3年 理科 光の性質

光の性質 ── 光はまっすぐ進む。だから、はね返せる

たった1つの性質「まっすぐ進む」から、かげも、鏡も、虫めがねも説明できます。

光はまっすぐ進む

この単元の出発点であり、すべての基本です。光は、まっすぐにしか進みません

ふだんは目に見えませんが、条件がそろうと光の道すじが見えます。

どれもまっすぐです。曲がった光を見たことはありません。

そして、この性質からかげができる理由が説明できます。

光がまっすぐ進む ↓ 物にぶつかると、そこで止まる ↓ 物の後ろには光が届かない ↓ そこがかげになる

もし光が曲がって進めるなら、物の後ろに回りこんでしまい、かげはできません。まっすぐ進むからこそ、かげができるのです。

前の単元「太陽とかげ」で学んだことが、ここで理由まで理解できます。

鏡ではね返す

光は、鏡に当たるとはね返ります。これを反射(はんしゃ)といいます。

この単元では、鏡を使って光を思った方向へ送る実験をします。

☀ 太陽 \ \ \ ━━━━━━━鏡━━━━━━ / / / かべ(明るい点ができる)

鏡の向きを変えると、光の当たる場所も変わります。鏡を少し動かすと、遠くの光は大きく動きます

そして、こんな実験もできます。

とくに光を集める実験が重要です。

鏡の枚数明るさ温度
1枚明るい少し温かい
3枚もっと明るいもっと温かい
5枚とても明るいかなり温かい

光を集めるほど、明るく、あたたかくなる。これがこの単元の重要な結論です。

ここでも、前の単元で学んだ条件をそろえる考え方を使います。鏡の枚数だけを変えて、当てる場所・時間・天気は同じにする。そうして初めて比べられます。

虫めがねで集める

鏡よりもっと強力に光を集められるのが虫めがね(凸レンズ)です。

☀☀☀☀☀ 太陽の光 ↓↓↓↓↓ ━━━━━━━ 虫めがね \|/ \|/ ● ← 一点に集まる(とても熱い)

虫めがねを紙にかざすと、光が小さな点に集まります。この点を小さくするほど、明るく、熱くなります

黒い紙なら、しばらくするとけむりが出て、こげます。太陽の光だけで、火がつくほどの熱さになるのです。

やけどと火事に注意

虫めがねの実験は、大人と一緒に行ってください。
・集めた光を人や動物に当てない(やけどします)
燃えやすいものの近くでやらない
・実験後は水をかけて完全に消す
虫めがねで太陽を見ない(目を痛めます)
とくに最後は絶対です。虫めがね越しに太陽を見ると、集まった光が目に入り、重大な事故になります。

そして、虫めがねが「ものを大きく見せる道具」でもあることに気づきます。光を曲げているから、大きく見えるのです。

「まっすぐ進む」と言いましたが、ガラスや水に入るときは曲がります。これを屈折(くっせつ)といい、中学で詳しく学びます。3年生では「レンズを通ると集まる」ことだけおさえます。

明るさと温度の関係

実験から分かった結論を整理します。

光を集める ↓ 明るくなる + 温度が上がる → 光は「明るさ」だけでなく 「熱」も運んでいる

これは重要な発見です。光にはエネルギーがあるということだからです。

身のまわりで、この性質が使われている例があります。

ものどう使っているか
太陽光発電光を電気に変える
太陽熱温水器光で水をあたためる
ソーラークッカー鏡で光を集めて調理する
温室光を入れて中をあたためる
黒い服光を吸収してあたたかい

とくにソーラークッカーは、この単元の実験そのものです。大きな鏡で太陽の光を集め、その熱で料理をします。燃料がなくても調理できるので、災害時や電気の届かない地域で使われています。

そして、色による違いも学びます。

夏に白い服を着ると涼しいのは、この性質のためです。逆に、冬の黒い服はあたたかい。科学が生活の知恵とつながる例です。

実験のやり方

光の実験は、天気に左右されます。準備のコツがあります。

  1. 晴れた日を選ぶ くもりでは光が弱い
  2. 時間帯を考える 正午前後が光が強い
  3. 同じ日・同じ時間に比べる 条件をそろえる
  4. 温度計で測る 「あたたかい」より数値で
  5. 記録を残す 温度・時間・鏡の枚数

とくに③同じ日・同じ時間が大事です。鏡1枚を午前中、3枚を午後に測ったら、太陽の高さが変わっているので比べられません。

また、温度計で数値を出すことも3年生では求められます。「あたたかくなった」ではなく「20度から28度になった」。数値があると、はっきり比べられます

そして、記録用紙にはこう書きます。

【調べたいこと】鏡の枚数と温度の関係 【変えるもの】鏡の枚数(1枚・3枚) 【そろえるもの】日時、当てる場所、当てる時間、温度計 【予想】鏡が多いほど温度が高くなる 【結果】1枚:24度 3枚:31度 【考察】鏡を増やすほど温度が上がる。 光を集めると熱も集まるからだと考えられる。

この形式は、4年生・5年生・6年生でずっと使います。3年生のうちに慣れておくと、後がスムーズです。

つまずきやすいところ

その1 光が曲がると思っている

かげの説明で混乱する。
暗い部屋で懐中電灯を使うと、光の道すじが見えます。まっすぐであることを目で確かめると納得します。

その2 鏡の向きの調整が難しい

思った場所に光を当てられない。
これは慣れです。少しずつ動かすこと、そして遠くの的ほど大きく動くことを知っておくと調整しやすくなります。
2人組で「もう少し右」と声をかけ合うとうまくいきます。

その3 「明るい」と「あたたかい」を別々に考える

光が熱を運ぶことに気づかない。
温度計で測ると、はっきりします。明るい場所ほど温度が高い、という数値の対応を見せると理解できます。

やってみよう

Q1 光はどのように進みますか。

A まっすぐ進みます。曲がりません。

Q2 かげができる理由を、光の性質から説明しましょう。

A 光がまっすぐ進むので、物にさえぎられると後ろに届かないから。

Q3 鏡の枚数を増やすと、当てた場所はどうなりますか。

A 明るくなり、温度も高くなる。光を集めると熱も集まります。

Q4 夏に白い服を着ると涼しいのはなぜですか。

A 白は光をはね返すから。黒は光を吸収するのであたたまりやすくなります。

まとめ

おうちの方へ

光の実験は、晴れた日なら家でもできます。手鏡1枚で、壁に光を当てるだけでも十分な観察になります。
ただし虫めがねの実験は、必ず大人が付き添ってください。実際に紙が焦げるほどの熱になります。そして「虫めがねで太陽を見ない」ことは、繰り返し伝えてください。目に取り返しのつかない損傷を負う危険があります。
日常の中でも、光の話はできます。「なんで木もれ日はまっすぐなんだろう」「黒い車と白い車、どっちが暑い?」──身のまわりに教材があります。
また、この単元で学ぶ「温度計で数値を測る」「条件をそろえる」は、4年生以降の理科の基本です。実験そのものより、この進め方に慣れることに価値があります。