けたが増えるだけなら簡単です。でも「1000-368」のような問題で、多くの子が止まります。
3年生では、4けたのたし算・ひき算のひっ算を学びます。
やることは2年生とまったく同じです。右から順に、位ごとに計算する。位が1つ増えただけです。
ひっ算の優れているところは、まさにここにあります。けたが何個増えても、やり方を覚え直す必要がない。5けたでも6けたでも、同じ手順が使えます。
気をつけるのは、けたが増えるほどミスの機会も増えることです。
だからこそ、マス目ノートを使う、くり上がりは必ず書くという基本が、いっそう重要になります。
この単元でいちばん多くの子がつまずくのが、0が並ぶ数からのひき算です。
借りたい相手が全部0。ここで手が止まります。
順を追って見てみましょう。
1000を「999と1」に分けて考えると楽になります。
999からのひき算はくり下がりがまったく起きません。9-3、9-6、9-8。どの位も引けます。あとで1を足すだけ。
この方法は、暗算でも使えます。「きりのよい数から引くときは、1つ小さい数で計算して、あとで1を足す」。おつりの計算などで、大人も無意識に使っているやり方です。
1000円札1枚で368円の買い物をする場面です。
1000円札を出すと、店員さんは1円玉10枚、10円玉10枚…と両替してから引くわけではありません。「632円のおつり」とすぐ出てきます。
それは「368円に何を足したら1000円になるか」を考えているからです。これも有効な考え方で、4年生以降の暗算につながります。
けたが増えるほど、答えが合っているか自分では分からなくなります。だから検算が必要です。
| 計算 | 検算のしかた |
|---|---|
| たし算 A+B=C | C-B=A になるか |
| ひき算 A-B=C | C+B=A になるか |
たし算とひき算は、たがいに逆の関係です。1年生から繰り返し出てきた考え方が、ここでも使えます。
もう一つ、だいたいの見当をつける方法もあります。
検算は時間がかかりますが、見当をつけるのは数秒です。テストでは、まず見当で確認し、時間があれば検算という使い分けが実用的です。
3年生では、簡単な計算は暗算でできるようにもなります。ひっ算を書かずに済ませる工夫です。
きりのよい数で計算して、あとで調整する。198より200のほうが計算しやすいからです。
位ごとに分けて計算し、最後に合わせる。ひっ算と同じことを、頭の中でやっています。
2年生で学んだ「10を作る」の応用です。足し算は順番を変えてよいので、計算しやすい組み合わせを先に見つけます。
暗算はできなくても困りませんが、できると計算が速くなり、見当をつける力も育ちます。「もっと楽な方法はないか」と考える習慣そのものが、算数の力です。
4けたの計算は、生活の中では主にお金で使われます。
2500円のゲームと、1280円の本を買いました。合わせていくら?
2500 + 1280 = 3780円
5000円持っています。3780円使うと、残りはいくら?
5000 - 3780 = 1220円
2つめの問題は、まさに0が並ぶ数からのひき算です。「5000-3780」──日常でよく出会う計算です。
ここでも、4999から引いて1を足す方法が使えます。4999-3780=1219、+1で1220。
あるいは、「3780にいくら足すと5000か」と考えても求められます。3780+220=4000、4000+1000=5000。だから220+1000=1220。
解き方は1つではありません。自分に合った方法を見つけることも、この単元の学びです。
「1000-368」で手が動かない。
999に直して計算し、あとで1を足す方法を教えます。この方法なら、くり下がりが1回も起きません。
4けたと3けたの計算で、右はしがそろわない。
マス目ノートを使う、または足りない位に0を書く。2年生からの対策がそのまま有効です。
答えを出して終わりにしてしまう。
まずは見当をつけるだけでも構いません。「だいたい600くらいのはず」と分かっていれば、答えが1632になったときに気づけます。
Q1 2000 - 745 を計算しましょう。
A 1999-745=1254、+1で 1255。
Q2 Q1の答えを検算しましょう。
A 1255+745=2000。元にもどったので正解です。
Q3 297 + 56 を暗算で。
A 300+56=356、-3で 353。きりのよい数を使います。
Q4 48 + 75 + 52 を暗算で。
A 48と52で100。100+75=175。順番を変えると楽になります。
Q5 5000円で3200円の買い物をしました。おつりはいくらですか。
A 4999-3200=1799、+1で 1800円。あるいは3200に800足して4000、さらに1000足して5000。だから1800円。
Q5のように、解き方はいくつもあります。ひっ算で解いてもよいし、999の方法でもよいし、足していく方法でもよい。答えが合っていれば、どれも正解です。
大事なのは、自分がまちがえにくい方法を持っていることです。ひっ算が確実な子はひっ算で、暗算が得意な子は暗算で。人によって合う方法がちがうのは当然です。
ただし、どの方法を使うにしても答えの見当だけはつけておく。5000円で3200円なら、おつりは2000円弱のはず。この感覚があれば、大きなまちがいには気づけます。
「1000-368」でつまずくのは、決してめずらしいことではありません。3回連続でくり下がるという、手順の中でもっとも複雑な操作だからです。
「999から引いて、あとで1を足す」という方法は、ぜひ教えてあげてください。くり下がりが一度も起きないので、格段に楽になります。大人が暗算でおつりを計算するときも、無意識にこれに近いことをしています。
また、買い物のときにおつりを計算させるのは、この単元の最高の練習です。「1000円出したらおつりいくら?」と聞くだけで、実践的な暗算力が育ちます。
検算については、全問やる必要はありません。「だいたいいくつになりそう?」と見当をつける習慣だけでも、桁違いのミスはほぼ防げます。