4年 理科 電気のはたらき

電気のはたらき ── 直列と並列で、なぜこんなに違うのか

同じ2個のかん電池なのに、つなぎ方だけで結果が変わる。その理由を考えます。

電流には向きがある

3年生では「回路がつながれば豆電球がつく」ことを学びました。4年生では、もう一歩深く電流を調べます。

まず大事なのが、電流には向きがあるということです。

かん電池の +極 → 導線 → 豆電球 → 導線 → -極 この向きに電流が流れる

豆電球では向きは関係ありません。どちら向きでも光ります。ところがモーターを使うと、はっきり分かります。

かん電池の向きを逆にすると… → モーターの回る向きも逆になる!

これが、電流に向きがある証拠です。モーターは電流の向きを目に見えるようにしてくれる道具なのです。

この性質は、実際の製品にも使われています。電車が前にも後ろにも走れるのは、モーターに流す電流の向きを変えているからです。

検流計で電流を調べる

電流の向きと大きさをはかる道具が検流計(かんいけんりゅうけい)です。

検流計で分かること ① 針のふれる向き → 電流の向き ② 針のふれる大きさ → 電流の大きさ

使い方には注意点があります。

・回路の途中につなぐ(直列に入れる) ・かん電池だけにつながない → 大きすぎる電流が流れて こわれてしまう ・切りかえスイッチは大きい方から (5A → 0.5A の順に試す)

かん電池に直接つながないのは絶対のルールです。豆電球やモーターが電流をおさえる役目をしているので、それがないと大きすぎる電流が流れます。

これは、水道のホースを思い出すと分かりやすいです。ホースの先を細くすると水の勢いが調整されますが、何もつけないと勢いよく出すぎてしまいます。

直列つなぎと並列つなぎ

いよいよこの単元の中心です。かん電池2個のつなぎ方には2種類あります。

【直列つなぎ】 電池を一列にならべる +-+- と、たがいちがいに ┌─電池─電池─┐ │ │ └──豆電球───┘ 【並列つなぎ】 電池を横にならべる +どうし、-どうしをつなぐ ┌─電池─┐ ├─電池─┤ └─豆電球┘

結果を比べてみましょう。

電池1個直列2個並列2個
豆電球の明るさふつう明るいふつう
モーターの速さふつう速いふつう
電流の大きさふつう約2倍ふつう
使える時間ふつうふつう約2倍

まとめると、こうなります。

直列 … 電流が大きくなる(強くなる) でも、電池は早くなくなる 並列 … 電流は1個のときと同じ でも、長く使える

これは、役割がちがうということです。どちらが優れているのではありません。

なぜそうなるのか

この結果を、水の流れにたとえて考えてみましょう。

【直列】 電池 = ポンプ ポンプを2台、一列につなぐ → 押す力が2倍になる → 水の勢いが強くなる でも、2台とも同じだけ働くので 燃料は同じ速さで減る
【並列】 ポンプを2台、横にならべる → 押す力は1台分のまま → 水の勢いは変わらない でも、2台で分担するので 1台あたりの負担は半分 → 長持ちする

直列は力を足し算する。並列は仕事を分け合う。この理解があれば、丸暗記の必要はありません。

身のまわりの使い分け

直列が使われるもの
懐中電灯、リモコン、時計など。電池を2本並べて入れるタイプは、たいてい直列です。必要な電圧を得るためです。

並列が使われるもの
家の中のコンセント、部屋の照明。どれか一つを消しても、他は消えません。もし直列だったら、一つ切れると全部消えてしまいます。
昔のクリスマスの電球は直列だったので、1個切れると全部つかなくなりました。今は並列なので、そんなことは起きません。

回路図をかく

4年生では、回路図という記号を使った図も学びます。

記号 かん電池 … ─┤├─(長い線が+) 豆電球 … ─⊗─ スイッチ … ─o o─ モーター … ─Ⓜ─ 導線 … ──

なぜ記号を使うのでしょうか。絵をかくより速く、正確に伝わるからです。

豆電球の絵を上手にかける必要はありません。⊗と書けば、誰にでも「豆電球」だと伝わります。

そして回路図には、もう一つの利点があります。つながり方だけに注目できることです。実物の写真では導線がぐちゃぐちゃに見えても、回路図にすればシンプルな形になります。

直列と並列も、回路図にすると一目で見分けられます。

直列 … 一本道(分かれ道がない) 並列 … 途中で分かれて、また合流する

「道が分かれるかどうか」──これが見分けるいちばんの手がかりです。

豆電球のつなぎ方も2種類

ここまでは電池のつなぎ方を見てきましたが、豆電球を2個つなぐ場合も同じ2種類があります。ただし、結果は電池のときと逆になります。

【豆電球を直列に2個】 ┌─電池─┐ │ │ └─⊗─⊗┘ → 電流の通り道が長く、通りにくくなる → 1個のときより暗い 【豆電球を並列に2個】 ┌─電池──┐ ├──⊗──┤ └──⊗──┘ → それぞれに電流が流れる → 1個のときと同じ明るさ → ただし電池は早く減る

電池の直列は明るくなるのに、豆電球の直列は暗くなる。ここが混乱しやすいところです。

整理して考えましょう。電池は電流を押し出すもの、豆電球は電流の流れをじゃまするものです。

直列に増やすと… 電池を増やす → 押す力が足される → 強くなる 豆電球を増やす → じゃまが足される → 弱くなる

役割が逆なので、結果も逆になるのです。「何を直列にしたのか」を確かめるのが、混乱を防ぐコツです。

また、豆電球を並列にすると、1個を外しても、もう1個はついたままです。直列だと両方消えます。家の照明が並列なのは、この性質が必要だからです。

つまずきやすいところ

その1 直列と並列を逆に覚える

どちらが明るいか混乱する。
直列は力が足されるから明るい。並列は分担するから長持ち。意味で覚えると混ざりません。

その2 検流計をかん電池に直接つなぐ

こわれてしまう。
必ず豆電球やモーターと一緒に回路に入れます。電流をおさえるものが必要です。

その3 並列つなぎの配線がうまくできない

電池の+どうしをつなぐのに抵抗がある。
並列では+どうし・-どうしをつなぎます。直列とは逆なので、確認しながら配線しましょう。

やってみよう

Q1 電流に向きがあることを、どうやって確かめられますか。

A モーターを使います。電池の向きを変えると、回る向きも変わります。

Q2 直列つなぎにすると、何が変わりますか。

A 電流が大きくなり、豆電球が明るく、モーターが速くなります。ただし電池は早くなくなります。

Q3 並列つなぎの利点は何ですか。

A 長く使えることです。2個の電池で仕事を分担するためです。

Q4 回路図で直列と並列を見分ける方法は?

A 道が分かれているかを見ます。一本道なら直列、分かれて合流するなら並列です。

まとめ

おうちの方へ

直列と並列は、4年生理科の中でも特に混乱しやすい内容です。丸暗記させると必ず逆に覚えてしまうので、意味で理解させることが大切です。「力を足す」「仕事を分ける」という言い方が有効です。
実験キットがあれば、実際につないで明るさのちがいを見せるのが最も確実です。教科書の図だけでは実感がわきません。
身のまわりの例も効果的です。懐中電灯の電池の入れ方(たいてい直列)、家の照明(並列)。「もし家の電気が直列だったらどうなる?」と聞いてみると、並列のありがたさが分かります。
なお、電池の実験では乾電池を使い、コンセントの電気は絶対に使わないよう、安全面の指導もお願いします。