3年 算数 分数で表す長さ・かさ

分数で表す長さ・かさ ── わりきれない長さも、分数ならぴったり言える

1mの テープを 3人で 同じ長さに 分けると、1人分は 何cmに なるでしょうか。計算して みると、100を 3で わりきる ことが できません。でも、分数を 使うと、この 長さを ぴったり 表す ことが できます。長さや かさを 分数で 表す 考え方を、順番に 見て いきましょう。

cmでは わりきれない 長さが ある

2年生では、長さを cmや mmという 整数の 単位で 表して きました。でも、3人で 同じ長さに 分ける ような 場面では、整数だけでは うまく いかない ことが あります。

1mの テープを 3人で 同じ長さに 分ける 100cm ÷ 3 = 33.33333……cm (わりきれない)

100を 3で わると、答えは ずっと 続いて しまい、どこまで いっても ぴったりとは 言えません。「3人とも 同じ長さに 分けられる」ことは わかって いても、その 長さを cmの 数字だけで 正確に 言う ことが できないのです。

分数なら、ぴったり 表せる

ここで、cmに こだわらず、「1mを 3つに 分けた 1つ分」という 言い方を 使うと どうなるでしょうか。これは、分数を 使って 1/3 mと 書く ことが できます。

1m を 3つに 分けた 1つ分 = 1/3 m 1/3 m + 1/3 m + 1/3 m = 3/3 m = 1m (3人分を あわせると、もとの 1mに ぴったり 戻る)

1/3 mを cmに 直そうとすると わりきれませんが、「1mを 3つに 分けた 1つ分」という 分数の 言い方そのものは、少しも あいまいでは ありません。分数は、整数の 単位では ぴったり 言えない 長さを、正確に 表す ための 道具なのです。

かさでも 同じ 考え方が 使える

この 考え方は、長さだけの ものでは ありません。1Lの ジュースを 3人で 同じ量に 分ける 場合も、同じことが 起こります。

分けた数長さ(1mのとき)かさ(1Lのとき)
1/250cm500mL
1/425cm250mL
1/520cm200mL
1/333.33……cm333.33……mL

1/2や 1/4、1/5のように 100や 1000を ぴったり わりきれる 数で 分けた ときは、cmや mLでも きれいな 数で 表せます。ところが 1/3のように わりきれない 数で 分けた ときは、cmや mLでは とちゅうで 止まらず、分数で 言うしか ぴったり 表す 方法が ないのです。長さの ときも かさの ときも、分数の しくみは まったく 同じです。

なぜ cmでは わりきれず、分数なら ぴったり なのか

100や 1000は、2や 4、5、10では きれいに わりきれますが、3や 7のような 数では わりきれません。これは cmや mLという 単位が、もともと 10の まとまりで 作られて いるからです。10のまとまりの 単位は、2や 5で 分けるのは 得意ですが、3で 分けるのは 苦手です。

いっぽう、分数の 1/3は、「ある 数を 3つに 分けた 1つ分」という 分け方そのものを そのまま 名前に した 表し方です。だから、何を 3で 分けても、分数なら いつでも ぴったり 表せます。単位の 都合に あわせて 名前を 変える 必要が ない、というのが 分数の 便利さです。

数直線で 長さを たしかめる

分数で 表した 長さが ほんとうに 正しいかを たしかめる ときは、数直線を 使うと わかりやすく なります。0mから 1mまでの 間を 同じ長さで 3つに 分けて、左から 1つ目の 印に 「1/3 m」と 書き込みます。

0m ─┬───┬───┬─ 1m 1/3m 2/3m 3/3m(=1m) 同じはばで 3回 分けると、ちょうど 1mで 3つ目の 印に たどりつく

この とき 大切なのは、どの 1つ分も 同じ長さに なって いる、という 点です。はしの ほうが 少し 長かったり 短かったり したら、それは 「3等分」には なって いません。数直線に ならべて みると、3つの はばが ぴったり 同じかどうかを 目で たしかめる ことが できます。1/3mを 3つ あわせると ちょうど 1mの 場所に 戻る ことも、数直線を 見れば ひと目で わかります。

つまずきやすいところ

その1 「1/3m」を「だいたい33cm」だと思い込む

1/3 mを cmに 直すと 「約33cm」と 言われる ことが あります。しかし、これは 少し 短めに 四捨五入した 近い数であって、1/3 mそのものより わずかに 短いのです。正確な 長さを 知りたい ときは、cmに 直さず 分数のまま 使うのが いちばん 確かです。

その2 分数に 単位を つけ忘れる

「1/4」だけ 書いて しまうと、それが 「1/4 m」なのか 「1/4 L」なのか、何を 4つに 分けた 1つ分なのかが わからなく なります。分数を 使って 長さや かさを 表す ときは、必ず mや Lなどの 単位を いっしょに 書くことを 忘れないようにしましょう。

やってみよう

Q1 1mのテープを4人で同じ長さに分けると、1人分は分数でどう表しますか。

A 1/4 m。100÷4=25なので25cmでもありますが、まず「1mを4つに分けた1つ分」として1/4 mと表せます。

Q2 1Lのジュースを3人で同じ量に分けると、1人分は分数でどう表しますか。

A 1/3 L。1000÷3は割りきれませんが、「1Lを3つに分けた1つ分」という分数ならぴったり表せます。

Q3 1/5 mは、何cmですか。

A 20cm。100を5つに分けると、1つ分は20cmです。

Q4 1/3 mを3人分あわせると、合計は何mになりますか。

A 1m。1/3+1/3+1/3=3/3=1mで、もとの長さにぴったり戻ります。

Q5 1/3 mをcmで表すと、ぴったりした数で言えますか。

A ぴったりとは言えません(33.33……cmのように続きます)。でも「1/3 m」という分数自体は、少しもあいまいではない正確な長さを表しています。

さきの学年へ つながる話

1/3 mを cmの 数字で 表そうとすると、33.3333……と いつまでも 続く 数に なります。4年生で 学ぶ 小数は、0.1や 0.01のように ある 位で 止まる 数が 中心ですが、1/3のような 分数を 小数に 直すと 止まらない、という ことに 少しずつ 気づいて いきます。分数は いつも ぴったり 表せる のに、小数に すると ぴったり 表せない ことが ある、という この 違いは、5年生の 単位量あたりの 大きさや、わり算と 分数の 結びつきを 考える ときの 土台に なります。

また、「1mを 3つに 分けた 1つ分を 3人分 あわせると、もとの 1mに 戻る」という 考え方は、6年生で 学ぶ 分数の かけ算・わり算にも つながります。1/3を 3ばいすると 1に 戻る、という 感覚を 早いうちから 持って おくと、あとで 分数どうしの 計算に 進んだ ときに、答えが 大きく なったか 小さく なったかを 見分ける 手がかりに なります。

まとめ

おうちの方へ

「1/3mは約33cm」という近似値だけで覚えてしまうと、分数のよさ(ぴったり表せること)が伝わりにくくなります。おうちでテープやペットボトルの水を使って実際に3等分してみると、「同じ分け方をしたのに、cmやmLでは言い切れない」という体験から、分数が生まれた理由を実感しやすくなります。