意見文は感想文ではありません。理由で人を納得させる文章です。
意見文を書く前に、絶対に押さえておくことがあります。事実と意見のちがいです。
ここが混ざると、話がかみ合わなくなります。
「昨日は暑かった」は意見です。同じ32度でも、暑いと感じる人もいれば、そうでもないと感じる人もいます。意見には反対できます。
でも「昨日の最高気温は32度だった」は事実です。事実には反対できません。気に入らなくても、事実は事実です。
意見文で大事なのは、自分の意見を、事実で支えることです。
意見文には、決まった形があります。
①から③までが基本セットです。
①だけでは「そう思うんだね」で終わります。②があると理由が分かり、③があると本当らしさが増します。
③の根拠は、できるだけ事実で書くのがポイントです。数字や実例があると、説得力が大きく変わります。
4年生からは、④の反対意見への対応にも挑戦します。これができると、意見文の質が一段上がります。
「たしかに〜。しかし〜。」という形です。
なぜ反対意見にふれるのでしょうか。自分に都合のいいことだけ書く文章は、信用されないからです。
反対意見を先に認めると、読み手はこう感じます。「この人は、ちゃんと両方の面を考えている」。だから、かえって説得力が増すのです。
自分の意見に反対する人になりきって考えます。
「もし反対する人がいたら、何と言うだろう?」
お金がかかる、場所がない、他にもっと大事なことがある……。
思いついたものの中から、いちばん強そうな反対意見を選んで取り上げます。
弱い反対意見をわざと選んで反論するのは、ずるいやり方です。読み手にも見抜かれます。
同じ内容でも、書き方で伝わり方が変わります。
| 弱い書き方 | 強い書き方 |
|---|---|
| 〜だと思います | 〜だと考えます |
| たぶん〜でしょう | 〜です |
| ちょっと〜かも | 〜という問題があります |
| みんな言っています | 〜人にたずねたところ |
「思います」を連発すると、自信がなさそうに見えます。意見文では「考えます」を使うほうが、しっかりした印象になります。
また、「みんな」「たくさん」「すごく」といったあいまいな言葉は避けます。「みんな困っています」より「クラスの30人中22人が困ると答えました」のほうが、はるかに強い。
ただし、強く書きすぎるのも問題です。
自信を持って書くことと、決めつけることはちがいます。理由で納得させるのが意見文であって、強い言葉で押しきるものではありません。
いきなり書きはじめると、途中で行きづまります。準備が半分です。
とくに④の「根拠を探す」が重要です。ここで実際に調べたり数えたりすると、意見文の質がまったく変わります。
「図書室の本を増やすべき」なら、実際に予約状況を調べてみる。「廊下を走る人が多い」なら、休み時間に何人走ったか数えてみる。
自分で調べた事実は、いちばん強い根拠です。誰かの受け売りではなく、自分の目で確かめたことだからです。
意見文は、誰かに読んでもらうために書きます。だから、読み手が誰かによって書き方が変わります。
言いたいことは同じでも、相手が何を大事にしているかを考えて理由を選びます。
これは、ずるいことではありません。相手に届く言葉を選ぶのは、伝える努力です。
逆に、相手のことを考えずに書くと、どんなに正しくても届きません。「自分が言いたいこと」だけを並べるのではなく、「相手が納得できること」を考える。
意見文を書き終えたら、読み手になったつもりで読み返します。「これで納得できるかな?」「ここは分かりにくくないかな?」。この見直しが、文章の質を大きく変えます。
「〜でうれしかったです」で終わる。
意見文は提案や主張を述べるものです。「どうすべきか」「なぜそう考えるか」を書きます。
「なぜなら、わたしがそう思うからです」。
それは理由ではなく、くり返しです。他の人も納得できる理由を探します。事実を根拠にすると強くなります。
「みんな」「すごく」「たくさん」ばかり。
数字や具体例に置きかえます。調べる手間はかかりますが、その分だけ説得力が生まれます。
Q1 「今日は暑い」は事実ですか、意見ですか。
A 意見です。感じ方は人によってちがいます。「今日は35度だ」なら事実です。
Q2 意見文の基本の3つの要素は?
A 主張・理由・根拠です。「わたしは〜」「なぜなら〜」「実際に〜」の形です。
Q3 なぜ反対意見にふれるのですか。
A 両方の面を考えていることが伝わり、かえって説得力が増すからです。
Q4 「休み時間をのばすべきだ」という意見の根拠を、調べて集めてみましょう。
A 実際に何分かかるか計ってみる、クラスでアンケートを取るなど。自分で調べた事実が最強の根拠です。
意見文は、論理的に考える力を育てる単元です。中学・高校の小論文、そして社会に出てからの提案書にまでつながります。
お子さんが「思います」を連発するときは、「どうしてそう考えたの?」と聞いてあげてください。理由を言葉にする練習が、そのまま意見文の力になります。
とくに大切なのは、自分で調べる経験です。「本当にそうなの? 数えてみようか」と促すと、根拠のある主張ができるようになります。
家庭の話し合いも練習の場になります。「ゲームの時間を延ばしたい」という要求があったら、主張・理由・根拠の形で説明してもらう。実用的で、真剣に取り組めるテーマです。