漢字はむやみに覚えるものではありません。組み立てが分かると、覚える量がぐっと減ります。
3年生で部首を学びました。4年生では、その働きをもっと深く見ていきます。
漢字の多くは、2つの部分からできています。
これを形声文字といいます。漢字の8割以上がこの形だと言われています。
だから、初めて見る漢字でも意味と読みの見当がつけられるのです。
この見方を持っていると、漢字がバラバラの記号ではなく、規則を持ったしくみに見えてきます。
部首は、漢字の中のどこにあるかで呼び名が変わります。
| 位置 | 名前 | 例 |
|---|---|---|
| 左 | へん | 氵(さんずい)、扌(てへん) |
| 右 | つくり | 刂(りっとう)、頁(おおがい) |
| 上 | かんむり | 宀(うかんむり)、艹(くさかんむり) |
| 下 | あし | 心(したごころ)、灬(れっか) |
| 左上から左下 | たれ | 广(まだれ)、疒(やまいだれ) |
| 左から下 | にょう | 辶(しんにょう)、廴(えんにょう) |
| まわり | かまえ | 囗(くにがまえ)、門(もんがまえ) |
この7種類を知っておくと、漢字辞典が引きやすくなります。部首索引は、この分類で並んでいるからです。
そして、部首の意味を知ると漢字の意味が推測できます。
知らない漢字に出会っても、部首からだいたいの意味が分かる。これは強力な武器です。
4年生では、漢字2字の熟語がどう組み立てられているかを学びます。5つのパターンがあります。
この5つが分かると、知らない熟語の意味も推測できます。たとえば「退場」という熟語を見たら、④のパターンだと気づいて「場を退く」と読めるわけです。
熟語には、読み方のパターンもあります。
| 組み合わせ | 呼び名 | 例 |
|---|---|---|
| 音+音 | 音読み | 学校(ガッコウ) |
| 訓+訓 | 訓読み | 青空(あおぞら) |
| 音+訓 | 重箱読み | 台所(ダイどころ) |
| 訓+音 | 湯桶読み | 手本(てホン) |
ほとんどの熟語は音+音か訓+訓です。だから、迷ったらまずこの2つを試すのが基本になります。
「重箱読み」「湯桶読み」という名前は、その読み方の代表例からきています。重箱は「ジュウ(音)+ばこ(訓)」、湯桶は「ゆ(訓)+トウ(音)」。名前自体がその読み方の例になっているのが面白いところです。
音読みと訓読みの見分け方も確認しておきましょう。
音読みは中国から伝わった読み、訓読みは日本語の意味を当てた読みです。だから訓読みは意味が通じるのです。
漢字の組み立てが分かると、漢字辞典が引けるようになります。引き方は3つあります。
いちばん速いのは①ですが、読めない漢字を調べたいときは使えません。そこで②か③を使います。
②の部首索引を使うには、部首を見分ける力が必要です。ここで、この単元で学んだことが役に立ちます。
③の総画索引は、画数を正確に数える必要があります。筆順を知っていると数えやすいので、日ごろから正しい筆順で書く習慣が効いてきます。
今はスマートフォンで手書き入力すれば漢字が調べられます。でも、部首から意味を推測する力は、辞典を引くためだけのものではありません。初めて見る言葉の意味を考える力そのものなのです。
漢字2字だけでなく、3字や4字の熟語もあります。これも組み立てで理解できます。
三字熟語は、どこで切れるかを考えるのがポイントです。「不可能」は「不+可能」であって「不可+能」ではありません。意味を考えれば分かります。
四字熟語には、昔の話や教えがこめられているものが多くあります。「一石二鳥」なら「1つの石で2羽の鳥を落とす」=1つの行動で2つの得をすること。
由来を知ると意味が忘れられなくなるので、気になった四字熟語は調べてみるとよいでしょう。
「読」の部首は言か売か迷う。
意味を担当しているほうが部首です。「読む」は言葉に関係するので「言(ごんべん)」。迷ったら意味から考えます。
5つのパターンのどれか分からない。
訓読みで読んでみるのが有効です。「読書」なら「書を読む」と読めるので④。「青空」なら「青い空」なので③です。
似た漢字を混同する。
部首の意味とセットで覚えます。「晴」は日があるから天気、「清」は水があるからきよい。意味で区別すると混ざりません。
Q1 「河」の部首と、その意味は?
A 氵(さんずい)で水に関係する意味。「可」は音(カ)を表しています。
Q2 「作文」はどの構成ですか。
A 「文を作る」と読めるので④下が目的のパターンです。
Q3 「明暗」はどの構成ですか。
A 明るいと暗いは反対なので②反対の意味の組み合わせです。
Q4 扌(てへん)のつく漢字を5つ書いてみましょう。
A 持・打・投・拾・押など。すべて手の動作を表しています。
漢字は暗記科目だと思われがちですが、実際には規則性の高い文字体系です。組み立てを理解すると、覚える負担が大きく減ります。
とくに形声文字の考え方(意味の部分+音の部分)は、4年生以降の漢字学習を根本から楽にします。「青のつく漢字はセイと読む」といった発見を、一緒に探してみてください。
熟語の構成は、中学入試や中学の国語でも問われる内容です。ただ暗記するのではなく、訓読みして意味を確かめる方法を教えると、応用が利きます。
漢字辞典は、一冊手元にあると学習の質が変わります。調べる過程で周辺の漢字も目に入り、知識が広がるためです。電子辞書やアプリより、紙の辞典のほうがこの効果は高くなります。