3年 社会 事故や事件からくらしを守る

事故や事件からくらしを守る ── 安全は、作られている

信号、カーブミラー、ガードレール。どれも誰かが考えて設置したものです。安全は自然にあるのではありません。

110番のしくみ

前の単元で119番を学びました。110番も、似た仕組みです。

110番通報 ↓ 【通信指令室】が受ける(各都道府県に1か所) ↓ ├→ 近くのパトカーへ無線で指示 ├→ 交番・警察署へ連絡 ├→ 必要なら消防・救急へも連絡 └→ 場所を地図で特定

110番も、通信指令室につながります。そこから、現場にいちばん近いパトカーに無線で指示が出ます。

面白いのは、パトカーの位置が常に分かっていることです。GPSで管理されているので、どのパトカーが近いかすぐ判断できます。

そして119番と110番の違いも整理しておきます。

番号かける相手こんなとき
119消防・救急火事、けが、急病
110警察事故、事件、不審者、道に迷った

交通事故では、両方に連絡することもあります。けが人がいれば119番、事故の処理は110番。指令室どうしが連携するので、どちらにかけても大丈夫です。

警察の仕事は広い

警察というと「犯人をつかまえる」イメージですが、仕事はもっと広いです。

仕事内容
パトロール町を回って、事故や事件を防ぐ
交通整理・取りしまり安全な交通のため
事故の処理けが人の保護、原因の調査
事件の捜査調べて解決する
相談を受ける困りごと、トラブル
落とし物届いた物の管理、持ち主探し
道案内交番でよく聞かれる
安全教室学校で交通安全を教える

とくにパトロールが重要です。事件が起きてから動くのではなく、起きないように見回る

これは予防という考え方です。消防でも「火事を防ぐ」ことが大事でした。起きてから対応するより、起こさないほうがよい──共通する考え方です。

そして、交番の役割も大きいです。町のあちこちにあり、すぐ相談できる場所になっています。道に迷ったとき、落とし物をしたとき、こわい思いをしたとき。子どもでも入れる場所です。

町の中の安全設備

町を歩くと、安全のための設備がたくさんあります。意識すると見えてきます

設備目的
信号機車と人が同時に進まないようにする
横断歩道渡る場所を決めて、ドライバーに知らせる
ガードレール車が歩道に入らないようにする
カーブミラー見えない先を映して見せる
点字ブロック目の不自由な人を安全に導く
ゾーン30の標識住宅街で速度を30km以下に
歩道の段差車道と歩道を区別する
街灯夜道を明るくして犯罪を防ぐ
防犯カメラ犯罪の抑止と記録

ここで大事な問いがあります。「なぜここにあるのか」です。

カーブミラーは、どこにでもあるわけではありません。見通しの悪い曲がり角にあります。信号機も、交通量の多い交差点にあります。

つまり、危ない場所を調べて、そこに設置しているのです。

そして、設置には理由と手続きがあります。事故が多い場所、住民から要望があった場所。市や警察が調べて、必要と判断して初めて設置されます。

安全は、勝手にあるのではなく、作られている──これがこの単元の核心です。

地域の人が守る

警察だけでなく、地域の人も安全を守っています。

取り組みだれが内容
こども110番の家お店や住民危ないとき、逃げこめる家
登下校の見守り地域のボランティア、保護者横断歩道に立つ、付きそう
防犯パトロール自治会、PTA町を回る
交通安全教室警察、交通安全協会学校で教える
子ども見守り隊地域の高れい者など登下校時に立つ

とくに「こども110番の家」は、覚えておくべき大事な仕組みです。

黄色いステッカーが貼ってある家やお店は、危ないときに逃げこめる場所です。「知らない人についてこられた」「こわい思いをした」というとき、そこへ駆けこめば助けてもらえます。

だから、通学路のどこにあるか知っておくことが大事です。この単元では、地図に書き込む活動をします。

また、見守りをしてくれている人はボランティアです。仕事ではなく、地域の子どものために立ってくれています。

あいさつをすることは、感謝を伝えるだけでなく、顔を覚えてもらうことにもなります。顔見知りが増えると、それだけで安全が高まります。

自分でできること

設備や人に守られるだけでなく、自分でできることもあります。

交通事故を防ぐ

事件から身を守る

「いかのおすし」という合言葉があります。

い … いかない(知らない人について) か … のらない(車に) の お … おおごえを出す す … すぐにげる し … しらせる(大人に)

この5つを覚えておくと、いざというときに行動できます。知っているだけで違います

そして、大声を出す練習もしておくとよいでしょう。いざというとき、声が出ない子は多いです。防犯ブザーを持っている場合は、すぐ鳴らせる場所に付けておきます。

つまずきやすいところ

その1 警察=犯人をつかまえる、だけ

仕事の広さに気づかない。
パトロール・相談・落とし物・道案内など、身近な仕事を挙げます。「交番に行ったことある?」と聞くと、道を聞いた経験などが出てきます。

その2 設備を「あって当たり前」と思う

カーブミラーや信号を、風景の一部としか見ていない。
「なぜここにあるの?」と問います。見通しが悪い、交通量が多い。理由があって設置されていると気づかせます。

その3 自分は関係ないと思う

守られる側としか考えていない。
飛び出さない、あいさつをする。自分にもできることがあります。
とくに「いかのおすし」は、自分の身を守る具体的な行動です。

やってみよう

Q1 110番と119番、それぞれどんなときにかけますか。

A 110番は事故・事件、119番は火事・けが・急病

Q2 カーブミラーは、どんな場所にありますか。それはなぜですか。

A 見通しの悪い曲がり角。見えない先を映して、事故を防ぐためです。

Q3 「いかのおすし」の意味を言えますか。

A いかない・のらない・おおごえ・すぐにげる・しらせる。

Q4 通学路にある「こども110番の家」を確認しましょう。

A 黄色いステッカーが目印です。場所を覚えておくことが大事です。

Q5 交通事故がいちばん起きやすいのは、1日のうちいつごろだと思いますか。

A 夕方(16時〜18時ごろ)。暗くなり始めて見えにくく、下校や帰宅で人も車も多い時間です。

Q5は意外に思うかもしれませんが、統計で分かっている事実です。真っ暗な夜より、暗くなり始めの時間帯が危ないのです。

理由は、ドライバーの目がまだ暗さに慣れていないことと、まだライトを点けていない車があることです。歩行者からは車が見えていても、車から歩行者は見えていない──この「見え方の差」が事故を生みます。

だから、夕方は特に注意が必要です。明るい色の服を着る、反射材をつける、いつも以上に左右を確認する。データを知ると、行動が変わります。これも社会科の学び方の一つです。

まとめ

おうちの方へ

この単元をきっかけに、通学路を一緒に歩いてみてください。「こども110番の家」の場所、危ない交差点、カーブミラーの位置。実際に確認しておくと、いざというときに役立ちます。
また「いかのおすし」は、言葉だけでなく行動として練習しておくと効果的です。「大声を出す」は、いざとなると出ないものです。家で一度声を出してみるだけでも違います。
防犯ブザーを持たせている場合は、すぐ鳴らせる位置にあるか、電池が切れていないか確認してください。ランドセルの奥にしまってあっては意味がありません。
見守りボランティアの方へのあいさつも、ぜひ習慣にしてください。顔見知りが増えることが、いちばんの安全対策になります。