3年 算数 三角形のまわりの長さ

二等辺三角形・正三角形のまわりの長さ ── 辺の数だけかけ算すれば、1本ずつ足さなくていい

三角形のまわりの長さは、3つの辺をたし算すれば求まります。これだけなら新しいことはありません。でも、二等辺三角形や正三角形は同じ長さの辺が2本・3本ある特別な三角形でした。同じ数をたし算するときは、かけ算に直すほうが早くて間違いにくい──2年生で習ったこの考え方を、三角形のまわりの長さにも使ってみます。

まわりの長さは、3つの辺をたし算したもの

図形のまわりの長さとは、図形のまわりを1周したときの、全部の辺の長さの合計です。三角形には辺が3本あるので、まわりの長さは3つの辺をたし算すれば求まります。

たとえば、3辺が4cm・6cm・7cmの三角形があるとします。この3つの長さはすべて違うので、たし算以外の近道はありません。

3辺がすべて違う三角形(4cm・6cm・7cm) まわりの長さ = 4 + 6 + 7 = 17(cm)

このように、3辺の長さがバラバラな三角形では、1本ずつたし算するのがいちばん確実な方法です。ここまでは、とくに難しいことはありません。

二等辺三角形は「2辺×1辺」に直せる

二等辺三角形は、2つの辺の長さが等しい三角形でした。たとえば、等しい辺が5cm・5cm、残りの辺(底辺)が3cmの二等辺三角形を考えます。

たし算で求めると、5+5+3=13cmです。ここで、最初の「5+5」の部分に注目します。同じ数を2回たすのは、2年生で習ったかけ算の意味そのものです。「5+5」は「5×2」に直せます。

二等辺三角形(等しい辺5cm・5cm、底辺3cm) たし算のまま :5 + 5 + 3 = 13(cm) かけ算に直す :5 × 2 + 3 = 13(cm)

答えはどちらも同じ13cmです。でも、等しい辺の数が増えても(正三角形のように3本すべて等しい場合)、かけ算に直す方法ならたし算の回数が増えません。これが近道の価値です。

正三角形は「1辺×3」で一気に求まる

正三角形は、3つの辺がすべて等しい三角形でした。1辺が6cmの正三角形なら、6+6+6=18cmですが、同じ数を3回たすのは「6×3」と同じ意味です。

正三角形(1辺6cm) たし算のまま :6 + 6 + 6 = 18(cm) かけ算に直す :6 × 3 = 18(cm)

正三角形では、辺の長さが1つ分かれば、それだけでまわりの長さが求まります。たし算を3回するより、かけ算を1回するほうが、計算ミスも起きにくくなります。

ここでいちばん大事なのは、「辺が何本あるか」より「同じ長さの辺が何本あるか」でかける数を決めるということです。正三角形は辺が3本だから3をかけるのではなく、等しい辺が3本だから3をかけられるのです。

反対に、まわりの長さから1辺の長さを求める

かけ算で求める式は、逆からも使えます。まわりの長さが分かっていて、1辺の長さを求める問題です。これはわり算になります。

正三角形 まわりの長さが21cmのとき、1辺は? 1辺 = 21 ÷ 3 = 7(cm)

二等辺三角形の場合は、先に底辺の長さを引いてから2でわります。底辺を先に取りのぞかないと、正しい答えになりません。

二等辺三角形 まわりの長さが19cm、底辺が5cmのとき、等しい辺は? 底辺をのぞく :19 - 5 = 14(cm)← 等しい辺2本分 1本の長さ  :14 ÷ 2 = 7(cm)

「まわりの長さ÷辺の数」と単純にわってしまうと、底辺の分までわってしまい、正しい答えになりません。等しい辺の合計だけを取り出してから、2でわるのが正しい順序です。

正方形と比べて、仲間を広げる

この「等しい辺の数だけかける」考え方は、三角形だけのものではありません。2年生で習った正方形も、4つの辺がすべて等しい図形でした。正方形のまわりの長さも、1辺の長さが分かれば「1辺×4」で求まります。

図形等しい辺の数まわりの長さの式
正三角形3本(全部)1辺 × 3
正方形4本(全部)1辺 × 4
二等辺三角形2本(一部)等しい辺 × 2 + 底辺

表を見ると、すべての辺が等しい図形は「1辺×辺の数」で一気に求まり、一部だけ等しい図形は、等しい部分だけをかけ算してから残りをたすという、同じ考え方でできていることが分かります。この「等しい辺の数だけかける」考え方は、5年生で習う正五角形・正六角形など、すべての辺が等しい「正多角形」にもそのまま使えます。1辺4cmの正六角形なら、辺は6本すべて等しいので、4×6=24cmと、たし算を1回もせずに求められます。

身のまわりにも、等しい辺を持つ三角形があります。三角形の旗や、おにぎりの三角の形、三角定規などです。三角定規をよく見ると、1まいは直角二等辺三角形(等しい辺が2本)、もう1まいは3つの角がすべて違う三角形になっています。どちらの三角定規でも、辺の長さを調べて「等しい辺が何本あるか」を確認すれば、この近道が使えるかどうかが分かります。

つまずきやすいところ

その1 二等辺三角形で3本ともかけ算してしまう

二等辺三角形は「等しい辺が2本」なので、等しいのはそのうちの2本だけです。
底辺(残りの1本)までかけ算の中に入れてしまい、「5×3」のように間違えるケースがよくあります。等しい辺だけをかけ算し、底辺は別にたすのが正しい順序です。

その2 3辺がすべて違う三角形にもかけ算を使おうとする

近道(かけ算)が使えるのは、等しい長さの辺が2本以上あるときだけです。3辺がすべて違う三角形には近道はなく、3つの辺をそのままたし算します。かけ算に直せるかどうかは、計算をする前に辺の長さを確認してから判断します。

その3 逆算で底辺を引き忘れる

「まわりの長さ÷2」のように、底辺を引かずにいきなり2でわってしまう間違いです。
まずまわりの長さから底辺をひいて、等しい辺2本分だけを取り出すのが先、わり算はその後です。

やってみよう

Q1 3辺が8cm・8cm・5cmの二等辺三角形のまわりの長さは何cmですか。

A 8×2+5=21cmです。

Q2 1辺が7cmの正三角形のまわりの長さは何cmですか。

A 7×3=21cmです。

Q3 まわりの長さが27cmの正三角形の1辺は何cmですか。

A 27÷3=9cmです。

Q4 まわりの長さが24cmの二等辺三角形で、底辺が10cmのとき、等しい辺1本の長さは何cmですか。

A まず底辺をひいて24-10=14cm。これが等しい辺2本分なので14÷2=7cmです。

Q5 3辺が4cm・5cm・6cmの三角形のまわりの長さは何cmですか。

A 3辺がすべて違うので、かけ算の近道は使えません。4+5+6=15cmです。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、三角形の性質(二等辺三角形・正三角形)と、かけ算の意味(同じ数のたし算はかけ算に直せる)という、2つの単元のつながりを体験する良い機会です。公式として「等しい辺×2+底辺」を覚えさせる前に、まずたし算で答えを出させ、そのあとで「同じ数をたしているところ」を自分で見つけさせてあげてください。
逆算の問題(まわりの長さから1辺を求める)でつまずく場合は、紙に実際の長さで三角形を描かせ、底辺とそれ以外の辺を色分けすると、どこを先にひくべきかが見えやすくなります。