作文とはちがいます。事実と感想を区別する──これができるかどうかが、この単元のすべてです。
| 作文(日記・生活文) | 報告文 | |
|---|---|---|
| 書くこと | 自分の経験と気持ち | 調べて分かった事実 |
| 中心 | 感想 | 情報 |
| 読む人 | だれでも | 知りたい人 |
| 組み立て | 自由 | 決まった型がある |
| 大事なこと | 気持ちが伝わる | 正確に伝わる |
いちばんの違いは、「気持ち」が中心か「情報」が中心かです。
作文なら「たのしかった」で終わってもよい。でも報告文で「たのしかった」だけでは、読む人は何も分かりません。
報告文の目的は、読んだ人が「へえ、そうなんだ」と知ることです。だから、正確さが求められます。
この単元でいちばん大事なことです。
| 事実 | 感想 | |
|---|---|---|
| とは | 実際にそうであること | 自分がどう思ったか |
| 確かめられる? | 確かめられる | 確かめられない |
| 人によって | 変わらない | 変わる |
| 例 | 「パンは1日3000個作られる」 | 「すごいと思った」 |
見分け方は、「誰が調べても同じになるか」です。
「1日3000個」は、誰が数えても3000個。これは事実。
「すごい」は、人によって違います。3000個をすごいと思う人もいれば、思わない人もいる。これは感想。
分けて書くと、読む人が「どこまでが事実か」を判断できます。
これは大人の世界でも重要です。ニュース、レポート、会議の資料。すべて事実と意見を分けることが求められます。3年生から始まる、一生使う技術です。
報告文には型があります。この型に沿えば、誰でも書けます。
それぞれ、こんなことを書きます。
読む人に「何についての報告か」を最初に伝えます。
いつ・どこで・だれにを書きます。これがあると、報告の信頼性が上がります。
ここが中心です。いくつかに分けて書くと読みやすくなります。
小見出しをつけると、さらに分かりやすくなります。
ここで初めて感想を書きます。③までは事実だけ。この区別が大事です。
報告文を書くには、まず調べる必要があります。方法はいくつかあります。
| 方法 | よいところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| 見学する | 自分の目で確かめられる | 行ける場所が限られる |
| インタビュー | くわしく聞ける、質問できる | 相手の都合を考える |
| 本で調べる | くわしい情報がある | 古い情報のことも |
| インターネット | 早い、量が多い | 正しいとは限らない |
| アンケート | 多くの人の考えが分かる | 質問の作り方が難しい |
とくにインターネットには注意が必要です。誰でも書けるので、まちがった情報もあります。
3年生では、次のことを知っておきます。
そして、調べた情報がどこから来たかを書くことも大事です。「○○の本によると」「○○さんの話では」。出どころを示すのは、報告文の基本ルールです。
調べたことは、その場でメモします。あとで思い出そうとしても無理です。
2年生の町たんけんで学んだように、単語だけ・数字だけでかまいません。
ただし、数字は正確に。「たくさん」ではなく「3000個」と書き取ります。数字は報告文の説得力になります。
報告文では、文章だけでなく図や表も使えます。
| 使うもの | むいている情報 |
|---|---|
| 表 | いくつかの項目を比べる |
| ぼうグラフ | 数量の大小を見せる |
| 絵・写真 | 形や様子を見せる |
| 地図 | 場所を示す |
算数で学んだ表とぼうグラフが、ここで役に立ちます。教科をまたいで使える知識です。
図や表を入れるときのルールがあります。
とくに本文から参照するのを忘れがちです。図をただ貼るだけでなく、文章の中で「図1を見てください」と案内する。これで文と図がつながります。
「すごくたくさん作っていました」──「たくさん」は感想、「すごく」も感想です。
数字に置きかえると事実になります。「3000個作っていました」。
書いたあと、「これは確かめられる?」と一文ずつ確認します。
作文の癖で、思ったことばかり書いてしまう。
「分かったこと」の欄を先に埋める。事実を書いてから感想を書く順序にすると、バランスが取れます。
メモを全部使おうとして、まとまらない。
読む人がいちばん知りたいことは何かを考えて選びます。全部書く必要はありません。
3つくらいに絞ると、読みやすい報告文になります。
Q1 次のうち、事実はどれですか。「工場は駅から歩いて5分だった」「工場はとても近かった」
A 前者が事実。「5分」は誰が測っても同じ。「近い」は人によって感じ方が違います。
Q2 「すごくたくさんのパンがありました」を、事実の文に書き直しましょう。
A 「500個のパンがならんでいました」など。数字にするのがコツです。
Q3 報告文の4つの部分を言えますか。
A ①きっかけ・目的 ②調べ方 ③分かったこと ④まとめ・感想。
Q4 インターネットで調べるとき、気をつけることは?
A 正しいとは限らないこと。誰が書いたかを見て、2つ以上で確かめます。
Q5 身近なことを1つ選んで、報告文を書いてみましょう。何を調べますか。
A 給食がどこで作られるか、家の近くのお店の歴史、飼っている生き物のこと。自分が本当に知りたいことを選ぶと書きやすくなります。
報告文を書くとき、いちばん大事なのは題材選びかもしれません。自分が興味のないことを調べても、書くのが苦しいだけです。
逆に「知りたい」と思ったことなら、調べるのも書くのも楽しくなります。「なんでだろう?」と思ったことをメモしておくと、報告文の題材が自然にたまっていきます。
「事実と感想を分ける」は、この単元でいちばん価値のある学びです。大人でも意識できていない人が多いですが、レポートでも会議でも仕事のメールでも必要になります。
お子さんが報告文を書いたら、一文ずつ「これは確かめられる?」と聞いてみてください。「すごい」「たくさん」といった言葉が見つかったら、数字に置きかえられないか考えさせます。
また、調べ学習は家庭の協力があると深まります。図書館へ行く、実際に見に行く、詳しい人に聞く。ネットだけで済ませないことが、この時期は特に大切です。
インターネットの情報を鵜呑みにしない姿勢も、3年生から育てておきたいところです。「誰が書いたのかな?」と一言添えるだけで、意識が変わります。