3年 算数 くらべる文章題

18まいと6まい、多いのは何まい? ── くらべる文章題は、ひき算かわり算か

「ゆうと君はシールを18まい持っています。さくらさんはシールを6まい持っています。」たったこの1つの文から、「ゆうと君はさくらさんより何まい多いですか」(答え12まい)という問題も、「ゆうと君の持っているまい数は、さくらさんの何倍ですか」(答え3倍)という問題も、どちらも作ることができます。同じ18と6という数字を使っていても、聞かれ方によってひき算になるか、わり算になるかがまるで変わります。くらべる文章題は、この2つの道のどちらを通るかを先に決めてから式を立てる必要がある、見分けの練習がとても大切な単元です。

同じ18まいと6まいでも、聞かれ方で式がかわる

2つの数量をくらべる文章題には、大きく2つのたずね方があります。「どちらがいくつ多いか(少ないか)」とたずねる問題と、「何倍か(何分の1か)」とたずねる問題です。前者は2つの量の差を求める問題なので、ひき算を使います。後者は2つの量の倍の関係を求める問題なので、わり算を使います。

「何まい多い?」とたずねられたとき 18まい - 6まい = 12まい (差をくらべる=ひき算) 「何倍?」とたずねられたとき 18まい ÷ 6まい = 3   (倍をくらべる=わり算)

18と6という同じ2つの数字を使っているのに、答えは「12まい」と「3倍」という、まったく別のものになります。これは計算をまちがえたわけではなく、そもそも聞かれている内容が別の種類の質問だからです。くらべる文章題を見たら、まず「差を聞かれているのか、倍を聞かれているのか」を文の中から探し出すことが、式を立てる前にやるべき一番大事な作業になります。

「多い・少ない」はひき算、「何倍・何分の1」はわり算

文章の中の言葉に注目すると、どちらの質問かを判断しやすくなります。次の表は、くらべる文章題でよく使われる言葉と、対応する演算をまとめたものです。

文章に出てくる言葉聞かれていること演算
多い/少ない/ちがいは2つの量の差ひき算
何倍/◯倍/何分の12つの量の倍の関係わり算

ただし、言葉だけで決めつけるのは危険です。「ゆうと君はさくらさんの3倍のまい数を持っています。さくらさんが6まいなら、ゆうと君は何まいですか」のように、文章の中に「倍」という言葉があっても、求める答えがかけ算になる場合もあります(もとにする量と倍が分かっていて、くらべられる量を求める形)。言葉はヒントにはなりますが、最後は「何が分かっていて、何を求めるか」まで確認してから式を決める習慣をつけることが大切です。

答えの単位で、立てた式を確かめる

式を立てたあと、答えの単位を見ると、まちがいに気づける場合があります。差を求めるひき算の答えには、もとの量と同じ単位(まい・こ・mなど)がそのままつきます。「18-6=12」の答えは「12まい」であり、まいという単位がついています。一方、倍を求めるわり算の答えには、単位がつきません。「18÷6=3」の答えは「3まい」ではなく、ただの「3倍」です。

この違いを使うと、式を立てたあとに自分で確かめることができます。「何まい多いか」という問題を解いたのに、答えに単位がつかず「3倍」の形になっていたら、どこかで式を取りちがえている可能性が高いということです。反対に「何倍か」という問題の答えに「まい」という単位をつけてしまったときも、同じように見直しのきっかけになります。

わざと逆の式を立ててみると、ちがいがよく分かる

18まいと6まいという同じ2つの数字を使って、わざと間違った組み合わせの式を立ててみます。「何まい多いか」という問題なのに18÷6=3としてしまうと、答えは「3」という数字になりますが、これは「まい」という単位のつかない数で、「何まい多い」という問いの答えにはなっていません。反対に「何倍か」という問題なのに18-6=12としてしまうと、答えは「12まい」になりますが、「何倍ですか」という問いに「まい」で答えることはできません。

このように、問いの形と答えの形が合っているかを照らし合わせることで、式のまちがいに自分で気づくことができます。くらべる文章題では、計算のしかたを知っているだけでなく、問いと答えの対応を最後まで確認する姿勢がとても役に立ちます。

つまずきやすいところ

その1 わり算の単元中は、くらべる問題も何でもわり算にしてしまう

わり算を習っている最中は、数字が2つ出てくる文章題を見ると、反射的にわり算で解こうとする子が多くいます。しかし、くらべる文章題の中には「多い・少ない」を聞くひき算の問題も混ざっています。単元名にひきずられず、その問題が差を聞いているのか、倍を聞いているのかを、問題ごとに確認する必要があります。

その2 倍の答えに単位をつけ、差の答えに「倍」をつけてしまう

「3倍」と書くべきところを「3まい」と書いてしまったり、「12まい」と書くべきところを「12倍」と書いてしまったりする間違いがあります。差の答えには元の単位がつき、倍の答えには単位がつかないというルールを覚えておくと、書き終えたあとに見直す手がかりになります。

その3 ひき算やわり算の順序を逆にする

「ゆうと君は18まい、さくらさんは6まい」という問題で、6-18のように小さい数から大きい数を引こうとしてしまったり、6÷18のように、くらべられる量ではなくもとにする量を先に書いてわってしまったりする間違いもあります。くらべる文章題では、多いほう・比べられるほうの数を先に書くという順序も、答えの単位と合わせて確認するとよいでしょう。

やってみよう

Q1 色えんぴつを、お兄さんは24本、弟は8本持っています。お兄さんは弟より何本多いですか。

A 「多い」と聞かれているので差を求めるひき算です。24-8=16本多い。

Q2 色えんぴつを、お兄さんは24本、弟は8本持っています。お兄さんの本数は、弟の本数の何倍ですか。

A 「何倍」と聞かれているので倍を求めるわり算です。24÷8=3倍。Q1と同じ24と8という数字でも、聞かれ方がちがうと答えの種類も変わります。

Q3 画用紙を、1年生の組は45まい、2年生の組は9まい使いました。1年生の組が使った数は、2年生の組の何倍ですか。

A 「何倍」なので、わり算です。45÷9=5倍。答えに「まい」という単位をつけないことに注意します。

Q4 なわとびの回数を、たろう君は56回、妹は7回とびました。たろう君は妹より何回多くとびましたか。

A 「多く」と聞かれているので、ひき算です。56-7=49回多い。

Q5 なわとびの回数を、たろう君は56回、妹は7回とびました。たろう君の回数は妹の何倍ですか。また、その倍の数から2をひくと、いくつになりますか。

A 前半は倍を求めるわり算:56÷7=8倍。後半はその8という数そのものを使うひき算:8-2=6。前半の「8倍」という答えから単位の「倍」を外し、数としての8を使う点に注意します。

Q1・Q4はひき算、Q2・Q3はわり算、Q5は倍を求めたあとにその数自体を使う2段構成です。同じ2つの数字が出てくる文章題でも、「多い・少ない」なのか「何倍」なのかを毎回確認してから式を立てることが、くらべる文章題を解く一番の近道です。

まとめ

おうちの方へ

くらべる文章題でお子さんがつまずいているとき、計算そのものよりも「差なのか倍なのか」を区別できていないことが多くあります。答えを出したあとに「その答えには、まいや本などの言葉がつく?」と1つだけ聞いてみると、ひき算と倍の区別ができているかがすぐに分かります。
また、ご家庭にあるもの(鉛筆の本数、本のページ数、家族の年れいなど)を使って「どちらが何個多い?」「どちらが何倍?」と両方の質問を作ってみると、同じ2つの数字から種類のちがう問いが生まれることを、実感をもって確かめることができます。