テストでよく出る「円と長方形が組み合わさった図」。こわそうに見えて、使うのは直径の関係だけです。
「円と球」の単元で、直径と半径の関係を学びました。
この関係は、円だけで使うものではありません。円がぴったり入る長方形では、この関係を長方形の長さを求める手がかりとして使います。
右の長方形の中に、円がぴったり1つ入っています。円の半径は4cmです。長方形のたての長さは何cmですか。
「ぴったり入る」とは、円が長方形の辺に、ちょうど接しているという意味です。すき間も重なりもありません。このとき、長方形のたてとよこの長さは、円の直径と同じになります。
図形が組み合わさっていても、答えを出す計算は「半径×2」だけです。図の意味が分かれば、計算はいつもの直径の求め方になります。
正方形にぴったり入る円なら、どうなるでしょうか。
正方形は4つの辺がすべて同じ長さなので、どの辺で考えても答えは同じです。たてで考えても、よこで考えても、直径がそのまま1辺の長さになります。
正方形にぴったり入る円の直径は10cmです。正方形のまわりの長さは何cmですか。
正方形の1辺=10cm。まわりの長さ=10×4=40cm。
この問題は、円と球の単元の知識と、2年生で習った「長方形・正方形のまわりの長さ」を組み合わせています。1つの単元だけでは解けない、つながりの問題です。
長方形の中に、同じ大きさの円が横に並んでいる問題もよく出ます。
ここでのポイントは、「よこの長さは、直径が何個分か」を数えることです。円が2つ並べば直径2個分、3つ並べば3個分。たての長さは、円が何個並んでも直径1個分のままです。横に並んでいるだけで、上下には積まれていないからです。
直径5cmの円が、横に3つぴったり並んで長方形に入っています。長方形のよこの長さは何cmですか。
5 × 3 = 15cm。円の数だけ直径をかけます。
円の数が増えても、やることは変わりません。「直径 × 円の数」、この1つの式で解けます。
では、円が横だけでなく、たてにも並んでいるときはどうなるでしょうか。たとえば直径4cmの円が、横に3つ・たてに2つ、合計6つ並んでいる長方形があるとします。このときは、よこの長さにもたての長さにも、それぞれ並んでいる個数をかけることになります。
ここで大事なのは、「円が何列・何行並んでいるか」を、たてとよこで別々に数えることです。全部の円の数(6こ)をそのまま使ってしまうと、まったく違う答えになってしまいます。
この種類の問題でいちばん多い間違いは、半径と直径を取りちがえることです。問題文には「半径」としか書かれていないこともあります。
| 問題文に出てくる言葉 | まず求めること |
|---|---|
| 半径○cm | 直径にする(×2) |
| 直径○cm | そのまま使える |
長方形や正方形の長さの計算に使うのは、いつも直径です。問題文に「半径」と書かれていたら、最初の1行で2倍して直径に直しておくのが、間違いを防ぐコツです。
半径4cmの円がぴったり入る正方形の1辺を、そのまま「4cm」と答えてしまう。半径のまま使ってしまったのが原因です。
正しくは、まず直径にする:4×2=8cm。半径を見たら、まず2倍。これを合図のように覚えておきます。
答えが出たら、図にもどって大きさを見比べるのも有効な確かめ方です。正方形の1辺が、円の半径より小さくなることはありません。円がぴったり入っているのですから、辺の長さは半径よりずっと大きいはずです。答えが半径と同じくらいの数になっていたら、どこかで2倍をし忘れています。
反対に、長方形の長さから、円の半径や直径を求める問題もあります。
たての長さが9cmの長方形に、円がぴったり1つ入っています。この円の半径は何cmですか。
長方形のたて=円の直径=9cm。半径=9÷2=4.5cm。
ここで、直径÷2=半径という、もう一つの関係を使います。わり算の答えが小数になることもありますが、落ち着いて計算すれば問題ありません。
よこの長さが18cmの長方形に、同じ大きさの円が3つぴったり並んで入っています。円1つの直径は何cmですか。
18cmが直径3個分。直径=18÷3=6cm。
この問題は、さっきの「直径×円の数=よこの長さ」を逆に使うだけです。かけ算で作った式を、わり算で戻しています。かけ算とわり算が逆の関係にあることは、2年生のときから使ってきた考え方です。
長方形の長さに使うのは直径なのに、半径のまま答えてしまう。
図に「直径」と書きこんでから計算する習慣をつけると、取りちがえが減ります。
円が2つ以上並んでいるのに、直径1個分で答えてしまう。
図の中の円を1つずつ数えて、その数を声に出す。「円が3つ、だから直径×3」と言ってから式を書きます。
円が横に並んでいるのに、たての長さまで円の数だけかけてしまう。
円が並んでいる向きだけに、円の数をかける。並んでいない向きは、円1つ分のままです。
Q1 半径6cmの円がぴったり入る正方形の1辺は何cmですか。
A 直径=6×2=12cm。正方形の1辺=12cm。
Q2 Q1の正方形のまわりの長さは何cmですか。
A 12×4=48cm。
Q3 直径7cmの円が横に4つぴったり並んで長方形に入っています。よこの長さは何cmですか。
A 7×4=28cm。
Q4 よこの長さが24cmの長方形に、同じ大きさの円が4つぴったり並んで入っています。円1つの半径は何cmですか。
A 直径=24÷4=6cm。半径=6÷2=3cm。
この手の「円と長方形が組み合わさった図形」の問題は、円と球の単元のテストでよく出題されます。難しく見えるのは、図の意味を読みとる部分であり、計算そのものは「半径×2」「直径×個数」程度のかんたんな式です。
お子さんが止まってしまったときは、「直径って、長方形のどの部分と同じ長さ?」と聞いてあげると、図と計算がつながりやすくなります。
また、問題文に「半径」としか書かれていない出題は、ひっかけではなく定着の確認です。半径を見たらまず2倍する、という手順を声に出させる練習が効果的です。
円が縦横にいくつも並ぶ問題は4年生以降でも形を変えて出てきます。「たてとよこを別に数える」という今のうちの理解が、そのまま先の学年でも役立ちます。