3年 国語 報告する文章

報告する文章 ── 調べたことと、思ったことを分けて書く

作文とはちがいます。事実と感想を区別する──これができるかどうかが、この単元のすべてです。

作文と報告文はちがう

作文(日記・生活文)報告文
書くこと自分の経験と気持ち調べて分かった事実
中心感想情報
読む人だれでも知りたい人
組み立て自由決まった型がある
大事なこと気持ちが伝わる正確に伝わる

いちばんの違いは、「気持ち」が中心か「情報」が中心かです。

作文なら「たのしかった」で終わってもよい。でも報告文で「たのしかった」だけでは、読む人は何も分かりません。

報告文の目的は、読んだ人が「へえ、そうなんだ」と知ることです。だから、正確さが求められます。

事実と感想を分ける

この単元でいちばん大事なことです。

事実感想
とは実際にそうであること自分がどう思ったか
確かめられる?確かめられる確かめられない
人によって変わらない変わる
「パンは1日3000個作られる」「すごいと思った」

見分け方は、「誰が調べても同じになるか」です。

「1日3000個」は、誰が数えても3000個。これは事実。

「すごい」は、人によって違います。3000個をすごいと思う人もいれば、思わない人もいる。これは感想。

△ 事実と感想が混ざっている 「工場ではすごくたくさんのパンを 作っていて、びっくりしました。」 ○ 分けて書く 【分かったこと】 工場では1日に3000個のパンを作っている。 【思ったこと】 3000個も作っていると聞いて、びっくりした。

分けて書くと、読む人が「どこまでが事実か」を判断できます

これは大人の世界でも重要です。ニュース、レポート、会議の資料。すべて事実と意見を分けることが求められます。3年生から始まる、一生使う技術です。

報告文の組み立て

報告文には型があります。この型に沿えば、誰でも書けます。

  1. 調べたきっかけ・目的 なぜ調べようと思ったか
  2. 調べ方 どうやって調べたか
  3. 調べて分かったこと いちばん長い部分
  4. まとめ・感想 思ったこと、これから

それぞれ、こんなことを書きます。

①きっかけ・目的

「わたしは、給食のパンがどこで作られて いるのか気になりました。そこで、 近くのパン工場を見学しました。」

読む人に「何についての報告か」を最初に伝えます。

②調べ方

「10月5日に、○○パン工場へ行き、 工場長の田中さんに話を聞きました。」

いつ・どこで・だれにを書きます。これがあると、報告の信頼性が上がります。

③分かったこと

ここが中心です。いくつかに分けて書くと読みやすくなります。

【作る数について】 1日に3000個のパンを作っている。 【働く人について】 朝の3時から仕事が始まる。 【くふうについて】 温度を1度単位で管理している。

小見出しをつけると、さらに分かりやすくなります。

④まとめ・感想

「毎日食べているパンが、たくさんの人の くふうでできていると分かりました。 これからは感しゃして食べたいです。」

ここで初めて感想を書きます。③までは事実だけ。この区別が大事です。

調べ方の種類

報告文を書くには、まず調べる必要があります。方法はいくつかあります。

方法よいところ気をつけること
見学する自分の目で確かめられる行ける場所が限られる
インタビューくわしく聞ける、質問できる相手の都合を考える
本で調べるくわしい情報がある古い情報のことも
インターネット早い、量が多い正しいとは限らない
アンケート多くの人の考えが分かる質問の作り方が難しい

とくにインターネットには注意が必要です。誰でも書けるので、まちがった情報もあります

3年生では、次のことを知っておきます。

そして、調べた情報がどこから来たかを書くことも大事です。「○○の本によると」「○○さんの話では」。出どころを示すのは、報告文の基本ルールです。

メモの取り方

調べたことは、その場でメモします。あとで思い出そうとしても無理です。
2年生の町たんけんで学んだように、単語だけ・数字だけでかまいません。
ただし、数字は正確に。「たくさん」ではなく「3000個」と書き取ります。数字は報告文の説得力になります。

図や表を使う

報告文では、文章だけでなく図や表も使えます

使うものむいている情報
いくつかの項目を比べる
ぼうグラフ数量の大小を見せる
絵・写真形や様子を見せる
地図場所を示す

算数で学んだ表とぼうグラフが、ここで役に立ちます。教科をまたいで使える知識です。

図や表を入れるときのルールがあります。

とくに本文から参照するのを忘れがちです。図をただ貼るだけでなく、文章の中で「図1を見てください」と案内する。これで文と図がつながります。

つまずきやすいところ

その1 事実と感想が混ざる

「すごくたくさん作っていました」──「たくさん」は感想、「すごく」も感想です。
数字に置きかえると事実になります。「3000個作っていました」。
書いたあと、「これは確かめられる?」と一文ずつ確認します。

その2 感想ばかりになる

作文の癖で、思ったことばかり書いてしまう。
「分かったこと」の欄を先に埋める。事実を書いてから感想を書く順序にすると、バランスが取れます。

その3 調べたことを全部書こうとする

メモを全部使おうとして、まとまらない。
読む人がいちばん知りたいことは何かを考えて選びます。全部書く必要はありません。
3つくらいに絞ると、読みやすい報告文になります。

やってみよう

Q1 次のうち、事実はどれですか。「工場は駅から歩いて5分だった」「工場はとても近かった」

A 前者が事実。「5分」は誰が測っても同じ。「近い」は人によって感じ方が違います。

Q2 「すごくたくさんのパンがありました」を、事実の文に書き直しましょう。

A 「500個のパンがならんでいました」など。数字にするのがコツです。

Q3 報告文の4つの部分を言えますか。

A ①きっかけ・目的 ②調べ方 ③分かったこと ④まとめ・感想。

Q4 インターネットで調べるとき、気をつけることは?

A 正しいとは限らないこと。誰が書いたかを見て、2つ以上で確かめます。

Q5 身近なことを1つ選んで、報告文を書いてみましょう。何を調べますか。

A 給食がどこで作られるか、家の近くのお店の歴史、飼っている生き物のこと。自分が本当に知りたいことを選ぶと書きやすくなります。

報告文を書くとき、いちばん大事なのは題材選びかもしれません。自分が興味のないことを調べても、書くのが苦しいだけです。

逆に「知りたい」と思ったことなら、調べるのも書くのも楽しくなります。「なんでだろう?」と思ったことをメモしておくと、報告文の題材が自然にたまっていきます。

まとめ

おうちの方へ

「事実と感想を分ける」は、この単元でいちばん価値のある学びです。大人でも意識できていない人が多いですが、レポートでも会議でも仕事のメールでも必要になります。
お子さんが報告文を書いたら、一文ずつ「これは確かめられる?」と聞いてみてください。「すごい」「たくさん」といった言葉が見つかったら、数字に置きかえられないか考えさせます。
また、調べ学習は家庭の協力があると深まります。図書館へ行く、実際に見に行く、詳しい人に聞く。ネットだけで済ませないことが、この時期は特に大切です。
インターネットの情報を鵜呑みにしない姿勢も、3年生から育てておきたいところです。「誰が書いたのかな?」と一言添えるだけで、意識が変わります。