大きいほうが重い、とはかぎりません。目で見ても分からないから、はかりという道具が必要になります。
長さは目で見えます。かさも、入れものを見ればだいたい分かります。でも重さは、見ただけでは分かりません。
これは子どもにとって大きな発見です。それまでは「大きい=多い=重い」と考えていたのに、その関係がくずれます。
だから、持ってみるか、はかるしかないのです。
そして、持ってみても正確には分かりません。「こっちのほうが重い気がする」程度です。だから、はかりという道具が必要になる──これが測定の出発点です。
| 単位 | 読み方 | 身近な例 |
|---|---|---|
| g | グラム | 1円玉=1g、たまご1個=約60g |
| kg | キログラム | 1Lの水=1kg、ランドセル=約1kg |
| t | トン | 自動車1台=約1t、ゾウ=約5t |
ここで気づいてほしいのが、1000ずつ大きくなっていることです。
長さは「1cm=10mm、1m=100cm、1km=1000m」とバラバラでしたが、重さはすべて1000倍できれいにそろっています。
これは覚えやすい反面、桁が大きく飛ぶので換算のミスが起きやすいところでもあります。「3kgは3000g」──0を3つつける、と確実に覚えておきます。
重さの感覚をつかむのに、1円玉がとても便利です。1円玉はぴったり1gに作られています。
10枚で10g、100枚で100g。手のひらにのせて「これが100gか」と体感できます。
また、1Lの水=1kgも覚えておくと便利です。牛乳パック1本が約1kg。かさと重さがつながる、大事な知識です。
はかりには、いろいろな種類があります。3年生では主にばねばかり(アナログの台ばかり)を使います。
読み方のコツは、長さやかさとまったく同じです。
とくに③1目もりの大きさが重要です。同じ見た目のはかりでも、1kgまでのものと10kgまでのものでは、1目もりの意味がまったく違います。
この「1目もりを確かめる」手順は、ものさし・ます・数直線・はかりのすべてで共通です。測定の基本中の基本といえます。
はかりで数値を出す前に、てんびんを使う活動もあります。
てんびんは、数値は分からないが、どちらが重いかは確実に分かる道具です。
これは1年生の「おおきさくらべ」の直接くらべる方法と同じです。
そして、てんびんには面白い使い方があります。片方に1円玉を積んでいくのです。
1円玉が1gなので、枚数がそのままグラム数になります。てんびんだけで重さがはかれるのです。
これは1年生の「いくつ分ではかる」の応用です。同じ重さのものが何個分かを数えている──測定の考え方は、長さでも重さでも変わりません。
重さも、たし算・ひき算ができます。
ここでもくり上がりの仕組みが出てきます。ただし、繰り上がる数が1000である点に注意です。
| 単元 | くり上がる数 |
|---|---|
| 整数のひっ算 | 10 |
| 長さ(mm→cm) | 10 |
| かさ(dL→L) | 10 |
| 時間(分→時間) | 60 |
| 重さ(g→kg) | 1000 |
単位ごとにくり上がる数が違う──ここが子どもを混乱させます。
混乱を防ぐには、単位をすべてgにそろえてから計算する方法もあります。
こちらのほうが確実です。小さいほうの単位にそろえるのは、5年生・6年生でも使う定石です。
この単元でいちばん育てたいのが、だいたいの重さが分かる感覚です。
| もの | だいたいの重さ |
|---|---|
| 1円玉 | 1g |
| たまご1個 | 約60g |
| りんご1個 | 約300g |
| 牛乳1L | 約1kg |
| ランドセル(中身なし) | 約1kg |
| 小学3年生 | 約30kg |
| 自動車 | 約1t |
この感覚があると、答えがおかしいことに気づけます。「りんご1個は3kg」と答えたら、明らかに変です。3kgは牛乳3本分。りんごがそんなに重いはずがありません。
感覚を育てるには、予想してからはかるのが効果的です。「これ何gだと思う?」→「はかってみよう」。予想と結果のずれが、感覚を修正してくれます。
とくに自分の体重を基準にすると分かりやすいです。「自分が30kg。だから100kgは自分3人分以上」。知っている重さと比べるのがコツです。
「3kg=300g」としてしまう。
1kg=1000g、0が3つと確実に覚えます。長さの1cm=10mm(0が1つ)と混同しやすいので注意です。
はかりの目もりを、いつも同じだと思ってしまう。
はかるたびに1目もりを確認。「大目もりが100gで、その間に10個の小目もりがあるから1目もりは10g」と、声に出して確かめます。
「大きいほうが重い」と思い込む。
実物で確かめるのが最も効果的です。大きな空き箱と小さな石を持ちくらべさせると、一発で分かります。
Q1 2kg500g は何gですか。
A 2000+500=2500g。
Q2 3800g は何kg何gですか。
A 3kg800g。1000gずつまとめると3つできて、800g残ります。
Q3 1kg200g + 900g は?
A gにそろえて 1200+900=2100g=2kg100g。
Q4 1円玉を10枚のせると、はかりは何gを指しますか。
A 10g。1円玉はちょうど1gです。
Q5 入れものに入れて量ったら1kg200gでした。入れものだけの重さが300gのとき、中身は何gですか。
A 1200-300=900g。全体から入れものの分を引きます。
Q5のように、入れものごと量って、あとから入れものの重さを引くという考え方があります。粉や液体など、直接はかりにのせられないものを量るときに使います。
この「入れものの重さ」を風袋といいます。キッチンスケールには、ボタン1つで風袋を0にする機能がついているものが多く、料理をする人はいつもこれを使っています。
算数の問題としては単なるひき算ですが、実際の場面で必要になったから生まれた工夫です。こういう例を知ると、算数が生活の道具だと実感できます。
重さの学習は、キッチンスケールがあれば家庭で十分にできます。料理の材料を量る、荷物を量る、自分の持ち物を量る。数をこなすほど感覚が育ちます。
おすすめは「予想してから量る」ことです。「このりんご何gだと思う?」と聞いてから量ると、ずれが記憶に残ります。
1円玉が1gという事実は、ぜひ教えてあげてください。財布から何枚か出して手のひらにのせるだけで、グラムという単位が体感できます。
また、単位換算で0の数を間違える子は多いです。長さは10、かさは10や100、重さは1000。単位ごとに違うので混乱します。「重さは全部1000」とまとめて覚えるのが確実です。