「ケンはサッカーがすきです。ケンは足がはやいです。」日本語なら、ケンと何回言ってもへんではありません。でも英語では、一度名前を出した人を、2回目からは he(ヒー)か she(シー)に言いかえます。he と she は、新しい言葉をふやすための単元ではなく、一度出た人をもう一度指すための言葉です。だれのことを言っているのか見うしなわないための、道しるべだと考えてみましょう。
まず、日本語と英語のちがいを見くらべてみます。同じ話を、二つの言い方でならべてみましょう。
日本語では「ケンは」を2回言ってもふつうに聞こえます。ところが英語で「Ken is my friend. Ken likes soccer.」と名前をくり返すと、聞いている人は「ケンが二人いるのかな?」と感じてしまうことがあります。英語は、一度出した人は、次から he か she におきかえるという決まりで話を進めていく言葉なのです。だから he と she は、むずかしい文法というより、話をなめらかにつなぐための、ごくふつうの道具です。名前を言うのは最初の一回。そのあとは he か she。この順番を先に頭に入れておくと、教科書の会話文がぐっと読みやすくなります。
では、どちらに言いかえるのかは、どうやって決めるのでしょうか。決め方は一つだけ、その人が男の人か、女の人かです。
| 言いかえる言葉 | 読み方 | 意味 | だれ・なにを指す |
|---|---|---|---|
| he | ヒー | かれは | 男の人ひとり(お父さん・弟・男の友だち) |
| she | シー | かのじょは | 女の人ひとり(お母さん・妹・女の友だち) |
| it | イット | それは | 人ではないもの(ペン・本・犬・天気) |
年上か年下か、大人か子どもかは関係ありません。先生でも赤ちゃんでも、男の人なら he、女の人なら she です。そして人ではないものは、ぜんぶ itになります。「This is a pen. It is new.(これはペンだよ。それは新しいんだ。)」のように使います。「これ・あれを言おう(This is 〜)」の単元で習った It's a cat. の It も、じつはこの it の仲間です。すでに一度会っている言葉だったわけです。なお、かわいがっているペットは、家族の一員として he や she で言うこともあります。決まりを知ったうえで気持ちを乗せる、そんな言い方もあるのだと知っておくとよいでしょう。
he と she がいちばん活やくするのは、友だちや家族を紹介する場面です。型は二文セットで覚えます。
一文目で名前を出し、二文目からは he か she で続ける。これだけで、紹介がちゃんとした形になります。三文目、四文目も同じです。「He is eight.(かれは8才です。)」「He likes dogs.(かれは犬がすきです。)」と、he のまま何回でも続けられます。もう一度名前を出すのは、話す人がかわったときや、べつの人の話にうつるときだけで十分です。ここで大事なのは、he と she が指しているのは、さっき名前を言った人だということ。だから、名前を出さずにいきなり「He is my friend.」と言っても、相手にはだれのことか分かりません。先に出した人がいてはじめて使える、という点をおさえておきましょう。
he と she を使うときに、いっしょに覚えておきたいことがあります。うしろにくる形です。
| だれ | 形 | 例 |
|---|---|---|
| I(わたし) | I am 〜 | I am Ken. |
| You(あなた) | You are 〜 | You are kind. |
| He / She(かれ・かのじょ) | He is 〜 / She is 〜 | She is my teacher. |
「わたし」なら am、「あなた」なら are、そしてhe と she は is。三つそろえて表で見ると、迷いにくくなります。話すときは「He's(ヒーズ)」「She's(シーズ)」と縮めることも多く、これは he is / she is を短くした形です。教科書やアニメで「He's my friend.」と聞こえたら、それは He is と同じ意味だと思って大丈夫です。3年生のうちは、縮めた形を自分で使えなくてもかまいません。聞いたときに分かるようにしておけば十分です。
he と she には、持ち主を表す形もあります。セットで覚えると、言えることが一気に広がります。
「my(わたしの)」と同じ仲間で、his は「かれの」、her は「かのじょの」です。ものの名前の前におきます。ここでひとつ気をつけたいのは、his や her をつけたときは a をつけない、ということ。「his a bag」とは言わず「his bag」です。「a」は「どれか一つの」という意味なので、「かれの」と決まっている以上、両方は必要ないのです。「色(colors)」の単元で習った red や blue とつなげると、「His bag is blue.」のように、友だちの持ち物をくわしく紹介できるようになります。
自分が言うときだけでなく、相手にたずねるときにも he と she を使います。
「Who is he?」でだれなのかをたずね、「Is she 〜?」で「〜なの?」と確かめます。答えるときも he や she をそのまま使って返すのが自然です。「Yes, she is.」の短い答え方は、日本語の「うん、そうだよ」にあたります。写真を見せ合って「Who is he?」「He is my father.」とやりとりすると、いちばん楽しく練習できます。名前を知らない人のことも、指さしと he / she だけで話題にできる。これが、この二つの言葉の便利なところです。
男の人は he、女の人は she です。
日本語では「かれ・かのじょ」を毎回は言わないので、つい入れかわります。紹介したい人の顔を思いうかべてから言いましょう。
「He are my friend.」ではなく「He is my friend.」です。
are を使うのは You のときだけ。I は am、それ以外のひとりの人は is、と三つならべて覚えます。
「He is my friend.」だけでは、だれのことか伝わりません。
先に This is Ken. と名前を出してから、he に言いかえます。
Q1 男の友だちのことを言いかえるときに使う言葉は?
A he(女の人なら she)
Q2 「This is Aya.」のあとに「かのじょはわたしの妹です」と続けると?
A She is my sister.
Q3 「かれのかばんは青い」を英語で言うと?
A His bag is blue.(a はつけません)
Q4 ペンや本など、人ではないものを言いかえるときの言葉は?
A it
he / she は中学英語で「三人称単数」として文法的に扱われる項目ですが、この段階では用語を教える必要はありません。むしろ大切なのは、英語が「一度出した人を言いかえながら話を進める言葉」だという感覚をつかむことです。日本語は主語そのものを省くことが多いため、ここは日本語を話す子がとくに苦手にしやすい部分で、中学生になっても he と she が入れかわる子は少なくありません。ご家庭では、家族写真やアルバムを見ながら「This is 〜.」「He is 〜.」「She is 〜.」と声に出す遊びが効果的です。実在する人の顔と he / she を結びつけると、記憶が定着しやすくなります。うしろが is になる点は、I am / You are といっしょに三つならべて口ずさむと身につきます。なお、まちがえたときにその場で細かく直すより、正しい言い方をもう一度言ってあげる返し方のほうが、話す意欲を保ったまま直っていきます。「これ・あれを言おう(This is 〜)」「家族(family)」の記事とあわせて読むと、紹介の流れがひとつながりになります。5年で学ぶ「a と s のきまり」ともつながる土台の単元です。