3年 算数 分数

分数 ── 1より小さい数を、はじめて式で書く

2年生では「半分」を表すだけでした。3年生では分数が「数」になります。計算もできるようになります。

2年生からの進化

2年生3年生
扱う分数1/2、1/4(1つ分だけ3/4、5/8(いくつ分
言葉「2分の1」分母・分子
表し方図で数直線でも
計算しない同分母のたし算・ひき算

いちばん大きな変化は、分数が「数」として扱われることです。図で「これくらい」と示すものから、数直線に位置を持ち、計算できる対象になります。

分母と分子

分数を作る2つの数に、名前がつきます。

3 ← 分子(ぶんし):いくつ分か ─── 4 ← 分母(ぶんぼ):いくつに分けたか
名前意味覚え方
分母いくつに等分したか下にあって全体を支える=母
分子そのうちいくつ分か母の上にのっている=子

「4分の3」は、4等分した1つ分が3こという意味です。

┌─┬─┬─┬─┐ │■│■│■│ │ 4等分して、そのうち3こ分 └─┴─┴─┴─┘ ↑ 1/4 が3こ = 3/4

ここで大事なのが、「1/4がいくつ分か」という見方です。3/4は「1/4の3こ分」。

この見方ができると、分数の計算がすっと分かります。1/4を1つの単位として数えているのです。これを単位分数といいます。

分数を数直線にのせる

3年生の大きな一歩が、分数を数直線の上に置くことです。

0 1/4 2/4 3/4 1 ├────┼────┼────┼────┤ 0と1の間を4等分している

これで分かることがいくつもあります。

とくに 4/4=1 は重要な発見です。4等分したものを4つ全部集めれば、元の1にもどります。

同じように、3/3も5/5も、すべて1です。分母と分子が同じなら1

また、数直線に置くことで分数も整数と同じ「数」の仲間だと分かります。整数だけが並んでいた数直線に、その間を埋める数が現れた──これは数の世界が広がる瞬間です。

分数の大小くらべ

分数をくらべるとき、3年生では分母が同じ場合だけを扱います。

2/5 と 4/5 をくらべる 1/5 が 2こ と 1/5 が 4こ → 4このほうが多い → 4/5 が大きい

分母が同じなら、分子が大きいほうが大きい。単位が同じなので、個数をくらべるだけです。

では、分子が同じで分母が違う場合はどうでしょうか。

1/3 と 1/5 をくらべる 3等分した1つ分 と 5等分した1つ分 → 3等分のほうが大きい → 1/3 が大きい

2年生で学んだ「分ける数が多いほど1つ分は小さい」が、ここでも効いてきます。

ただし、分母も分子も違う場合(2/3と3/5など)は、3年生ではまだ扱いません。5年生の通分で解決します。

同じ分母のたし算・ひき算

3年生では、分母が同じ分数どうしの計算ができるようになります。

2/5 + 1/5 = 3/5 考え方: 1/5 が 2こ + 1/5 が 1こ = 1/5 が 3こ = 3/5

ポイントは、分母はそのまま、分子だけを計算することです。

なぜ分母を足さないのか。分母は「単位」だからです。

2cm + 1cm = 3cm (cmは足さない) 2こ + 1こ = 3こ (こは足さない) 2/5 + 1/5 = 3/5 (5は足さない)

「2cm+1cm=3cm」で、cmを足して「2cm」にしないのと同じです。分母は単位の名前だと考えると、納得できます。

ひき算も同じです。

4/7 - 2/7 = 2/7 1/7 が 4こ から 2こ引いて 2こ

そして、こんな計算も出てきます。

1 - 3/5 = ? 1 = 5/5 と考える 5/5 - 3/5 = 2/5

1を分数に直すのがコツです。分母を5にそろえるため、1を5/5と書きかえます。これは5年生の通分の入り口でもあります。

身のまわりの分数

分数は生活のあちこちにあります。

場面分数
1時間の半分1/2時間=30分
1時間の4分の11/4時間=15分
1mの3分の1約33cm
ピザを8等分して3切れ食べた3/8
料理の「小さじ1/2」小さじ半分
音楽の「4分音符」全音符の1/4の長さ

とくに時計は、分数の絶好の教材です。1時間=60分なので、1/2は30分、1/3は20分、1/4は15分、1/6は10分。60はいろいろな数でわりきれるので、きれいな分数になります。

また、料理もよい教材です。「小さじ1/2」「カップ1/4」──計量スプーンには目盛りがついていて、分数が目に見えます。

分数は「学校でしか使わない」と思われがちですが、じつは日常に隠れています。見つけて指摘してあげるだけで、分数が身近になります。

つまずきやすいところ

その1 分母どうしを足してしまう

「2/5+1/5=3/10」としてしまう。いちばん多い間違いです。
分母は単位だと教えます。「2cm+1cm」でcmを足さないのと同じ、というたとえが有効です。
図で確認するのも効きます。5等分のうち3つ分になるだけで、分け方は変わりません。

その2 分母が大きいほど大きいと思う

2年生と同じ間違いですが、3年生でも起こります。
数直線に置いて見せるのがいちばんです。1/3と1/5を同じ数直線に置くと、1/3のほうが右(大きい)にあることが目で分かります。

その3 1を分数に直せない

「1-3/5」で手が止まる。
「1は5/5」と書きかえられるかがポイントです。数直線で「5/5のところが1」と確認しておくと、思い出しやすくなります。

やってみよう

Q1 5/8 は、1/8 のいくつ分ですか。

A 5こ分。分子がそのまま「いくつ分」を表します。

Q2 3/7 + 2/7 は?

A 分母はそのまま、分子だけ足して 5/7

Q3 1 - 2/9 は?

A 1を 9/9 と考えて、9/9-2/9=7/9

Q4 1/4時間は何分ですか。

A 60分の4分の1なので 15分

Q5 6/6 はいくつと同じですか。

A 1。6等分したものを6こ全部集めれば、もとにもどります。

Q5のように、分母と分子が同じなら必ず1です。2/2も、10/10も、100/100も、すべて1。

これは当たり前のようですが、意外と大事な性質です。5年生で通分を学ぶとき、「1をかけても数は変わらない」という考え方を使って、分母をそろえていきます。そのときに「3/3は1」「4/4は1」という理解が土台になります。

今の段階では「分母と分子が同じなら1」とだけ覚えておけば十分です。ただ、なぜそうなるかを図で確認しておくと、後で思い出しやすくなります。

まとめ

おうちの方へ

分数の計算で「分母どうしを足す」間違いは、非常によく起こります。叱らずに、単位のたとえで説明してあげてください。「2cm+1cmは3cm。cmは足さないよね」──これで多くの子が納得します。
また、この単元でつまずくと5年生の通分・約分が確実に苦しくなります。特に「1/4が3こで3/4」という単位分数の見方は、後の学習を支える土台です。
家庭では、時計とピザ(またはケーキ)が最良の教材です。「1/3時間って何分?」「8等分のうち3切れ食べたら?」──実物や身近なものと結びつけると、分数が抽象的な記号でなくなります。
料理の計量も効果的です。「小さじ1/2」を実際に量らせてみてください。