図書館で本を読んでも、公園で遊んでも、お金はかかりません。「ただ」なのに、建物はこわれず、遊具はさびつかずに、ずっとそこにあるのはなぜでしょうか。
「学校のまわり」で地図を見たとき、公園や図書館、公民館のような建物が出てきました。「地いきにつたわるお祭りと年中行事」でも、お祭りの準備に公民館が使われている話がありました。
これらはどれも、特定の会社やお店のものではなく、地いきのみんなが使えるようにつくられた場所です。このような場所を、まとめて公共施設(こうきょうしせつ)と呼びます。この単元では、公共施設そのものを正面から調べます。
図書館や公園、体育館、公民館はよく知られた公共施設です。でも、それだけではありません。
| 公共施設 | どんな場所か |
|---|---|
| 児童館 | 放課後や休みの日に、子どもが遊んだり勉強したりできる場所 |
| 保健センター | けんしんを受けたり、育児の相談をしたりする場所 |
| 市民プール | だれでも予約や受付をして水泳ができる場所 |
| ごみ処理場・下水処理場 | まち全体のごみや水をきれいにする、見えにくい公共施設 |
実は、これまでの単元で学んだ消防署や警察署も公共施設の一つです。「みんなのために、税金で作られ、だれかの利益のためではなく運営されている」という点が、すべての公共施設に共通しています。
市役所の中にある「子育て支援課」や「道路課」が計画した仕事の多くは、最後にこうした建物や設備という形になって、わたしたちの前にあらわれます。ごみ処理場のように、ふだんは目にする機会が少ない公共施設ほど、どんな仕組みで動いているのか、気づきにくいものです。
映画館や遊園地、ゲームセンターも、たくさんの人が利用する施設です。これらは民間施設と呼ばれ、公共施設とは仕組みがまったくちがいます。
| 公共施設 | 民間施設 | |
|---|---|---|
| 目的 | 住民の生活を支える | 利益を得る |
| お金の出どころ | 税金 | 入場料・利用料 |
| 使える人 | 住んでいる人なら、だれでも | お金を払った人 |
| 利益が出ないとき | 税金で補い、残ることが多い | 閉店することがある |
遊園地は、お客さんが来なくなれば閉じてしまうことがあります。しかし図書館は、利用者が少ない日があっても、簡単には閉じません。それは、お客さんの数で成り立っているのではなく、住民みんなの税金で成り立っているからです。
公共施設は、市が税金を使って建てます。そして、建てたあとも、だれかが毎日守らなければ、すぐに古くなったり、きたなくなったりしてしまいます。
公共施設で働く人には、市役所と同じ公務員(こうむいん)もいますが、最近は指定管理者(していかんりしゃ)という仕組みも増えています。これは、市が選んだ民間の会社に、施設の運営だけを任せる仕組みです。
市民プールの受付をしているのが、市の職員ではなく、スポーツ用品の会社の人だった、ということがあります。
これは施設の持ち主(市)と、日々の運営(民間の会社)が分かれているためで、持ち主が市であることは変わりません。
だれが働いていても、公共施設の目的は同じです。利用する人からお金をもうけることではなく、施設を清潔に、安全に、使いやすく保つことが仕事の中心になります。
図書館や公園は無料で使えますが、体育館や公民館の会議室は、予約をして料金をはらう場合があります。この差はどこから来るのでしょうか。
公園や道路のようにだれもがいつでも使うものは無料にして、使いたい人がいつでも立ち寄れるようにしています。一方、体育館を1時間だけ貸し切るような特定の人が決まった時間だけ使うものは、使う人にも少し費用を負担してもらい、施設の維持費の一部にあてています。
つまり「みんなが同時にうっすらと使うもの」か「一部の人がまとまった時間を独占して使うもの」かで、無料か有料かが分かれていると考えると分かりやすくなります。
公共施設も、時間がたてば古くなります。壁が割れたり、水道管がさびたりすると、修繕(しゅうぜん)が必要になり、ここにも税金が使われます。
さらに、まわりに住む人の数が大きく減った地いきでは、近くに2つあった児童館を1つにまとめる統廃合(とうはいごう)が行われることもあります。利用する人が少ないままの施設を2つ維持するより、1つにまとめて質を上げたほうが、税金を有効に使えると考えられるためです。
ただし、統廃合が決まると、今まで近所にあった施設が遠くなってしまう住民もいます。「市役所の仕事」で学んだとおり、こうした変化も話し合いと予算を経て決まっていきます。公共施設は、一度作ったら終わりではなく、作ったあとも、守り続け、見直し続けるものなのです。
図書館や公園は無料ですが、体育館の貸し切りや一部のプールには料金がかかることがあります。
無料のものと有料のものがどちらもあると覚え直します。
建物は古くなり、修繕されたり、近くの施設と統廃合されたりします。
作ったあとも手入れや見直しが続いていることを確認します。
公務員だけでなく、市から任された民間の会社の人が働いていることもあります。
持ち主(市)と、日々の運営をする人は分かれていることがあると理解します。
Q1 図書館や公園以外の公共施設を2つ挙げてください。
A 児童館・保健センター・市民プール・ごみ処理場など(消防署・警察署も公共施設の一つ)。
Q2 公共施設と民間施設の、いちばんのちがいは何ですか。
A 公共施設は住民の生活を支えること、民間施設は利益を得ることを目的にしている点。
Q3 公共施設の中にも有料のものがあるのはなぜですか。
A 一部の人が決まった時間だけ独占して使うものは、利用する人にも維持費の一部を負担してもらうため。
Q4 建物が古くなった公共施設には、どんなことが起きますか。
A 修繕(しゅうぜん)が行われたり、利用が少ない施設どうしで統廃合(とうはいごう)されたりすることがある。
この単元は「市役所の仕事」の内容を、具体的な建物・場所の視点から深める単元です。お住まいの地いきの児童館や公民館を利用する機会があれば、「これも公共施設だよ」「だれが掃除してくれているんだろう」と話してみると、税金と自分の生活のつながりを実感しやすくなります。
また、近所の施設が建て替えや統廃合の話題になったニュースがあれば、「使う人の数」と「お金の使われ方」の両方の視点で一緒に考えてみるのもおすすめです。