3年生で習う漢字は200字。丸暗記では追いつきません。部品の意味を知ることが突破口です。
| 学年 | 習う漢字 | 累計 |
|---|---|---|
| 1年 | 80字 | 80字 |
| 2年 | 160字 | 240字 |
| 3年 | 200字 | 440字 |
| 4年 | 202字 | 642字 |
3年生で1000字を超える漢字のうち、すでに440字を習うことになります。しかも画数が多く、抽象的な意味の漢字が増えます。
「暗」「想」「感」「調」「整」──1年生の「山」「川」のように、絵から想像することができません。
だから、おぼえ方を変える必要があります。それが「部首」を使う方法です。
漢字はいくつかの部品でできています。その中で、漢字の意味を表す代表的な部品を部首といいます。
部首には、位置によって呼び名がついています。
| 位置 | 呼び名 | 例 |
|---|---|---|
| 左 | へん | にんべん(休)、さんずい(海) |
| 右 | つくり | おおざと(部)、りっとう(列) |
| 上 | かんむり | くさかんむり(花)、うかんむり(家) |
| 下 | あし | こころ(悲)、れっか(点) |
| 囲む | かまえ | くにがまえ(国)、もんがまえ(間) |
| 左上から左下 | たれ | まだれ(店)、やまいだれ(病) |
| 左から下 | にょう | しんにょう(道)、そうにょう(起) |
3年生では、この7種類の位置と、代表的な部首をいくつか学びます。一度にすべて頭に入れようとせず、よく出るものから順にで十分です。
ここがこの単元の核心です。部首を見れば、漢字の意味がだいたい推理できます。
| 部首 | 意味 | その部首を持つ漢字 |
|---|---|---|
| 氵(さんずい) | 水 | 海・池・泳・湖・波・流 |
| 亻(にんべん) | 人 | 休・体・住・使・作・係 |
| 木(きへん) | 木 | 林・板・柱・橋・棒・枚 |
| 扌(てへん) | 手の動作 | 持・打・投・拾・押・指 |
| 艹(くさかんむり) | 植物 | 花・草・葉・茶・薬・苦 |
| 糸(いとへん) | 糸・布 | 糸・線・組・級・終・練 |
| 言(ごんべん) | 言葉 | 話・語・読・調・記・訓 |
| 忄(りっしんべん) | 心 | 快・情・忙・悩 |
この表を見ると、規則性がはっきり分かります。さんずいの漢字は、すべて水に関係している。にんべんは人に関係している。
だから、知らない漢字に出会っても推理できます。
意味が完全に分からなくても、「だいたいこういう方向の意味だ」と見当がつく。これは読解でとても役立ちます。
おすすめの学習法が「部首の仲間集め」です。
「さんずいの漢字を10個集めよう」「てへんの漢字を探そう」。教科書や本から探すと、驚くほど見つかります。
集めているうちに、「本当に全部水に関係してる!」と自分で気づきます。教えられるより、自分で発見したほうが記憶に残ります。
漢字には、もう一つ大きなしくみがあります。部首でないほうの部品が、読み方(音)を表すことが多いのです。
もう一つ例を見てみましょう。
つまり、多くの漢字は「意味を表す部分」+「音を表す部分」でできています。このような漢字を形声文字(けいせいもじ)といい、漢字全体の8割以上を占めます。
3年生でこの用語まで覚える必要はありませんが、「同じ部品があると読みが同じことが多い」と知っておくと、初めて見る漢字も読めることがあります。
これは大きな武器です。440字を1つずつ覚えるのではなく、部品の組み合わせで理解する。覚える負担が大きく減ります。
漢字辞典(漢和辞典)では、部首から漢字を探せます。
読み方が分からない漢字に出会ったとき、国語辞典では引けません。でも漢字辞典なら、部首と画数で探せます。
この方法なら、読み方を知らなくても漢字が調べられます。3年生で部首を学ぶ理由の一つが、ここにあります。
今はスマホの手書き入力でも調べられますが、部首と画数という考え方を知っていることには意味があります。漢字を「部品の集まり」として見る目が育つからです。
3年生では、音読みと訓読みの区別もはっきりさせます。2年生で習いましたが、ここでもう一度整理します。
| 音読み | 訓読み | |
|---|---|---|
| もとは | 中国語の発音 | 日本語の意味 |
| 聞いただけで | 意味が分かりにくい | 意味が分かる |
| 書き方の目安 | カタカナで表す | ひらがなで表す |
| 例(山) | サン(登山) | やま |
見分けるコツは、「その読み方だけで意味が分かるか」です。
「やま」と聞けば、山だと分かります。だから訓読み。「サン」だけ聞いても何のことか分かりません。だから音読みです。
そして、この区別が役に立つ場面があります。熟語(漢字が2つ以上つながった言葉)は、たいてい音読みになります。
例外もありますが(「手紙(てがみ)」は訓+訓)、だいたいの傾向として知っておくと、初めて見る熟語の読みが推測できます。
そして、部首の知識と組み合わせると、さらに強力です。意味は部首から、読みは音の部品から。知らない漢字でも、ある程度は見当がつきます。
2つ以上の部品があるとき、どちらが部首か判断できない。
意味を表しているほうが部首です。「晴」なら、日(太陽)が意味に関係するので「ひへん」が部首。
ただし例外もあるので、迷ったら漢字辞典で確認します。
「りっしんべん」「れっか」など、聞き慣れない名前が多い。
全部覚える必要はありません。よく出る「にんべん・さんずい・きへん・てへん・くさかんむり・ごんべん」あたりから。
名前より意味を知っているほうが実用的です。
部首の知識と、書けることは別です。
部首は覚えやすくする道具であって、それだけで書けるようにはなりません。見ないで書く練習は別に必要です。
ただし、部品に分けて覚えると、書く練習の効率も上がります。
Q1 「泳」の部首は何ですか。何に関係する漢字ですか。
A 氵(さんずい)。水に関係します。泳ぐのは水の中ですね。
Q2 「持つ」「打つ」「投げる」。共通する部首は?
A 扌(てへん)。どれも手を使う動作です。
Q3 さんずいの漢字を5つ集めましょう。
A 海・池・泳・湖・波・流・港・洗など。全部水に関係しています。
Q4 「晴」「清」「静」に共通する部品は? 読み方はどうですか。
A 青。どれも音読みが「セイ」です。部品が音を表しています。
漢字が苦手なお子さんほど、部首の知識が助けになります。1字ずつ丸暗記するのは大人でも大変ですが、「さんずいは水に関係」と知っていれば、覚える手がかりができます。
おすすめは「部首の仲間集め」です。新聞や本から、さんずいの漢字を探してみてください。「本当に全部水に関係してる」と自分で気づいたとき、部首が生きた知識になります。
また、「晴・清・静」がどれも「セイ」と読むことに気づくと、子どもはかなり驚きます。漢字にルールがあると分かると、見方が変わります。
なお、部首を知っていても書けるようになるわけではありません。書く練習は別に必要です。ただ、部品に分けて覚えると練習の効率は上がります。