アルミホイルは金属なのに、磁石につきません。でも電気は通します。2つは別のきまりで動いています。
まず、いろいろなものを磁石に近づけて調べます。
| もの | 材料 | 磁石につく? |
|---|---|---|
| クリップ | 鉄 | ○ |
| くぎ | 鉄 | ○ |
| はさみの刃 | 鉄(ステンレス) | ○(種類による) |
| アルミホイル | アルミニウム | × |
| 10円玉 | 銅 | × |
| 1円玉 | アルミニウム | × |
| わりばし | 木 | × |
| 下じき | プラスチック | × |
結論はこうです。磁石につくのは鉄だけ。
金属でも、アルミニウムや銅にはつきません。「金属だからつく」は間違いです。
子どもが驚くのが1円玉と10円玉です。お金は金属なのに、磁石につかない。実際にやってみると、はっきり分かります。
(正確にはニッケルやコバルトも磁石につきますが、3年生では「鉄」と覚えておけば十分です。)
磁石には、ほかの力にはない特徴があります。
さわっていなくても力がはたらくのです。これは不思議なことです。
2年生の生活科で作った「じしゃくめいろ」や「魚つりゲーム」は、この性質を使っていました。3年生では、それを実験で確かめます。
そして、はなれるほど力が弱くなることも分かります。近づけると急に「パチッ」とくっつくのは、近いほど力が強いからです。
さらに、間にはさむものの種類でも変わります。紙やプラスチックは磁石の力を通しますが、鉄板は通しません(鉄が磁石の力を吸い取ってしまうため)。
磁石には2つの極(きょく)があります。
そして、極どうしには次のきまりがあります。
| 組み合わせ | どうなる |
|---|---|
| N極 と S極 | 引きつけ合う |
| N極 と N極 | しりぞけ合う |
| S極 と S極 | しりぞけ合う |
ちがう極どうしは引き合い、同じ極どうしは反発する。
この「しりぞけ合う」が、子どもにとって面白い現象です。近づけようとしても、見えない力に押し返される。実際にやってみないと信じられない感覚です。
そして、大事な事実があります。磁石を半分に切っても、N極だけの磁石にはなりません。切ったところに新しくN極とS極ができて、小さい磁石が2つになります。
3年生でこの実験はしませんが、「磁石には必ず両方の極がある」ことは知っておくとよいでしょう。
「太陽とかげ」で使った方位磁針も、じつは小さな磁石です。
針のN極が北を指すのは、地球そのものが大きな磁石だからです。地球の北側にS極があるので、磁石のN極が引きつけられます。
だから、方位磁針に磁石を近づけると狂います。実際にやってみると、針がくるくる回ります。
次は電気です。豆電球と乾電池をつないだ回路の途中に、いろいろなものをはさんで調べます。
| もの | 材料 | 電気を通す? | 磁石につく? |
|---|---|---|---|
| クリップ | 鉄 | ○ | ○ |
| アルミホイル | アルミニウム | ○ | × |
| 10円玉 | 銅 | ○ | × |
| わりばし | 木 | × | × |
| ガラス | ガラス | × | × |
| けしゴム | ゴム | × | × |
結論は、電気を通すのは金属です。
ここで、磁石との違いがはっきりします。
アルミホイルと10円玉が、この違いを示す絶好の例です。磁石にはつかないのに、電気は通す。
この表を作ると、2つの性質は別のものだと目で分かります。混同しやすいところなので、表で整理するのが効果的です。
豆電球が光るためには、電気の通り道が輪になっている必要があります。これを回路といいます。
1か所でも切れていたら、電気は流れません。これが回路のいちばん大事なきまりです。
豆電球がつかないとき、原因はだいたい次のどれかです。
最後の「ビニールの上から」は、よくある失敗です。導線の外側のビニールは電気を通しません。中の金属線を出してつなぐ必要があります。
そして、なぜビニールで包んであるのでしょうか。電気がほかへ流れないようにするためです。むき出しの線どうしが触れると、危険です。
磁石と電気は、生活のあちこちで使われています。
| もの | どう使っているか |
|---|---|
| 冷蔵庫のドア | ぴったり閉じるように、ふちに磁石が入っている |
| ふでばこの留め具 | パチンと閉まる |
| 方位磁針 | 地球の磁力で北を指す |
| スピーカー | 磁石とコイルで音を出す |
| リニアモーターカー | しりぞけ合う力で浮かせて走る |
とくにリニアモーターカーは、「同じ極どうしがしりぞけ合う」性質をそのまま使っています。車体を浮かせることで、レールとの摩擦をなくし、高速で走れるのです。
こちらは数えきれません。照明、テレビ、冷蔵庫、エアコン、スマートフォン。電気なしの生活は考えられません。
そして、電気製品には必ず回路があります。スイッチを入れると回路がつながり、切ると回路が切れる。スイッチとは、回路をつないだり切ったりする道具なのです。
豆電球の実験で「1か所でも切れていたら光らない」と学びました。スイッチは、その性質を利用しています。
4年生では、電池を2個使った直列つなぎ・並列つなぎを学びます。5年生では、電気と磁石を組み合わせた電磁石へ。3年生のこの単元が、その出発点です。
いちばん多い誤解です。
アルミホイルと10円玉で実験すると、一発で解消します。「金属なのにつかない!」という驚きが、記憶に残ります。
「磁石につくものは電気を通す」と思ってしまう。
表を作って比べる。アルミホイルの行を見れば、違いがはっきりします。
電池の+から豆電球へつないだだけで、-に戻していない。
指でたどってみる。+から出て、豆電球を通って、-に戻る。1周できるか確認します。
Q1 磁石につくのは何ですか。
A 鉄。金属なら何でもつくわけではありません。
Q2 アルミホイルは磁石につきますか。電気は通しますか。
A 磁石にはつかないが、電気は通す。この違いが大事です。
Q3 N極とN極を近づけるとどうなりますか。
A しりぞけ合う。同じ極どうしは反発します。
Q4 豆電球がつきません。確かめることを3つ挙げましょう。
A つなぎ目が外れていないか、豆電球がゆるくないか、電池の向き、電池や豆電球が切れていないか、ビニールの上からつないでいないか。
この単元は、家にある磁石で簡単に確かめられます。冷蔵庫のマグネット1つあれば十分です。
おすすめは「家じゅうのものを磁石に近づけてみる」ことです。予想してから試すと、外れたときの驚きが学びになります。特に1円玉・10円玉・アルミ缶は、「金属なのにつかない」という発見につながります。
豆電球の実験は道具が必要ですが、学校で経験しているはずです。「なんでつかなかった?」と聞いてみると、原因を探した経験が出てきます。
また、方位磁針に磁石を近づけると針が狂う実験も面白いです。「太陽とかげ」の単元とつながり、地球が大きな磁石だという話にも広がります。