毎日見ているかげ。でもどちら向きにできるかを意識したことはありますか。そこにはきまりがあります。
まず、かげができるためには何が必要でしょうか。
| 必要なもの | 説明 |
|---|---|
| ①光 | 太陽や電灯など。暗いところではかげはできない |
| ②光をさえぎるもの | 人や物。光を通すものではかげができにくい |
| ③かげが映る面 | 地面や壁 |
この3つがそろって、初めてかげができます。1つでも欠けたら、かげはできません。
曇りの日にかげができないのは、①の光が弱いからです。太陽の光が雲に散らばって、いろいろな方向から来るので、はっきりしたかげができません。
そして、いちばん大事なきまりがこれです。
光がまっすぐ進んで、人にさえぎられる。その後ろ側に光が届かない場所ができる。それがかげです。
かげの向きを調べるには、方位が必要です。3年生では方位磁針(ほういじしん)の使い方を学びます。
方位磁針の針は、色のついたほう(ふつう赤)が北を指します。
使い方には手順があります。
注意点もあります。鉄や磁石の近くでは正しく働きません。鉄の柱、机の金具、スマートフォンなどから離れて使います。
そして、東西南北を覚えるコツ。北を向いたとき、右が東、左が西、後ろが南です。
地図では上が北と決まっています。社会科の地図学習ともつながります。
この単元の中心が、かげが時間とともに動くことの観察です。
棒を立てて、1時間おきにかげの先に印をつけていきます。
| 時刻 | かげの向き | かげの長さ |
|---|---|---|
| 午前9時 | 西 | 長い |
| 午前10時 | 北西 | やや長い |
| 正午 | 北 | いちばん短い |
| 午後2時 | 北東 | やや長い |
| 午後3時 | 東 | 長い |
結果から、2つのことが分かります。
そして、かげは太陽の反対側にできるので、太陽の動きが逆算できます。
太陽は東から出て、南の空を通り、西にしずむ。かげの観察から、この結論にたどりつけます。
これは大きな発見です。直接見られないもの(太陽の動き)を、見えるもの(かげ)から推理したのです。理科の考え方そのものです。
太陽を肉眼で見ると、目を痛めます。ぜったいに直接見てはいけません。
太陽を観察するときは、遮光板(しゃこうばん)という専用の道具を使います。学校で必ず配られます。
サングラスや黒い下じきでは代用できません。危険です。
正午にかげがいちばん短くなるのは、なぜでしょうか。
太陽の高さが関係しています。太陽が低いとかげは長く、高いとかげは短くなります。
これは、家庭でも簡単に確かめられます。懐中電灯を鉛筆に当てて、光の角度を変えてみる。斜めから当てると長いかげ、真上から当てると短いかげができます。
そして、この関係は季節にもあてはまります。
1年生の生活科「きせつとあそぶ」で「冬はかげが長い」という話をしました。その理由が、ここでつながります。
そして、夏が暑く冬が寒い理由も、この太陽の高さにあります。太陽が高いほど、地面を強く温めるからです。
もう一つ、この単元では日なたと日かげの温度を比べます。
| 日なた | 日かげ | |
|---|---|---|
| 地面の温度 | 高い | 低い |
| 地面のようす | かわいている | しめっている |
| 明るさ | 明るい | 暗い |
日なたのほうが温かいのは、太陽の光が地面を温めているからです。
ここで、温度計の使い方も学びます。
とくに②おおうを忘れると、正しく測れません。温度計に直接日が当たると、地面の温度より高く出てしまいます。
また、同じ時刻に測ることも重要です。日なたを朝、日かげを昼に測ったら比べられません。条件をそろえるという、前の単元で学んだきまりがここでも生きます。
かげの動きにはきまりがあります。だから、かげを見れば時刻が分かります。
これを利用したのが日時計(ひどけい)です。時計がなかった時代、人々はかげで時間を知っていました。
作り方は単純です。棒を立てて、1時間ごとにかげの先に印をつけ、時刻を書き込む。それだけで日時計になります。
ただし、日時計には弱点があります。
それでも、何千年ものあいだ人類は日時計を使ってきました。エジプトのオベリスクも、巨大な日時計だったと言われています。
そして、この単元で学んだことはキャンプや災害時にも役立ちます。時計がなくても、太陽の位置とかげでだいたいの時刻が分かる。方角も分かる。知識が生きる力になる例です。
「太陽と同じ側にかげができる」と思ってしまう。
実際に外に出て確かめるのがいちばんです。晴れた日に立ってみれば、自分のかげが太陽の反対にあることがすぐ分かります。
針がゆれているうちに読んでしまう、傾けて持ってしまう。
水平に持って、止まるまで待つ。また、鉄の近くでは狂うので、場所を変えて確認します。
「かげは東→西に動く」と答えてしまう。
かげは太陽の反対なので、太陽が東→西なら、かげは西→東です。
紙に図を描いて、太陽とかげを両方書き込むと整理できます。
Q1 かげができるために必要な3つのものは?
A 光・光をさえぎるもの・かげが映る面。
Q2 かげが北を向いているとき、太陽はどの方角にありますか。
A 南。かげは太陽の反対側にできます。時刻は正午ごろです。
Q3 朝と正午では、どちらのかげが長いですか。なぜですか。
A 朝のほうが長い。太陽の位置が低いからです。
Q4 晴れた日に外へ出て、自分のかげがどちら向きか調べてみましょう。
A 方位磁針で確認します。時刻を変えて2回測ると、かげが動いていることが分かります。
この単元は、晴れた日に外に出るだけで学習できます。散歩のときに「かげ、どっち向いてる?」と聞いてみてください。
面白いのは、朝と夕方で同じ場所のかげがまったく逆を向いていることです。1日に2回、同じ場所で確かめると驚きます。
方位磁針は100円ショップでも手に入ります。1つあると、地図の学習にも使えます。
なお、太陽を直接見ないことは、家庭でも強く言っておいてください。「ちょっとなら大丈夫」と思って見てしまう子がいます。日食のときも同様です。専用の遮光板以外では見てはいけません。