情報はいくらでも手に入る時代です。だからこそ、選ぶ力が問われます。
調べ学習でいちばん最初にすることは、調べることではありません。何を知りたいかをはっきりさせることです。
問いの形にするのがコツです。「〜とは何か」「なぜ〜なのか」「どうやって〜しているのか」。
問いがはっきりすると、調べる範囲がしぼれます。逆に問いがあいまいだと、いくら調べても終わりません。
そして、問いを立てるにはちょっとした予備知識が要ります。まず本を1冊ざっと見て、面白そうなところを見つけてから問いを立てるとうまくいきます。
調べる方法はいくつもあります。それぞれ得意なことがちがいます。
| 方法 | 得意なこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 本・図鑑 | まとまった正確な情報 | 古い場合がある |
| 百科事典 | 基本を短時間で | くわしくはない |
| インターネット | 最新・大量 | まちがいも多い |
| インタビュー | 本にない生の話 | 準備が必要 |
| 見学・観察 | 自分の目で確かめる | 時間がかかる |
| アンケート | 身近な人の実態 | 質問の作り方が難しい |
一つの方法だけに頼らないのが大事です。本で調べたことを、実際に見に行って確かめる。インターネットで見つけたことを、本でも確認する。
とくにインターネットにはまちがった情報もあります。誰でも書けるからです。
同じことが複数の場所に書いてあるか──これがいちばんかんたんな確かめ方です。1か所だけの情報は、うのみにしないようにします。
調べたことを発表するとき、どこで調べたかを必ず書きます。これを出典といいます。
なぜ出典が必要なのでしょうか。理由は三つあります。
一つめは、他の人が確かめられるようにするため。「本当かな?」と思った人が、同じ資料を見て確認できます。
二つめは、書いた人への礼儀です。調べて書いてくれた人がいるから、自分は知ることができました。その人の名前を出すのは当然のことです。
三つめは、自分の考えと区別するためです。どこまでが調べたことで、どこからが自分の意見か。これが分かるようにしておく必要があります。
本やサイトの文章をそのまま写すのは、調べ学習ではありません。
調べたことは、自分の言葉で書き直すのが原則です。要約の力がここで役に立ちます。
どうしてもそのまま使いたいときは、「 」(かぎかっこ)でくくって、出典を示します。これを引用といいます。
引用は短く、必要な部分だけ。全体が引用だらけになったら、それは自分の作品ではありません。
調べたことが集まったら、発表の形にします。
説明文の構成と同じ形です。序論・本論・結論が発表でも使えます。
ここで大事なのが、調べたこと全部を話さないということです。
時間には限りがあります。5分の発表なら、話せるのは1000字くらい。調べたことの一部しか使えません。
この捨てる作業が、調べ学習でいちばん難しいところです。せっかく調べたのに、と思うかもしれません。でも、全部話すと何も伝わらないのです。
選ぶ基準は「最初に立てた問いに答えているか」です。問いに関係ないことは、面白くても外します。
内容がよくても、話し方で台なしになることがあります。
とくに「三つあります」と先に数を言うのは効果的です。聞き手が心の準備をでき、話の見通しが持てます。
資料を見せるときは、「これを見てください」と一言添えてから間を取ります。見せながらしゃべると、聞き手はどちらに集中していいか分かりません。
そして、練習は必ずする。時間を計って、声に出して。読むだけと声に出すのでは、まったくちがいます。
質問を受ける場面も想定しておきましょう。聞かれそうなことを先に考えておくと、あわてずにすみます。
答えられない質問が出たときは、正直に「そこは調べていません」と言えば大丈夫です。知ったかぶりをするより、はるかに信用されます。むしろ「次はそれを調べてみます」と言えれば立派です。
「宇宙について」では、いくら調べても終わらない。
問いの形にしぼります。「なぜ月は形が変わるのか」なら、調べる範囲がはっきりします。
時間オーバーで、結局何が言いたいか伝わらない。
問いに答えているかで選びます。捨てるのは失敗ではなく、必要な作業です。
どこで調べたか分からない発表になる。
調べながらメモに出典も記録しておきます。後から思い出すのは大変です。
Q1 調べ学習で最初にすることは何ですか。
A 問いを立てることです。「なぜ〜なのか」の形にすると調べる範囲が決まります。
Q2 インターネットの情報を確かめる方法は?
A 複数の場所で同じことが書かれているかを確かめます。書いた人・日付が分かるかも重要です。
Q3 なぜ出典を書くのですか。
A 他の人が確かめられるように、書いた人への礼儀として、自分の考えと区別するために書きます。
Q4 自分が気になることを一つ、問いの形にしてみましょう。
A 「〜とは何か」「なぜ〜なのか」の形に。そこから調べ学習が始まります。
調べ学習は、国語だけでなく総合的な学習や自由研究にも直結する技能です。そして大人になってからも使い続ける力でもあります。
お子さんがテーマ選びで迷っていたら、「問いの形にしてみたら?」と促してあげてください。「宇宙について」ではなく「なぜ月は形が変わるの?」。これだけで作業量が現実的になります。
情報の確かめ方は、これからの時代に不可欠な力です。インターネットの情報を疑う習慣は、早いうちから身につけたほうがよいでしょう。「他のところにも同じこと書いてある?」という一言が、その入り口になります。
発表の練習は、家族が聞き役になるのが最良です。時間を計って聞いてあげ、「ここが分かりにくかった」と率直に伝えると、大きく上達します。