3年 理科 ものと重さ

ものと重さ ── 形をかえても重さは変わらない

ねん土をまるめても、細長くのばしても、重さは同じ。でも同じ大きさの鉄と発泡スチロールは重さがちがう。不思議に思ったことを、実験で確かめていきます。

重さをはかる道具

重さを正しくくらべるには、正しい道具の使い方が欠かせません。3年生では2つの道具を学びます。

道具できること
上皿てんびん2つのものの重さをくらべる(どちらが重いか分かる)
はかり(台ばかり・電子はかり)重さを数字で読み取る(グラムやキログラムで分かる)

上皿てんびんは、天びんが水平につり合ったとき、両方の重さが同じだと分かるしくみです。分銅(ふんどう)という重さの決まったおもりを使えば、正確な重さも測れます。

  1. 水平な台に置く かたむいていると正しく測れない
  2. 針が中央でつり合うように調節ねじを合わせる 何も乗せていない状態でまず調節する
  3. 左右の皿にものと分銅を乗せる 軽い分銅から順にのせて調べる
  4. 針が中央で止まったら、分銅の重さの合計を読む

電子はかりは数字で直接表示されるので便利ですが、使う前に「ゼロ合わせ」をすることが大切です。容器に入れて測るときは、容器の重さを引いた「風袋(ふうたい)引き」も知っておくと役立ちます。

形をかえても重さは変わらない

この単元でいちばん大事な実験が、ねん土を使った重さの保存の確認です。

丸いねん土 100g ↓ 形をかえる 細長いねん土 100g ↓ さらに分ける 小さいねん土×5個 合計100g

手順はシンプルです。

  1. ねん土を丸めて、電子はかりで重さを測る
  2. 同じねん土を細長くのばして、もう一度測る
  3. さらに小さく分けて、全部合わせて測る

結果はどの形でも重さは同じです。丸めても、のばしても、分けても、ねん土の量そのものが変わらない限り、重さは変わりません

これを見て「形が大きく見えるほうが重いはず」と感じる子が多いのですが、それは見た目の大きさ(体積)と重さを混同しているからです。細長くのばすと大きく見えても、中身の量は同じなので重さは変わりません。

紙や布、アルミはくなど、他の素材でも同じことを確かめられます。折りたたんでも、広げても、破ってすべて集めれば、重さは変わりません。ものを分けても、砕いても、全部を合わせれば元の重さと同じという考え方は、後の理科・化学の学習(質量保存の考え方)の土台にもなります。

体積が同じでも重さはちがう

次に確かめるのは、逆のパターンです。同じ大きさ(体積)でも、ものによって重さはちがうことを調べます。

同じ大きさの立方体重さの目安
とても重い
ふつう
発泡スチロールとても軽い
木より少し重い

同じ大きさの箱に、鉄・木・発泡スチロールを1つずつ入れて重さを比べると、はっきりとした差が出ます。大きさが同じでも、ものの種類(材質)がちがえば重さはちがうのです。

ここで押さえたい考え方はこうです。

この2つは、いっけん矛盾しているように感じますが、実は「重さを決めるのは形ではなく、ものの種類と量」という同じ考えの表と裏です。

体積と重さのくらべ方

体積(かさ)をそろえてくらべる方法も学びます。水にしずめて、あふれた水の量から体積を調べる方法です。

水を満たした容器 ↓ 石を入れる あふれた水の量 = 石の体積

この方法を使うと、形が不規則な石ころでも体積を調べられます。同じ体積の石と発泡スチロールをつくり、重さを比べると、材質によるちがいがはっきり分かります。

身のまわりのもので、体積は同じくらいなのに重さがまったくちがう組み合わせを探してみるのも面白い学習です。例えば、同じ大きさの紙パックでも、中身がジュースか空気かで重さは大きくちがいます。

浮く・しずむとの関係

「重いものは水にしずみ、軽いものは水に浮く」と思われがちですが、これは正しくありません。大きな船は鉄でできていても水に浮きます

浮く・しずむを決めるのは、重さそのものではなく、同じ体積あたりの重さ(密度)です。鉄のかたまりはしずみますが、鉄でできた船は中が空洞で、同じ体積あたりの重さが水より軽くなるように作られているため浮きます。

3年生の段階では「密度」という言葉までは使いませんが、「同じ大きさでも、ものによって重さがちがう」という今回の学習が、この先の浮き沈みの理解につながる大切な一歩になります。

生活の中の「ものと重さ」

この単元の考え方は、日常のいろいろな場面で使われています。

また、粘土工作やお菓子作りで「材料を分けても全部集めれば元通り」という経験がある子は多いはずです。理科の実験は、こうした日常の経験を、はかりを使って正確に確かめる作業だと言えます。

つまずきやすいところ

その1 形が大きく見えると重いと思ってしまう

ねん土をのばすと「大きくなったから重くなった」と感じる子がいます。
実際にはかりで測って確かめることが、思いこみを正す一番の方法です。見た目と重さは別物だと、体験を通して理解します。

その2 体積と重さを同じものだと思ってしまう

「大きいものは重い」と決めつけてしまう。
同じ大きさの鉄と発泡スチロールを持ちくらべる体験が効果的です。大きさ(体積)と重さは別の性質だと実感できます。

その3 上皿てんびんの使い方を逆にしてしまう

調節ねじを合わせる順番や、分銅をのせる順番をまちがえやすいです。
「何もない状態でまず針を合わせる→軽い分銅から試す」の順番を、手順表を見ながら繰り返し練習します。

やってみよう

Q1 ねん土を丸めても、細長くのばしても、重さはどうなりますか。

A 変わりません。形をかえても、ねん土の量そのものは変わらないからです。

Q2 同じ大きさの鉄と発泡スチロールでは、どちらが重いですか。

A のほうが重いです。同じ大きさでも、ものの種類によって重さはちがいます。

Q3 鉄でできた大きな船が水に浮くのはなぜですか。

A 船は中が空洞になっていて、同じ体積あたりの重さが水より軽くなるように作られているからです。

Q4 おうちにあるねん土や紙で、形をかえて重さが変わらないことを確かめてみましょう。

A 電子はかりで、丸めた状態と、のばした状態・細かく分けた状態を比べて記録してみましょう。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、キッチンにある道具でそのまま実験できます。クッキーの粘土やアルミはく、輪ゴムなど、身近なものを使って「形をかえても重さは同じ」を確かめてみてください。
また、料理のときに「同じ1カップでも、小麦粉と水では重さがちがうね」と話しかけるだけでも、体積と重さのちがいを自然に意識できます。
もし電子はかりがご家庭にあれば、実際に0.1g単位で測って、ねん土の形をいろいろ変えても数字が変わらないことを確認すると、子どもは驚きながら納得します。ぜひ一緒に試してみてください。