3年 算数 わり算

わり算 ── 同じ式でも意味が2つある

「12÷3」には、まったくちがう2つの場面があります。ここを区別できるかどうかが、文章題の分かれ道です。

わり算は「分ける」計算

3年生で新しく出てくる計算がわり算です。記号は「÷」で、「わる」と読みます。

わり算は、簡単かんたんに言えば「同じ数ずつに分ける」計算です。

ここで重要なのは、2年生の分数で学んだ「等分」という考え方です。ただ分けるのではなく、同じ大きさ・同じ数に分ける。この条件がわり算の前提になります。

12このあめを分ける ○ わり算が使える 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 4こ 4こ 4こ ← 同じ数ずつ × わり算では表せない 🍬🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 5こ 3こ 4こ ← バラバラ

「同じ数ずつ」でなければ、わり算は使えません。ここはかけ算とまったく同じ条件です。かけ算も「1つ分が同じ」でなければ使えませんでした。

意味その1「何こずつ?」──等分除

1つめの場面です。

あめが12こあります。3人で同じ数ずつ分けると、1人分は何こ?

12 ÷ 3 = 4  1人分は4こ

👤 👤 👤 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 🍬🍬🍬🍬 4こ 4こ 4こ 分ける相手(3人)が決まっている → 1人分(4こ)を求める

これを等分除とうぶんじょといいます。「等しく分ける」という意味です。

この場面では、分ける相手の数(3人)が先に決まっていて、1つ分(4こ)を求めます。トランプを配るイメージです。3人に1枚ずつ、また1枚ずつ、と配っていくと、最後に1人4枚になります。

意味その2「何人分?」──包含除

2つめの場面です。式はまったく同じですが、状況が違います。

あめが12こあります。1人に3こずつ分けると、何人に分けられる?

12 ÷ 3 = 4  4人に分けられる

🍬🍬🍬 🍬🍬🍬 🍬🍬🍬 🍬🍬🍬 3こ 3こ 3こ 3こ 👤 👤 👤 👤 1つ分(3こ)が決まっている → いくつ分(4人)を求める

これを包含除ほうがんじょといいます。「12の中に3がいくつ含まれるか」という意味です。

この場面では、1つ分(3こ)が先に決まっていて、いくつ分(4人)を求めます。3こずつの袋に詰めていって、袋が何個できるか、というイメージです。

2つのちがいを整理する

等分除包含除
問題文3人で分ける3こずつ分ける
決まっているものいくつ分(人数)1つ分(個数)
求めるもの1つ分いくつ分
答えの単位44

見分けるキーワードは「ずつ」です。「3こずつ」とあれば包含除、「3人で」とあれば等分除。

そして注目してほしいのが答えの単位です。式は同じ「12÷3=4」でも、答えは「4こ」と「4人」で違います。単位まで書いて初めて答えになるのは、このためです。

かけ算の逆として考える

わり算の答えは、どうやって求めるのでしょうか。九九を使います

12 ÷ 3 = □ ↓ 言いかえると 3 × □ = 12 ↓ 3の段で12になるのは? 3 × 4 = 12 → 答えは 4

つまり、わり算はかけ算の逆算です。「3に何をかけたら12になるか」を考えているのです。

だから、九九が確実に入っていないとわり算はできません。「3の段で12」がすぐ出てこないと、わり算のたびに時間がかかります。

2年生でかけ算の学習をするとき、「ばらばらに聞かれても答えられるように」「28になるのは何かける何?」という練習をすすめたのは、このためです。わり算のためにこそ、九九の逆引きが必要になります。

九九表を逆から使う

わり算でつまずいたら、九九表を見ながらやらせても構いません。「3の段を横に見て、12を探す」。
大事なのはわり算の意味が分かっていることで、計算の速さは後からついてきます。意味が分からないまま速く解いても、文章題では使えません。

特別な場合

1でわる

どんな数を1でわっても、答えはその数のままです。

8 ÷ 1 = 8 (8こを1人で分ける → 8こもらえる)

その数自身でわる

答えは必ず1になります。

8 ÷ 8 = 1 (8こを8人で分ける → 1人1こ)

0をわる

0を何でわっても0です。

0 ÷ 5 = 0 (0こを5人で分ける → 1人0こ)

0でわる

これはできません。「8÷0」は答えがありません。

「8こを0人で分ける」──分ける相手がいないので、そもそも分けられません。「0こずつ分けると何人分?」──0こずつ配っても永遠に減らないので、答えが出ません。

3年生では「0でわることはできない」と覚えておけば十分です。理由は中学以降で詳しく学びます。

大きい数のわり算

九九の範囲を超えるわり算も出てきます。「60÷3」のような問題です。

九九には「3×20」はありませんが、10のまとまりで考えると解けます。

60 ÷ 3 60 = 10が6こ 10のまとまり6こを3人で分ける → 1人分は 10が2こ → 20 答え: 20

やっているのは「6÷3=2」という九九の範囲の計算です。単位を「1」から「10」に変えただけ

同じように「800÷4」なら、100が8こを4人で分けて100が2こ、つまり200です。

問題考え方答え
80 ÷ 410が8こ ÷ 4 → 10が2こ20
60 ÷ 210が6こ ÷ 2 → 10が3こ30
900 ÷ 3100が9こ ÷ 3 → 100が3こ300

この「まとまりで考える」やり方は、2年生の「1000までのかず」で学んだ見方そのものです。「350は10が35こ」と見なおしたあの考え方が、ここで計算の道具になっています。

そして4年生のわり算のひっ算も、結局はこの考え方を手順化したものです。今のうちにこの見方をつかんでおくと、ひっ算の意味まで理解できます

つまずきやすいところ

その1 式は書けるが単位を間違える

「12÷3=4」まで合っているのに、答えを「4人」と書くべきところで「4こ」と書いてしまう。
「何を聞かれているか」を先に確認します。問題文の最後の一文に線を引く習慣をつけると防げます。

その2 わられる数とわる数を逆にする

「3÷12」と書いてしまう。
「分けられる全体が先」と覚えます。全体の12から始まって、それを3つに分けるのです。
また、答えが1より小さくなったらおかしい、と気づけるようにしておきます。

その3 九九があやふや

わり算そのものは分かっているのに、答えが出てこない。
これはわり算の問題ではなく九九の問題です。特に7・8の段が弱い子は、そこだけ集中して復習します。遠回りに見えて、これが一番の近道です。

やってみよう

Q1 クッキーが18まい。6人で同じ数ずつ分けると1人分は何まい?

A 18÷6=3  3まい。「6人で」なので等分除です。

Q2 クッキーが18まい。1人に6まいずつ分けると何人に分けられる?

A 18÷6=3  3人。「6まいずつ」なので包含除。式は同じでも答えの単位が違います。

Q3 「35÷5」の答えを、九九を使って求めましょう。

A 「5×□=35」と考えて、5×7=35。答えは7

Q4 「6÷0」の答えは?

A 答えはありません。0でわることはできません。

まとめ

おうちの方へ

わり算に2つの意味があることは、大人でも意識していない方が多いところです。しかし、この区別ができないと文章題でつまずきます。
おすすめは、おやつを実際に分けさせることです。「3人で分けて」と「3個ずつ分けて」を両方やってみると、動作がまったく違うことが体で分かります。
また、わり算ができない原因の大半は九九です。特に7・8の段が弱いと、わり算のたびに手が止まります。わり算の練習をする前に、九九のランダム出題で確認してみてください。
答えの単位を書く習慣も、この単元から徹底しておきたいところです。「4」ではなく「4こ」「4人」まで書く。高学年の文章題で確実に効いてきます。