3年 国語 修飾語

修飾語 ── どの言葉にかかっているかで意味が変わる

文をくわしくする言葉。でもどこにかかるかを間違えると、まったく違う意味になってしまいます。

文の3つめの要素

2年生で、文には主語述語があると学びました。3年生では、そこに修飾語が加わります。

犬が 走る。 ↑ ↑ 主語 述語 ← これだけでも文になる 白い 犬が 速く 走る。 ↑ ↑ 修飾語 修飾語 ← くわしくする言葉

修飾語はなくても文は成り立ちます。でも、あると情報が増えます。

分かること
犬が走る。犬が走っている
白い犬が走る。+どんな犬か
白い犬が速く走る。+どのように走るか
公園で白い犬が速く走る。+どこで

修飾語を足していくと、読む人の頭に浮かぶ映像がはっきりしていきます。これが修飾語の役目です。

修飾語が答える質問

修飾語は、いくつかの質問に答える形で分類できます。

質問修飾語の例
どんな白い犬、大きな
どのように速く走る、静かに読む
いつきのう行った、起きる
どこで公園で遊ぶ、家に帰る
だれと友だちと話す
何を本を読む、水を飲む
どれくらい3回読む、とても寒い

この表を使うと、作文をくわしくする方法が分かります。「たのしかった」だけの作文に、この質問を投げかけてみます。

「たのしかった」 いつ?  → 日曜日に どこで? → 公園で だれと? → 友だちと 何を?  → サッカーを どのように?→ むちゅうになって 「日曜日に公園で友だちとサッカーを むちゅうになってやって、たのしかった」

2年生の作文で学んだ「くわしく書く」が、文法の言葉で説明できるようになったのです。

どの言葉にかかっているか

ここがこの単元の核心です。修飾語は、必ずどれかの言葉にかかっています

大きな 犬の 家 「大きな」は何にかかる? ① 大きな犬 の家 → 犬が大きい ② 大きな(犬の家)→ 家が大きい

この文は2通りに読めてしまいます。大きいのは犬なのか、家なのか。

こういう文をあいまいな文といいます。書いた人には分かっていても、読む人には伝わりません。

直すには、語順を変えるか、読点(、)を打つ方法があります。

犬が大きい場合 → 「犬の大きな家」ではなく 「大きな犬の、家」(読点を打つ) → または「大きい犬が住む家」 家が大きい場合 → 「犬の大きな家」(語順を変える)

もう一つ、有名な例を見てみましょう。

「わたしは 泣きながら 走る 弟を 追いかけた」 泣いているのは誰? ① わたし(泣きながら → 追いかけた) ② 弟  (泣きながら → 走る) どちらにも読める!

この問題を解決するには、修飾語をかかる言葉の近くに置くのが原則です。

弟が泣いている場合 → 「わたしは、泣きながら走る弟を追いかけた」 わたしが泣いている場合 → 「泣きながら、わたしは走る弟を追いかけた」

語順と読点で、意味をはっきりさせる。これは作文を書くうえで一生使う技術です。

近くに置くのが原則

修飾語は、かかる言葉のすぐ前に置くのが基本です。離れるほど、あいまいになります。
作文を書いたあと、「この言葉、どこにかかってる?」と自分で確かめる習慣をつけると、伝わる文が書けるようになります。

文の骨組みを見つける

修飾語を学ぶと、長い文を読み解く力がつきます。

「きのう公園で友だちと遊んだ弟は、 夕方になってやっと家に帰ってきた。」 修飾語をすべて取り除くと… 「弟は 帰ってきた。」 ← これが文の骨組み(主語と述語)

どんなに長い文でも、主語と述語という骨組みがあります。修飾語はその周りについた肉です。

読解でつまずく子の多くは、長い文を見ると混乱します。でも骨組みを取り出せれば、文の中心は簡単に分かります

手順はこうです。

  1. 述語を探す 文の最後にある
  2. 「だれが(何が)」と聞く → 主語が見つかる
  3. 残りは修飾語 どこにかかるか確かめる

この方法は、5年生・6年生の複雑な文でも使えます。3年生のうちに身につけておくと、高学年の読解が楽になります

修飾語を使いすぎない

修飾語は便利ですが、多すぎると読みにくくなります

△ 修飾語が多すぎる文 「きのうの朝早く近所の大きな公園で  仲のいい友だちと元気よく楽しく  サッカーをした。」 ○ 分けて書く 「きのうの朝早く、近所の大きな公園へ行った。  仲のいい友だちと、元気よくサッカーをした。」

1つの文に情報を詰め込みすぎると、読む人が処理しきれません。2つの文に分けるほうが、ずっと読みやすくなります。

これは1年生で学んだ「短い文をいくつか」の考え方と同じです。修飾語を学んだからといって、長い文を書けばよいわけではありません。

目安としては、1つの文に修飾語は3つまで。それ以上になりそうなら、文を分けることを考えます。

また、似た意味の修飾語を重ねないことも大切です。「元気よく楽しく」は、どちらも似た意味です。どちらか1つで十分伝わります。

つまずきやすいところ

その1 修飾語と主語を混同する

「公園で」を主語だと思ってしまう。
主語は「だれが・何が」に答える言葉です。「公園で」は「どこで」に答えているので修飾語。
述語から「だれが?」と聞いて出てくるものが主語、と手順を決めておきます。

その2 かかる言葉が分からない

修飾語がどこにかかるか判断できない。
修飾語の直後の言葉から順に、意味が通るか試す。「白い→犬」は通る。「白い→走る」は通らない。
声に出して確かめると分かりやすくなります。

その3 あいまいな文に気づかない

自分では分かっているので、2通りに読めることに気づかない。
書いたものを人に読んでもらうのがいちばんです。「これ、どっちの意味?」と聞かれて初めて気づきます。

やってみよう

Q1 「大きな白い犬がゆっくり歩く。」の主語と述語は?

A 述語は「歩く」、主語は「犬が」。「大きな」「ゆっくり」は修飾語です。

Q2 「ゆっくり」はどの言葉にかかっていますか。

A 「歩く」。どのように歩くかを表しています。

Q3 「たのしかった」に、5つの質問(いつ・どこで・だれと・何を・どのように)を使ってくわしくしましょう。

A 例:「土曜日に体育館で妹とバドミントンを夢中になってやって、たのしかった」

Q4 「わたしはいそいで走る弟を呼んだ」──いそいでいるのは誰?直してみましょう。

A どちらにも読めます。弟なら「わたしは、いそいで走る弟を呼んだ」、自分なら「いそいで、わたしは走る弟を呼んだ」。

Q5 「昨日買った本の表紙が破れていた」から、修飾語をすべて取り除くと?

A 「表紙が破れていた」。これが文の骨組みです。

Q5のように、骨組みだけにすると文が驚くほど短くなります。長い文が読めないときは、この作業をやってみてください。

そして、骨組みが分かったうえで修飾語を戻していくと、それぞれの情報がどこにかかるのかが整理されて見えてきます。「昨日買った」は「本」の説明、「本の」は「表紙」の説明。順番に読み解けます。

まとめ

おうちの方へ

修飾語の学習は、作文力と読解力の両方に効きます。書くときは「くわしくする道具」、読むときは「骨組みを見つける手がかり」になります。
お子さんの作文が「楽しかった」で終わっているときは、5つの質問(いつ・どこで・だれと・何を・どのように)を投げかけてみてください。答えたことを書き足すだけで、内容が豊かになります。
また、長い文が読めないときは「述語はどれ?」「だれがしたの?」と聞いて、骨組みを取り出す練習をしてみてください。修飾語を取り除くと、驚くほど単純な文が現れます。
あいまいな文の話は、大人でも役立ちます。仕事のメールでも「どこにかかるか分からない文」はトラブルのもとです。親子で例文を作って遊ぶと、意外と盛り上がります。