暗記させると必ず逆に覚えてしまうので、意味で理解させることが大切です。「力を足す」「仕事を分ける」という言い方が有効です。
実験キットがあれば、実際につないで明るさのちがいを見せるのが最も確実です。教科書の図だけでは実感がわきません。
身のまわりの例も効果的です。懐中電灯の電池の入れ方(たいてい直列)、家の照明(並列)。「もし家の電気が直列だったらどうなる?」と聞いてみると、並列のありがたさが分かります。
なお、電池の実験では乾電池を使い、コンセントの電気は絶対に使わないよう、安全面の指導もお願いします。