3年 理科 音のふしぎ

音のふしぎ ── 音が出るとき、ものはふるえている

たいこをたたくと、ドンと音がする。そのとき、たいこの皮に手をあてると、ぶるぶるっと感じます。じつは音が出ているものは、ふるえているのです。耳に聞こえる音のひみつを、実験しながら順番に見ていきましょう。

音が出るとき、ものはふるえる

音が出ているものにそっとさわると、細かくふるえていることが分かります。このふるえが、音の正体です。

たとえば、たいこをたたくと、皮がふるえて音が出ます。たたいたあとの皮に指をあてると、ぶるぶるとしたふるえが伝わってきます。わゴムをはじいたときも、わゴムが細かくふるえて音が出ています。声を出しながら、のどに手をあてると、のども小さくふるえています。このように、音が出ているものは、かならずふるえています。「音=ものがふるえている」——これが、この単元でいちばん大切なことです。まずは、いろいろなものにさわって、ふるえを感じてみましょう。

ふるえを止めると、音も止まる

「音はふるえ」だとすると、ふるえを止めたら、音はどうなるでしょうか。

音が鳴っているたいこの皮を、手でぎゅっとおさえると、音がぴたっと止まります。これは、ふるえを手で止めたからです。鳴っているトライアングルや、シンバルを手でにぎっても、同じように音が止まります。ふるえが止まると、音も止まる。このことからも、「音はものがふるえて出ている」ことがよく分かります。反対に、ふるえている間は、音が鳴りつづけます。音を止めたいときは、音を出しているもののふるえを止めればよい、というわけです。楽器を演奏するときにも、このしくみが使われています。

大きい音・小さい音

音には、大きい音と小さい音があります。このちがいも、ふるえの大きさで決まります。

ふるえの大きさたたき方の例
大きい音大きくふるえるたいこを強くたたく
小さい音小さくふるえるたいこを弱くたたく

たいこを強くたたくと、皮が大きくふるえて、大きい音が出ます。弱くたたくと、皮のふるえは小さく、小さい音になります。つまり、大きい音のときはふるえが大きく、小さい音のときはふるえが小さいのです。たいこの上に小さな紙切れをのせてたたくと、大きい音のときほど紙切れが高くはねます。これは、ふるえが大きいことを目で見せてくれます。音の大きさは、ふるえの大きさで決まる、と覚えておきましょう。

音はふるえとなって伝わる

はなれたところの音が聞こえるのは、ふるえが、間にあるものを伝わってくるからです。

たいこの音がわたしたちの耳にとどくのは、皮のふるえが、まわりの空気を次々とふるわせ、そのふるえが耳まで伝わってくるからです。音は、空気の中を、ふるえとなって進んでいきます。じつは、空気だけでなく、水や、糸、鉄などのものの中も、音は伝わります。プールの中で水中の音が聞こえたり、遠くの電車の音が線路を伝わってきたりするのは、そのためです。音は、何もないところ(空気もないところ)では伝わりません。音を伝えてくれる「もの」があってこそ、わたしたちは音を聞くことができるのです。

音の伝わり方は、伝えるものによってちがいます。じつは、空気の中よりも、水や鉄などのかたいものの中のほうが、音は速く、よく伝わります。線路に耳をあてると、遠くの電車の音が、空気を伝わって聞こえるより早く伝わってくることがあります。また、遠くで花火が光ってから、少しおくれてドンという音が聞こえるのは、光にくらべて音が伝わるのに時間がかかるからです。音が「もの」を伝わって、少しずつ進んでいることが、こうした身近なできごとからも分かります。ふだん何気なく聞いている音にも、たくさんのふしぎがかくれているのです。

楽器はふるえで音を出す

まわりにある楽器も、じつは「ものをふるえさせて」音を出しています。何がふるえているかを見てみましょう。

ギターやことは、はった糸(弦)をはじいて、その糸をふるえさせて音を出します。たいこやたんばりんは、はった皮をたたいてふるえさせます。すず(りん)やトライアングルは、金ぞくそのものがふるえて音になります。リコーダーやふえは、中の空気をふるえさせて音を出しています。楽器のしゅるいはいろいろですが、どれも「何かをふるえさせている」という点は同じです。楽器を見つけたら、「これは何がふるえているのかな」と考えてみると、音のしくみがもっとよく分かります。えんそうしている楽器にそっとふれると、ふるえを感じられることもあります。ふるえ方を大きくすれば大きい音になる、というきまりも、楽器で確かめられます。

糸電話で確かめよう

音がふるえとなって伝わることは、糸電話でよく分かります。

紙コップ2つを糸でつなぎ、糸をぴんとはって話すと、はなれた相手に声がとどきます。話す人の声が紙コップの底をふるわせ、そのふるえが糸を伝わって、相手の紙コップをふるわせ、耳に声としてとどくのです。ここで、糸をたるませると、声は伝わりません。ふるえが糸をうまく伝わらないからです。また、話している間に糸を指でつまむと、そこでふるえが止まり、声がとどかなくなります。糸電話は、「音はふるえで、ものを伝わっていく」ことを、自分の手で確かめられる、楽しい実験です。ぜひ作ってためしてみましょう。

つまずきやすいところ

その1 音はふるえと関係ないと思う

音が出ているものは、かならずふるえています。
ふるえを止めると、音も止まります。

その2 大きい音は高い音だと思う

音の大きさは、ふるえの大きさで決まります。
強くたたくと大きい音、弱くたたくと小さい音です。

その3 糸をたるませても伝わると思う

糸電話は、糸をぴんとはらないと声が伝わりません。
たるむと、ふるえがうまく伝わらないからです。

たしかめよう

Q1 音が出ているものは、どうなっている?

A ふるえている

Q2 鳴っているたいこの皮を手でおさえると?

A 音が止まる(ふるえが止まるため)。

Q3 たいこを強くたたくと、音とふるえはどうなる?

A 大きい音になり、大きくふるえる

Q4 糸電話で声が伝わるのは、糸がどんなとき?

A ぴんとはっているとき

まとめ

おうちの方へ

「音のふしぎ」は、目に見えない音を、「ものがふるえている」という体感を通して理解する単元です。ポイントは、①音が出ているものはふるえている、②ふるえを止めると音も止まる、③音はふるえとして伝わる、の3つです。ご家庭では、たいこや空きばこ、輪ゴムギターなどを使い、実際にさわってふるえを感じさせるのがいちばんの近道です。たいこの上に紙切れや米つぶをのせてたたくと、ふるえが「はねる」ようすとして目に見え、理解が深まります。糸電話は身近な材料で作れて、「ぴんとはる/たるませる」「糸をつまむ」で結果が変わるため、実験のおもしろさを味わえます。「光(3年)」「風とゴムの力(3年)」の記事とあわせて読むと、身のまわりの現象を調べる目が育ちます。