4年 国語 新聞を読もう

新聞を読もう ── 見出し・リード文・記事の組み立てを知る

新聞は、なぜあんなに小さい文字でびっしり書かれているのに、忙しい大人でもさっと読めるのでしょうか。読む順番と組み立てが決まっているからです。

新聞は「逆三角形」でできている

物語や作文は、はじめ・なか・おわりの順に読みますね。新聞記事はちがいます。いちばん大事なことを最初に書きます。

新聞記事の組み立て(逆三角形) ① 見出し … 一言でまとめた題 ② リード文 … 最初の1〜2文。要点をぎゅっと ③ 本文 … くわしい説明 ④ 補足 … 関係者の話、背景など → 上にいくほど大事 → 下にいくほど細かい

この形を逆三角形と呼びます。三角形をさかさまにすると、上が広くて下がとがっていますね。新聞記事も同じで、上(見出し・リード文)にいちばん大事な情報が集まっているのです。

だから、忙しい人は見出しとリード文だけ読んでも、記事の中身がだいたい分かります。時間があれば本文まで読み進める。この仕組みのおかげで、新聞は速く読めるのです。

見出しの役目

見出しは、記事の題であり、看板です。短い言葉で、記事の中身を一言で伝えます。

よい見出しの条件 ・短い(10〜15字くらい) ・いちばん伝えたいことが分かる ・「だ・である」体で言い切る ・数字や固有名詞が入ると具体的

たとえば、学級新聞で運動会の記事を書くとします。

見出し伝わり方
運動会がありましたぼんやりしている。何があったか分からない
紅組が3年ぶりの優勝結果と数字が入り、具体的
大玉送りで大逆転いちばん盛り上がった場面が分かる

「ありました」だけの見出しは、実は何も伝えていないのです。何が起きたのか、結果はどうだったのかまで一言に詰め込むと、読みたくなる見出しになります。

リード文の役目

リード文は、見出しの次に読む最初の1〜2文です。ここに記事の要点をすべて詰め込みます。

要点を詰め込むときの目安が5W1Hです。

5W1H When … いつ Where … どこで Who … だれが What … 何を(何が) Why … なぜ How … どのように → すべてを1〜2文に詰め込む

例文で確かめてみましょう。

リード文の例

「10月12日、○○小学校の運動会が行われ、3年ぶりに紅組が優勝した。最終種目の大玉送りで大差をつけたことが決め手となった。」

この1文の中に、いつ(10月12日)・どこで(○○小学校)・だれが(紅組)・何が(優勝)・なぜ(大玉送りで差をつけた)が、ぎゅっと詰まっています。これだけ読めば、記事のあらすじが分かるように作られているのです。

事実と意見を区別して読む

新聞記事を読むときに、とても大事な力があります。「事実」と「意見・感想」を区別する力です。

事実 … 誰が見ても同じ。数字や記録で確かめられる 例)「参加した児童は120人だった」 意見・感想 … 書いた人の考え方によって変わる 例)「とても盛り上がった大会だった」

「120人だった」は数えれば誰でも同じ答えになります。しかし「とても盛り上がった」は、人によって感じ方が違うかもしれません。数字や記録は事実、気持ちや評価の言葉は意見という区別が目安になります。

新聞やニュースを読むとき、「これは事実かな、意見かな」と考えながら読む習慣をつけると、情報にふりまわされにくくなります。同じできごとでも、新聞社によって取り上げ方や意見の書き方が違うことがあるからです。

自分たちで新聞を作る

読む練習ができたら、次は作る番です。学級新聞や壁新聞づくりで、逆三角形の組み立てを使ってみましょう。

新聞づくりの手順 ① 取材する → いつ・どこで・だれが・何をしたか、メモを取る ② 記事にする内容を選ぶ → いちばん伝えたいことを1つに決める ③ 見出しを考える → 短く、具体的に ④ リード文を書く → 5W1Hを1〜2文に ⑤ 本文でくわしく説明する ⑥ 読み返して、事実と意見が ごちゃまぜになっていないか確認する

取材のときは、メモを先に、記事はあとで書くのがコツです。話を聞きながら記事の文章まで考えようとすると、大事なことを聞き逃してしまいます。まずは事実をたくさんメモし、あとでいちばん伝えたいことを1つに絞ってから書き始めます。

写真やイラストを入れるときも、説明(キャプション)を添えると分かりやすくなります。「何をしている場面か」が一言あるだけで、読み手の理解がぐっと深まります。

紙の新聞とインターネットのニュース

新聞は紙だけでなく、インターネットのニュースサイトでも同じ組み立てで書かれています。

紙の新聞ネットのニュース
見出しあるある(クリックする前に見える)
リード文あるある(見出しの下の説明文)
読む順番紙面を見て自分で選ぶおすすめ順に並んでいることが多い
発信元会社名がはっきり分かる誰が書いたか分かりにくいことがある

ネットのニュースは便利ですが、誰が発信しているか分かりにくい情報もまざっています。「これはどこの新聞社・放送局が出した記事かな」と発信元を確かめる習慣は、紙でもネットでも役立ちます。

つまずきやすいところ

その1 見出しだけで内容を決めつけてしまう

見出しは短いため、細かい事情が省かれています。
気になったら本文まで読む習慣をつけましょう。見出しだけで分かった気にならないことが大切です。

その2 意見を事実だと思いこむ

「すごい」「大成功だった」のような言葉を、そのまま事実だと受け取ってしまう。
それは書いた人の感想・評価です。数字や記録の部分と区別しましょう。

その3 新聞づくりで書きたいことを全部詰め込もうとする

取材したことを全部書こうとすると、逆三角形にならず、何が大事か分からなくなります。
いちばん伝えたいことを1つに絞る勇気が、読みやすい記事を作ります。

やってみよう

Q1 新聞記事の組み立てを、上から順に並べましょう。

A 見出し → リード文 → 本文 → 補足の順です。上にいくほど大事な情報が集まっています。

Q2 リード文には、どんな内容を詰め込みますか。

A 5W1H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)を1〜2文にまとめます。

Q3 「参加者は120人だった」と「とても盛り上がった」。事実はどちらですか。

A 「参加者は120人だった」です。数えれば誰でも同じ答えになるからです。もう一方は書いた人の感想です。

Q4 家族が読んでいる新聞やニュースアプリで、見出しとリード文を1つ探して読んでみましょう。

A 見出しだけで分かったことと、リード文まで読んで分かったことを比べてみると、逆三角形の仕組みが実感できます。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、家にある新聞やニュースアプリがそのまま教材になります。「この記事の見出しとリード文はどこ?」と聞くだけで、逆三角形の組み立てを実感できます。
スポーツの結果や天気予報のように、お子さんが興味を持てる記事から始めると、抵抗なく取り組めます。
学級新聞や壁新聞づくりの宿題が出たときは、「まず取材メモ、記事はあと」「伝えたいことを1つに絞る」の2点だけ声をかけてあげると、書きやすくなります。
また、ネットのニュースを見せるときは、「これはどこが発信している記事かな」と発信元を一緒に確認する習慣が、情報を見きわめる力の土台になります。