3年 算数 長さ(km)

長さ(km)──「道のり」と「きょり」はちがう

新しい単位kmと、新しい2つの言葉。似ているようで、まったく違うものを区別します。

kmという単位

2年生ではcmとmmを学びました。1年生から数えると、長さの単位はこれで4つになります。

1 cm = 10 mm 1 m = 100 cm 1 km = 1000 m

km(キロメートル)は、mの1000倍です。「キロ」は「1000倍」を表す言葉で、kg(キログラム)の「キロ」と同じです。

単位使う場面
mmとても小さいものけしゴムの厚さ
cm身のまわりのものノート、身長
m部屋や建物教室の横幅、プール
km町や市の広がり学校までの道のり、市の端から端

kmが必要になるのは、mでは数が大きくなりすぎるからです。「学校まで1500m」より「1.5km」のほうが分かりやすい。単位は、扱いやすい大きさにするために増えていくのです。

道のりときょり

この単元の核心が、この2つの言葉の区別です。

言葉意味
道のり道にそって進んだ長さ
きょりまっすぐ測った長さ(直線)
学校 ● ┃ ━━━━━┫ ← 道のり(道にそって) ┃ ●家 家 ━━━━━━━● 学校 ↑ きょり(まっすぐ)

家から学校まで、道は曲がっています。その曲がった道にそって歩いた長さが「道のり」

一方、家と学校を地図の上でまっすぐ結んだ長さが「きょり」です。

そして、必ずこうなります。

道のり ≧ きょり (道がまっすぐなときだけ、道のり=きょり)

道のりは、きょりより短くなることはありません。まっすぐが最短だからです。

これは当たり前のようですが、大事な性質です。「近道」を探すというのは、道のりをきょりに近づけようとしていることなのです。

地図で確かめる

この違いは、地図を見ると一目瞭然です。
地図上で家と学校を定規で結ぶ(きょり)、次に通学路を指でたどる(道のり)。明らかに道のりのほうが長いことが分かります。
3年生の社会科でも地図を学ぶので、算数と社会がつながる場面です。

まきじゃくを使う

長い長さを測るには、ものさしでは足りません。そこでまきじゃく(巻き尺)を使います。

まきじゃくの特徴は3つあります。

とくに「曲がったものが測れる」のが重要です。ものさしは硬いので、まっすぐなものしか測れません。まきじゃくなら、木の幹のまわりや、曲がった道も測れます。

使うときの注意点も、ほかの測定器具と同じです。

  1. 0の目もりを端に合わせる 金具の分だけずれることがある
  2. たるませない ぴんと張って測る
  3. 1目もりを確認する まきじゃくによって違う
  4. 真上から読む

とくに「たるませない」は、まきじゃく特有の注意点です。やわらかいので、たるむと実際より長く出てしまいます。

2人で測るときは、片方が0を押さえ、もう片方が引っぱって読む。協力が必要な作業です。

1kmを体感する

kmは大きい単位なので、実感がわきにくいのが問題です。

そこで、実際に1kmを歩いてみる活動をします。

歩く速さ … 1分間に約60〜80m 1km歩くのに … 約12〜15分 → 1kmは「10分ちょっと歩く長さ」

この「時間で覚える」のが実用的です。「学校まで15分」なら、だいたい1km。

ほかにも、基準を持っておくと便利です。

ものだいたいの長さ
25mプール25m
校庭のトラック1周約150〜200m
1kmを歩く時間約12〜15分
マラソン42.195km
地球1周約4万km

プール何本分という表し方も分かりやすいです。1km=25mプール40本分。

また、「歩いて何分」は不動産の広告でも使われる表現です(不動産では1分=80mで計算します)。生活の中で使われている知識だと分かると、興味が持てます。

単位の計算

長さの計算も、同じ単位どうしでそろえるのが基本です。

1km500m + 800m mにそろえる: 1500 + 800 = 2300m kmに直す: 2300m = 2km300m

単位換算で気をつけたいのが、単位ごとにくり上がる数が違うことです。

換算倍率
mm → cm10
cm → m100
m → km1000

長さは10・100・1000とバラバラです。重さがすべて1000だったのとは対照的で、ここが混乱のもとになります。

覚え方としては、mm→cmだけが10、あとは100と1000と整理しておきます。あるいは、迷ったら小さい単位にそろえると決めておけば、換算の回数が減ります。

地図と結びつける

この単元は、3年生の社会科と深くつながっています。社会でも同じ時期に「学校のまわり」で地図を学ぶからです。

地図には縮尺があります。「実際の距離を、何分の1に縮めて描いたか」を示すものです。

地図の下にある目もり 0 100 200m ├────┼────┤ この長さが実際の200mにあたる

3年生では縮尺の計算まではしませんが、「地図は縮めて描いたもの」と知っておくことは大事です。

そして、この目もりを使えば地図上できょりが測れます。地図に定規をあてて、目もりと見くらべる。簡単ですが、立派な測定です。

道のりを測るには、糸やひもを使う方法があります。道にそって糸を置き、それをまっすぐ伸ばして測る。曲がった長さを直線に直す──これは1年生の「間接くらべ」の応用です。

こうして地図と算数を結びつけると、「学校まで何km?」が自分で調べられるようになります。単なる計算問題ではなく、実際に使える知識になります。

なお、縮尺の計算は6年生の「拡大図と縮図」で本格的に学びます。今のうちに地図に親しんでおくと、そのときスムーズです。

つまずきやすいところ

その1 道のりときょりを取り違える

問題文をよく読まずに答えてしまう。
「道にそって」なら道のり、「まっすぐ」ならきょり。問題文のキーワードに線を引く習慣をつけます。

その2 単位換算の倍率を間違える

「1km=100m」としてしまう。
1km=1000m。kgと同じ「キロ=1000倍」だと結びつけて覚えます。

その3 1kmの感覚がない

「学校まで50km」など、現実離れした答えを書く。
実際に歩いて体感するのが最も効果的です。それが難しければ、地図アプリで距離を確認するだけでも感覚がつきます。

やってみよう

Q1 2km400m は何mですか。

A 2000+400=2400m

Q2 3500m は何km何mですか。

A 3km500m。1000mずつまとめると3つできて、500m残ります。

Q3 家から学校まで、道のりが900m、きょりが600mでした。どちらが長い?なぜ?

A 道のりが長い。道が曲がっているぶん、まっすぐより長くなります。

Q4 1km歩くのに、だいたい何分かかりますか。

A 約12〜15分。歩く速さによって違いますが、この見当を持っておくと便利です。

まとめ

おうちの方へ

1kmの感覚は、実際に歩いてみるのが一番です。休日に「ここから1km歩いてみよう」とやってみてください。地図アプリで距離を確認しながら歩くと、時間と距離の関係も分かります。
また、道のりときょりの違いは、地図を見せると一発で理解できます。地図アプリで自宅と学校を表示し、直線距離とルート距離を比べてみてください。数字で違いが出るので納得しやすいです。
単位換算については、長さは10・100・1000とバラバラで混乱しやすいところです。「キロは1000倍」だけは、kmもkgも共通なので、そこを軸に覚えさせると整理しやすくなります。
なお、この単元は5年生の「速さ」の土台になります。「1kmを15分で歩く」という感覚が、後の時速の理解を助けます。