3年 社会 公共施設

公共施設 ── みんなのための場所は、だれが、どうやって守っているのか

図書館で本を読んでも、公園で遊んでも、お金はかかりません。「ただ」なのに、建物はこわれず、遊具はさびつかずに、ずっとそこにあるのはなぜでしょうか。

前の単元とのつながり

「学校のまわり」で地図を見たとき、公園や図書館、公民館のような建物が出てきました。「地いきにつたわるお祭りと年中行事」でも、お祭りの準備に公民館が使われている話がありました。

これらはどれも、特定の会社やお店のものではなく、地いきのみんなが使えるようにつくられた場所です。このような場所を、まとめて公共施設(こうきょうしせつ)と呼びます。この単元では、公共施設そのものを正面から調べます。

公共施設にはどんなものがあるか

図書館や公園、体育館、公民館はよく知られた公共施設です。でも、それだけではありません。

公共施設どんな場所か
児童館放課後や休みの日に、子どもが遊んだり勉強したりできる場所
保健センターけんしんを受けたり、育児の相談をしたりする場所
市民プールだれでも予約や受付をして水泳ができる場所
ごみ処理場・下水処理場まち全体のごみや水をきれいにする、見えにくい公共施設

実は、これまでの単元で学んだ消防署や警察署も公共施設の一つです。「みんなのために、税金で作られ、だれかの利益のためではなく運営されている」という点が、すべての公共施設に共通しています。

市役所の中にある「子育て支援課」や「道路課」が計画した仕事の多くは、最後にこうした建物や設備という形になって、わたしたちの前にあらわれます。ごみ処理場のように、ふだんは目にする機会が少ない公共施設ほど、どんな仕組みで動いているのか、気づきにくいものです。

公共施設と民間施設(みんかんしせつ)のちがい

映画館や遊園地、ゲームセンターも、たくさんの人が利用する施設です。これらは民間施設と呼ばれ、公共施設とは仕組みがまったくちがいます。

公共施設民間施設
目的住民の生活を支える利益を得る
お金の出どころ税金入場料・利用料
使える人住んでいる人なら、だれでもお金を払った人
利益が出ないとき税金で補い、残ることが多い閉店することがある

遊園地は、お客さんが来なくなれば閉じてしまうことがあります。しかし図書館は、利用者が少ない日があっても、簡単には閉じません。それは、お客さんの数で成り立っているのではなく、住民みんなの税金で成り立っているからです。

だれが作り、だれが守っているか

公共施設は、市が税金を使って建てます。そして、建てたあとも、だれかが毎日守らなければ、すぐに古くなったり、きたなくなったりしてしまいます。

公共施設で働く人には、市役所と同じ公務員(こうむいん)もいますが、最近は指定管理者(していかんりしゃ)という仕組みも増えています。これは、市が選んだ民間の会社に、施設の運営だけを任せる仕組みです。

身近な例で考える

市民プールの受付をしているのが、市の職員ではなく、スポーツ用品の会社の人だった、ということがあります。
これは施設の持ち主(市)と、日々の運営(民間の会社)が分かれているためで、持ち主が市であることは変わりません。

だれが働いていても、公共施設の目的は同じです。利用する人からお金をもうけることではなく、施設を清潔に、安全に、使いやすく保つことが仕事の中心になります。

使うときのルール ── 無料と有料のちがい

図書館や公園は無料で使えますが、体育館や公民館の会議室は、予約をして料金をはらう場合があります。この差はどこから来るのでしょうか。

公園や道路のようにだれもがいつでも使うものは無料にして、使いたい人がいつでも立ち寄れるようにしています。一方、体育館を1時間だけ貸し切るような特定の人が決まった時間だけ使うものは、使う人にも少し費用を負担してもらい、施設の維持費の一部にあてています。

つまり「みんなが同時にうっすらと使うもの」か「一部の人がまとまった時間を独占して使うもの」かで、無料か有料かが分かれていると考えると分かりやすくなります。

古くなったら、どうなるか

公共施設も、時間がたてば古くなります。壁が割れたり、水道管がさびたりすると、修繕(しゅうぜん)が必要になり、ここにも税金が使われます。

さらに、まわりに住む人の数が大きく減った地いきでは、近くに2つあった児童館を1つにまとめる統廃合(とうはいごう)が行われることもあります。利用する人が少ないままの施設を2つ維持するより、1つにまとめて質を上げたほうが、税金を有効に使えると考えられるためです。

ただし、統廃合が決まると、今まで近所にあった施設が遠くなってしまう住民もいます。「市役所の仕事」で学んだとおり、こうした変化も話し合いと予算を経て決まっていきます。公共施設は、一度作ったら終わりではなく、作ったあとも、守り続け、見直し続けるものなのです。

つまずきやすいところ

その1 公共施設は全部無料だと思ってしまう

図書館や公園は無料ですが、体育館の貸し切りや一部のプールには料金がかかることがあります。
無料のものと有料のものがどちらもあると覚え直します。

その2 公共施設はずっと同じ建物で変わらないと思ってしまう

建物は古くなり、修繕されたり、近くの施設と統廃合されたりします。
作ったあとも手入れや見直しが続いていることを確認します。

その3 公共施設で働く人はみんな市役所の職員だと思ってしまう

公務員だけでなく、市から任された民間の会社の人が働いていることもあります。
持ち主(市)と、日々の運営をする人は分かれていることがあると理解します。

やってみよう

Q1 図書館や公園以外の公共施設を2つ挙げてください。

A 児童館・保健センター・市民プール・ごみ処理場など(消防署・警察署も公共施設の一つ)。

Q2 公共施設と民間施設の、いちばんのちがいは何ですか。

A 公共施設は住民の生活を支えること、民間施設は利益を得ることを目的にしている点。

Q3 公共施設の中にも有料のものがあるのはなぜですか。

A 一部の人が決まった時間だけ独占して使うものは、利用する人にも維持費の一部を負担してもらうため。

Q4 建物が古くなった公共施設には、どんなことが起きますか。

A 修繕(しゅうぜん)が行われたり、利用が少ない施設どうしで統廃合(とうはいごう)されたりすることがある。

まとめ

おうちの方へ

この単元は「市役所の仕事」の内容を、具体的な建物・場所の視点から深める単元です。お住まいの地いきの児童館や公民館を利用する機会があれば、「これも公共施設だよ」「だれが掃除してくれているんだろう」と話してみると、税金と自分の生活のつながりを実感しやすくなります。
また、近所の施設が建て替えや統廃合の話題になったニュースがあれば、「使う人の数」と「お金の使われ方」の両方の視点で一緒に考えてみるのもおすすめです。