文をくわしくする言葉。でもどこにかかるかを間違えると、まったく違う意味になってしまいます。
2年生で、文には主語と述語があると学びました。3年生では、そこに修飾語が加わります。
修飾語はなくても文は成り立ちます。でも、あると情報が増えます。
| 文 | 分かること |
|---|---|
| 犬が走る。 | 犬が走っている |
| 白い犬が走る。 | +どんな犬か |
| 白い犬が速く走る。 | +どのように走るか |
| 公園で白い犬が速く走る。 | +どこで |
修飾語を足していくと、読む人の頭に浮かぶ映像がはっきりしていきます。これが修飾語の役目です。
修飾語は、いくつかの質問に答える形で分類できます。
| 質問 | 修飾語の例 |
|---|---|
| どんな | 白い犬、大きな家 |
| どのように | 速く走る、静かに読む |
| いつ | きのう行った、朝起きる |
| どこで | 公園で遊ぶ、家に帰る |
| だれと | 友だちと話す |
| 何を | 本を読む、水を飲む |
| どれくらい | 3回読む、とても寒い |
この表を使うと、作文をくわしくする方法が分かります。「たのしかった」だけの作文に、この質問を投げかけてみます。
2年生の作文で学んだ「くわしく書く」が、文法の言葉で説明できるようになったのです。
ここがこの単元の核心です。修飾語は、必ずどれかの言葉にかかっています。
この文は2通りに読めてしまいます。大きいのは犬なのか、家なのか。
こういう文をあいまいな文といいます。書いた人には分かっていても、読む人には伝わりません。
直すには、語順を変えるか、読点(、)を打つ方法があります。
もう一つ、有名な例を見てみましょう。
この問題を解決するには、修飾語をかかる言葉の近くに置くのが原則です。
語順と読点で、意味をはっきりさせる。これは作文を書くうえで一生使う技術です。
修飾語は、かかる言葉のすぐ前に置くのが基本です。離れるほど、あいまいになります。
作文を書いたあと、「この言葉、どこにかかってる?」と自分で確かめる習慣をつけると、伝わる文が書けるようになります。
修飾語を学ぶと、長い文を読み解く力がつきます。
どんなに長い文でも、主語と述語という骨組みがあります。修飾語はその周りについた肉です。
読解でつまずく子の多くは、長い文を見ると混乱します。でも骨組みを取り出せれば、文の中心は簡単に分かります。
手順はこうです。
この方法は、5年生・6年生の複雑な文でも使えます。3年生のうちに身につけておくと、高学年の読解が楽になります。
修飾語は便利ですが、多すぎると読みにくくなります。
1つの文に情報を詰め込みすぎると、読む人が処理しきれません。2つの文に分けるほうが、ずっと読みやすくなります。
これは1年生で学んだ「短い文をいくつか」の考え方と同じです。修飾語を学んだからといって、長い文を書けばよいわけではありません。
目安としては、1つの文に修飾語は3つまで。それ以上になりそうなら、文を分けることを考えます。
また、似た意味の修飾語を重ねないことも大切です。「元気よく楽しく」は、どちらも似た意味です。どちらか1つで十分伝わります。
「公園で」を主語だと思ってしまう。
主語は「だれが・何が」に答える言葉です。「公園で」は「どこで」に答えているので修飾語。
述語から「だれが?」と聞いて出てくるものが主語、と手順を決めておきます。
修飾語がどこにかかるか判断できない。
修飾語の直後の言葉から順に、意味が通るか試す。「白い→犬」は通る。「白い→走る」は通らない。
声に出して確かめると分かりやすくなります。
自分では分かっているので、2通りに読めることに気づかない。
書いたものを人に読んでもらうのがいちばんです。「これ、どっちの意味?」と聞かれて初めて気づきます。
Q1 「大きな白い犬がゆっくり歩く。」の主語と述語は?
A 述語は「歩く」、主語は「犬が」。「大きな」「ゆっくり」は修飾語です。
Q2 「ゆっくり」はどの言葉にかかっていますか。
A 「歩く」。どのように歩くかを表しています。
Q3 「たのしかった」に、5つの質問(いつ・どこで・だれと・何を・どのように)を使ってくわしくしましょう。
A 例:「土曜日に体育館で妹とバドミントンを夢中になってやって、たのしかった」
Q4 「わたしはいそいで走る弟を呼んだ」──いそいでいるのは誰?直してみましょう。
A どちらにも読めます。弟なら「わたしは、いそいで走る弟を呼んだ」、自分なら「いそいで、わたしは走る弟を呼んだ」。
Q5 「昨日買った本の表紙が破れていた」から、修飾語をすべて取り除くと?
A 「表紙が破れていた」。これが文の骨組みです。
Q5のように、骨組みだけにすると文が驚くほど短くなります。長い文が読めないときは、この作業をやってみてください。
そして、骨組みが分かったうえで修飾語を戻していくと、それぞれの情報がどこにかかるのかが整理されて見えてきます。「昨日買った」は「本」の説明、「本の」は「表紙」の説明。順番に読み解けます。
修飾語の学習は、作文力と読解力の両方に効きます。書くときは「くわしくする道具」、読むときは「骨組みを見つける手がかり」になります。
お子さんの作文が「楽しかった」で終わっているときは、5つの質問(いつ・どこで・だれと・何を・どのように)を投げかけてみてください。答えたことを書き足すだけで、内容が豊かになります。
また、長い文が読めないときは「述語はどれ?」「だれがしたの?」と聞いて、骨組みを取り出す練習をしてみてください。修飾語を取り除くと、驚くほど単純な文が現れます。
あいまいな文の話は、大人でも役立ちます。仕事のメールでも「どこにかかるか分からない文」はトラブルのもとです。親子で例文を作って遊ぶと、意外と盛り上がります。