計算はできても、文章題で間違える。原因は「あまりをどうするか」を考えていないことにあります。
前の単元では、きれいにわり切れる問題ばかりでした。でも現実には、そうならないことのほうが多いです。
あめが14こ。3人で同じ数ずつ分けると、1人分は何こで、何こあまる?
読み方は「14わる3は、4あまり2」です。
ここで大事な考え方があります。あまった2こは、これ以上分けられない。3人に配ろうとしても、2こでは1こずつ配れません。だから残すしかない。これが「あまり」です。
この単元で絶対におさえるべききまりがあります。
なぜでしょうか。あまりがわる数以上なら、まだ分けられるからです。
だから計算が終わったら、必ずあまりを確認します。「あまりがわる数より小さいか?」──これだけで、間違いの多くが見つかります。
3でわったならあまりは0・1・2のどれか。5でわったならあまりは0〜4のどれか。あまりの種類は決まっているのです。
「23÷4」を「4あまり7」としてしまう。あまり7は、わる数4より大きい。まだ分けられます。
正しくは「5あまり3」。商をもう1増やせないかを確認します。
あまりのあるわり算には、確実な検算方法があります。
この式が成り立てば、答えは合っています。もどらなければ、どこかで間違えています。
なぜこれで確かめられるのか。図を見れば分かります。
「配った分」+「あまった分」=「全体」。あたりまえのことですが、これが検算の正体です。
この検算は4年生のわり算のひっ算でも、5年生でも使います。ここで習慣にしておくと、ずっと役立ちます。
ここからが本番です。計算は同じでも、答えが変わる問題があります。
14このあめを、1人に3こずつ配ります。何人に配れますか。
計算すると4あまり2。配れるのは 4人
あまった2こでは1人分にならないので、配れるのは4人。あまりは無視します。
14人が、1台に3人ずつ乗れる車で移動します。車は何台必要ですか。
計算は同じく4あまり2。でも必要な車は 5台
ここが重要です。あまった2人も乗らなければいけません。4台では2人が置いていかれてしまう。だから、もう1台必要。答えは5台です。
14このあめを3人で分けると、何こあまりますか。
やはり4あまり2。今回はあまりのほうが答えで 2こ
この場合は、商の4ではなくあまりの2が答えです。
| 問われていること | 答え | あまりの扱い |
|---|---|---|
| 何人に配れる | 商 | 切りすて |
| 何台・何箱必要 | 商+1 | 切り上げ |
| 何こあまる | あまり | あまりが答え |
同じ「14÷3=4あまり2」から、4・5・2という3つの答えが出る。だから、計算だけでは終わらないのです。
コツは、計算する前に場面を想像することです。「あまった人はどうなる?」「あまったあめはどこへ行く?」──これを考えれば、答えは自然に決まります。
「23÷4」の商はどう見つけるのでしょうか。4の段で23を超えない、いちばん大きい数を探します。
手順を整理すると、こうなります。
慣れてくれば、九九から直接「これくらいかな」と見当がつけられるようになります。この「見当をつける」力は、4年生のわり算のひっ算で決定的に重要になります。
あまりのあるわり算は、じつは生活のあちこちで使われています。
| 場面 | 計算 | あまりの意味 |
|---|---|---|
| 1週間は7日。20日は何週間? | 20÷7=2あまり6 | 2週間と6日 |
| 1ダースは12本。30本は何ダース? | 30÷12=2あまり6 | 2ダースと6本 |
| 60分=1時間。100分は? | 100÷60=1あまり40 | 1時間40分 |
| 10人ずつ並ぶ。43人だと? | 43÷10=4あまり3 | 4列と3人 |
とくに時間の計算は、2年生で学んだ「100分=1時間40分」がまさにこれです。あのとき「60を引けるだけ引く」と考えましたが、それは60でわった商とあまりを求めていたのです。
単位の変換も同じです。大きい単位に何個分入るかが商、入りきらない分があまり。長さの「45mm=4cm5mm」も、45÷10=4あまり5 という計算でした。
こう見ると、あまりのあるわり算は新しい計算ではなく、今まで感覚でやっていたことを式にしたものだと分かります。
さらに、曜日の計算にも使えます。「今日が月曜日。100日後は何曜日?」──100÷7=14あまり2。あまりの2だけ進めて水曜日。あまりだけが意味を持つおもしろい例です。
商を小さく見積もってしまう。
計算後に必ず「あまり<わる数」を確認。これを機械的にやるだけで、間違いが激減します。
「何台必要?」に商だけで答えてしまう。
「あまった人(もの)はどうなる?」と声に出して考えます。置いていけないなら、もう1つ必要です。
「何こあまる?」に商を答えてしまう。
問題文の最後を読む習慣をつけます。何を聞かれているのか、線を引いて確認します。
Q1 29 ÷ 6 は?
A 6×4=24(29以下で最大)。29-24=5。答え 4あまり5。5<6なのでOK。
Q2 Q1の答えを検算しましょう。
A 6×4+5=29。元にもどったので正解です。
Q3 子どもが22人。1つのベンチに4人すわれます。ベンチは何台必要?
A 22÷4=5あまり2。あまった2人もすわるので 6台。切り上げです。
Q4 リボンが22m。1本4mずつ切ると、何本とれますか。
A 22÷4=5あまり2。2mでは1本にならないので 5本。切りすてです。
Q3とQ4は同じ計算ですが、答えが違います。場面をイメージできたかどうかが問われています。
この単元でつまずくのは、計算ではなく文章題です。特に「何台必要?」という切り上げの問題は、大人でも一瞬考えるところです。
効果的なのは、実際の場面で聞いてみることです。「家族5人で車に乗るけど、4人乗りの車だったら何台いる?」──生活の中の問題として考えると、切り上げが自然に理解できます。
また「あまり<わる数」の確認は、機械的にやらせて構いません。理由が分かっていなくても、確認する習慣があるだけで間違いが減ります。理由は後から追いつきます。
なお、この単元は4年生のわり算の筆算に直結します。ここで商の見当をつける練習をしておくと、筆算がずっと楽になります。