4年 国語 漢字の組み立て

漢字の組み立て ── 部首は意味の設計図、熟語は組み合わせのルール

漢字はむやみに覚えるものではありません。組み立てが分かると、覚える量がぐっと減ります。

部首は「意味の担当」

3年生で部首を学びました。4年生では、その働きをもっと深く見ていきます。

漢字の多くは、2つの部分からできています。

「清」= 氵(さんずい)+ 青 氵 … 意味を表す(水に関係する) 青 … 音を表す(セイと読む)

これを形声文字といいます。漢字の8割以上がこの形だと言われています。

だから、初めて見る漢字でも意味と読みの見当がつけられるのです。

「晴」 日+青 → 太陽に関係、セイと読む 「請」 言+青 → 言葉に関係、セイと読む 「精」 米+青 → 米に関係、セイと読む どれも「青」があるので「セイ」

この見方を持っていると、漢字がバラバラの記号ではなく、規則を持ったしくみに見えてきます。

部首の位置による名前

部首は、漢字の中のどこにあるかで呼び名が変わります。

位置名前
へん氵(さんずい)、扌(てへん)
つくり刂(りっとう)、頁(おおがい)
かんむり宀(うかんむり)、艹(くさかんむり)
あし心(したごころ)、灬(れっか)
左上から左下たれ广(まだれ)、疒(やまいだれ)
左から下にょう辶(しんにょう)、廴(えんにょう)
まわりかまえ囗(くにがまえ)、門(もんがまえ)

この7種類を知っておくと、漢字辞典が引きやすくなります。部首索引は、この分類で並んでいるからです。

そして、部首の意味を知ると漢字の意味が推測できます

扌(てへん) … 手の動作 持・打・投・押・拾 宀(うかんむり)… 家・建物 家・室・宿・安・守 疒(やまいだれ)… 病気 病・痛・疲・症

知らない漢字に出会っても、部首からだいたいの意味が分かる。これは強力な武器です。

熟語の組み立て

4年生では、漢字2字の熟語がどう組み立てられているかを学びます。5つのパターンがあります。

① 似た意味を重ねる

道路(道+路) 岩石(岩+石) 生産(生+産) 豊富(豊+富) → 同じような意味の字を重ねて、 意味を強めている

② 反対の意味を組み合わせる

左右(左←→右) 高低(高←→低) 売買(売←→買) 出欠(出←→欠) → 反対の字を並べて、 全体をまとめて表す

③ 上が下を修飾する

青空(青い空) 大木(大きな木) 急行(急いで行く) 新聞(新しく聞く) → 上の字が下の字を説明している

④ 下が上の目的・対象になる

読書(書を読む) 登山(山に登る) 着席(席に着く) 開会(会を開く) → 下から上へ返って読むと意味が通る

⑤ 上が下を打ち消す

不安(安らかで「ない」) 未定(まだ定まら「ない」) 無理(理が「ない」) 非常(常で「ない」) → 不・未・無・非 が打ち消しの印

この5つが分かると、知らない熟語の意味も推測できます。たとえば「退場」という熟語を見たら、④のパターンだと気づいて「場を退く」と読めるわけです。

熟語の読み方

熟語には、読み方のパターンもあります。

組み合わせ呼び名
音+音音読み学校(ガッコウ)
訓+訓訓読み青空(あおぞら)
音+訓重箱読み台所(ダイどころ)
訓+音湯桶読み手本(てホン)

ほとんどの熟語は音+音訓+訓です。だから、迷ったらまずこの2つを試すのが基本になります。

「重箱読み」「湯桶読み」という名前は、その読み方の代表例からきています。重箱は「ジュウ(音)+ばこ(訓)」、湯桶は「ゆ(訓)+トウ(音)」。名前自体がその読み方の例になっているのが面白いところです。

音読みと訓読みの見分け方も確認しておきましょう。

音読み … 聞いただけでは意味が分かりにくい 「セイ」「ドウ」「カン」 訓読み … 聞けば意味が分かる 「きよい」「みち」「かん(じる)」

音読みは中国から伝わった読み、訓読みは日本語の意味を当てた読みです。だから訓読みは意味が通じるのです。

漢字辞典を使いこなす

漢字の組み立てが分かると、漢字辞典が引けるようになります。引き方は3つあります。

① 音訓索引 … 読み方が分かるとき ② 部首索引 … 部首が分かるとき ③ 総画索引 … どちらも分からないとき

いちばん速いのは①ですが、読めない漢字を調べたいときは使えません。そこで②か③を使います。

②の部首索引を使うには、部首を見分ける力が必要です。ここで、この単元で学んだことが役に立ちます。

③の総画索引は、画数を正確に数える必要があります。筆順を知っていると数えやすいので、日ごろから正しい筆順で書く習慣が効いてきます。

今はスマートフォンで手書き入力すれば漢字が調べられます。でも、部首から意味を推測する力は、辞典を引くためだけのものではありません。初めて見る言葉の意味を考える力そのものなのです。

三字・四字の熟語

漢字2字だけでなく、3字や4字の熟語もあります。これも組み立てで理解できます。

【三字熟語】 ① 1字 + 2字 不+可能 → 不可能 新+学期 → 新学期 大+自然 → 大自然 ② 2字 + 1字 運動+会 → 運動会 図書+室 → 図書室 歴史+的 → 歴史的 ③ 1字 + 1字 + 1字 衣食住、松竹梅、市町村

三字熟語は、どこで切れるかを考えるのがポイントです。「不可能」は「不+可能」であって「不可+能」ではありません。意味を考えれば分かります。

【四字熟語】 ・2字 + 2字 の形が多い 一石+二鳥、以心+伝心 ・意味を1つのまとまりで表す 十人十色 は 「人はそれぞれちがう」という意味

四字熟語には、昔の話や教えがこめられているものが多くあります。「一石二鳥」なら「1つの石で2羽の鳥を落とす」=1つの行動で2つの得をすること。

由来を知ると意味が忘れられなくなるので、気になった四字熟語は調べてみるとよいでしょう。

つまずきやすいところ

その1 部首がどれか分からない

「読」の部首は言か売か迷う。
意味を担当しているほうが部首です。「読む」は言葉に関係するので「言(ごんべん)」。迷ったら意味から考えます。

その2 熟語の構成が判断できない

5つのパターンのどれか分からない。
訓読みで読んでみるのが有効です。「読書」なら「書を読む」と読めるので④。「青空」なら「青い空」なので③です。

その3 漢字を形だけで覚えようとする

似た漢字を混同する。
部首の意味とセットで覚えます。「晴」は日があるから天気、「清」は水があるからきよい。意味で区別すると混ざりません。

やってみよう

Q1 「河」の部首と、その意味は?

A 氵(さんずい)で水に関係する意味。「可」は音(カ)を表しています。

Q2 「作文」はどの構成ですか。

A 「文を作る」と読めるので④下が目的のパターンです。

Q3 「明暗」はどの構成ですか。

A 明るいと暗いは反対なので②反対の意味の組み合わせです。

Q4 扌(てへん)のつく漢字を5つ書いてみましょう。

A 持・打・投・拾・押など。すべて手の動作を表しています。

まとめ

おうちの方へ

漢字は暗記科目だと思われがちですが、実際には規則性の高い文字体系です。組み立てを理解すると、覚える負担が大きく減ります。
とくに形声文字の考え方(意味の部分+音の部分)は、4年生以降の漢字学習を根本から楽にします。「青のつく漢字はセイと読む」といった発見を、一緒に探してみてください。
熟語の構成は、中学入試や中学の国語でも問われる内容です。ただ暗記するのではなく、訓読みして意味を確かめる方法を教えると、応用が利きます。
漢字辞典は、一冊手元にあると学習の質が変わります。調べる過程で周辺の漢字も目に入り、知識が広がるためです。電子辞書やアプリより、紙の辞典のほうがこの効果は高くなります。