3年 算数 あまりのあるわり算

あまりのあるわり算 ── あまりは必ずわる数より小さい

計算はできても、文章題で間違える。原因は「あまりをどうするか」を考えていないことにあります。

わり切れないこともある

前の単元では、きれいにわり切れる問題ばかりでした。でも現実には、そうならないことのほうが多いです。

あめが14こ。3人で同じ数ずつ分けると、1人分は何こで、何こあまる?

🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬 4こ 4こ 4こ あまり2こ 式: 14 ÷ 3 = 4 あまり 2

読み方は「14わる3は、4あまり2」です。

ここで大事な考え方があります。あまった2こは、これ以上分けられない。3人に配ろうとしても、2こでは1こずつ配れません。だから残すしかない。これが「あまり」です。

いちばん大事なきまり

この単元で絶対におさえるべききまりがあります。

あまり < わる数 あまりは、必ずわる数より小さくなる

なぜでしょうか。あまりがわる数以上なら、まだ分けられるからです。

× 14 ÷ 3 = 3 あまり 5 あまりが5 → まだ3人に1こずつ配れる! → もっと分けられるので、答えが間違い ○ 14 ÷ 3 = 4 あまり 2 あまりが2 → 3人には配れない → これ以上分けられない。正しい

だから計算が終わったら、必ずあまりを確認します。「あまりがわる数より小さいか?」──これだけで、間違いの多くが見つかります。

3でわったならあまりは0・1・2のどれか。5でわったならあまりは0〜4のどれか。あまりの種類は決まっているのです。

よくある間違い

「23÷4」を「4あまり7」としてしまう。あまり7は、わる数4より大きい。まだ分けられます。
正しくは「5あまり3」。商をもう1増やせないかを確認します。

答えの確かめ方

あまりのあるわり算には、確実な検算方法があります。

わる数 × 商 + あまり = わられる数 14 ÷ 3 = 4 あまり 2 の場合 3 × 4 + 2 = 14 ← 元にもどった!

この式が成り立てば、答えは合っています。もどらなければ、どこかで間違えています。

なぜこれで確かめられるのか。図を見れば分かります。

🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬 └──────4×3=12──────┘ └2┘ 12 + 2 = 14

「配った分」+「あまった分」=「全体」。あたりまえのことですが、これが検算の正体です。

この検算は4年生のわり算のひっ算でも、5年生でも使います。ここで習慣にしておくと、ずっと役立ちます。

文章題であまりをどうするか

ここからが本番です。計算は同じでも、答えが変わる問題があります。

パターン1:あまりを切りすてる

14このあめを、1人に3こずつ配ります。何人に配れますか。

計算すると4あまり2。配れるのは 4人

あまった2こでは1人分にならないので、配れるのは4人。あまりは無視します

パターン2:あまりの分も数える(切り上げ)

14人が、1台に3人ずつ乗れる車で移動します。車は何台必要ですか。

計算は同じく4あまり2。でも必要な車は 5台

ここが重要です。あまった2人も乗らなければいけません。4台では2人が置いていかれてしまう。だから、もう1台必要。答えは5台です。

パターン3:あまりがそのまま答え

14このあめを3人で分けると、何こあまりますか。

やはり4あまり2。今回はあまりのほうが答えで 2こ

この場合は、商の4ではなくあまりの2が答えです。

問われていること答えあまりの扱い
何人に配れる切りすて
何台・何箱必要商+1切り上げ
何こあまるあまりあまりが答え

同じ「14÷3=4あまり2」から、4・5・2という3つの答えが出る。だから、計算だけでは終わらないのです。

コツは、計算する前に場面を想像することです。「あまった人はどうなる?」「あまったあめはどこへ行く?」──これを考えれば、答えは自然に決まります。

商の見つけ方

「23÷4」の商はどう見つけるのでしょうか。4の段で23を超えない、いちばん大きい数を探します。

4の段: 4, 8, 12, 16, 20, 24, ... ↑ ↑ 20は23以下 24は23を超える → 4×5=20 を使う → 商は 5、あまりは 23-20=3 23 ÷ 4 = 5 あまり 3

手順を整理すると、こうなります。

  1. わる数の段を唱える 4, 8, 12, 16, 20, 24...
  2. わられる数を超えない、いちばん大きい数を見つける 20
  3. それが何倍か確かめる 4×5なので商は5
  4. ひき算であまりを求める 23-20=3
  5. あまりがわる数より小さいか確認 3<4 ✓

慣れてくれば、九九から直接「これくらいかな」と見当がつけられるようになります。この「見当をつける」力は、4年生のわり算のひっ算で決定的に重要になります。

あまりは生活の中にある

あまりのあるわり算は、じつは生活のあちこちで使われています。

場面計算あまりの意味
1週間は7日。20日は何週間?20÷7=2あまり62週間と6日
1ダースは12本。30本は何ダース?30÷12=2あまり62ダースと6本
60分=1時間。100分は?100÷60=1あまり401時間40分
10人ずつ並ぶ。43人だと?43÷10=4あまり34列と3人

とくに時間の計算は、2年生で学んだ「100分=1時間40分」がまさにこれです。あのとき「60を引けるだけ引く」と考えましたが、それは60でわった商とあまりを求めていたのです。

単位の変換も同じです。大きい単位に何個分入るかが商、入りきらない分があまり。長さの「45mm=4cm5mm」も、45÷10=4あまり5 という計算でした。

こう見ると、あまりのあるわり算は新しい計算ではなく、今まで感覚でやっていたことを式にしたものだと分かります。

さらに、曜日の計算にも使えます。「今日が月曜日。100日後は何曜日?」──100÷7=14あまり2。あまりの2だけ進めて水曜日。あまりだけが意味を持つおもしろい例です。

つまずきやすいところ

その1 あまりがわる数より大きい

商を小さく見積もってしまう。
計算後に必ず「あまり<わる数」を確認。これを機械的にやるだけで、間違いが激減します。

その2 文章題で切り上げを忘れる

「何台必要?」に商だけで答えてしまう。
「あまった人(もの)はどうなる?」と声に出して考えます。置いていけないなら、もう1つ必要です。

その3 商とあまりを取り違える

「何こあまる?」に商を答えてしまう。
問題文の最後を読む習慣をつけます。何を聞かれているのか、線を引いて確認します。

やってみよう

Q1 29 ÷ 6 は?

A 6×4=24(29以下で最大)。29-24=5。答え 4あまり5。5<6なのでOK。

Q2 Q1の答えを検算しましょう。

A 6×4+5=29。元にもどったので正解です。

Q3 子どもが22人。1つのベンチに4人すわれます。ベンチは何台必要?

A 22÷4=5あまり2。あまった2人もすわるので 6台。切り上げです。

Q4 リボンが22m。1本4mずつ切ると、何本とれますか。

A 22÷4=5あまり2。2mでは1本にならないので 5本。切りすてです。

Q3とQ4は同じ計算ですが、答えが違います。場面をイメージできたかどうかが問われています。

まとめ

おうちの方へ

この単元でつまずくのは、計算ではなく文章題です。特に「何台必要?」という切り上げの問題は、大人でも一瞬考えるところです。
効果的なのは、実際の場面で聞いてみることです。「家族5人で車に乗るけど、4人乗りの車だったら何台いる?」──生活の中の問題として考えると、切り上げが自然に理解できます。
また「あまり<わる数」の確認は、機械的にやらせて構いません。理由が分かっていなくても、確認する習慣があるだけで間違いが減ります。理由は後から追いつきます。
なお、この単元は4年生のわり算の筆算に直結します。ここで商の見当をつける練習をしておくと、筆算がずっと楽になります。