2年 生活 ふゆを たのしもう

ふゆを たのしもう ── さむい 日にしか 見られない ものが ある

冬は、虫も 花も へって、見つける ものが なくなる 季節——そう 思って いませんか。じつは ぎゃくです。冬はさむい 日にしか 起きない ことを 見つけに 行く 季節です。

冬は「なくなる」季節では ない

春は 花、夏は 虫、秋は 木の実。では 冬は 何でしょう。多くの 人が「何も ない」と 答えます。でも それは、さがす ものを 春や 夏と 同じに して いるからです。

冬に なると、たしかに 花は へります。虫も 見つかりません。そのかわりに、あたたかい 日には ぜったいに 起きない ことが、つぎつぎ 起きはじめます。息が 白く なる。水たまりに ふたが できる。土が もち上がる。まどガラスが くもる。どれも気おんが 下がった ときだけあらわれます。

つまり 冬の 生活科は、「いる ものを さがす」学習から「さむさが 作る ものを さがす」学習に 変わるのです。さがす ものが 変われば、冬は 一気に にぎやかな 季節に なります。

さがす ものが 季節で 変わる 春 … さいた 花 ・ 出てきた 虫 夏 … こい みどり ・ 元気な 虫 秋 … 木の実 ・ 色づいた 葉 冬 … 白い 息 ・ しも ・ 氷 ・ 冬ごしの すがた =「生きもの」ではなく「さむさの あと」

さむい 日にしか 見られない もの

冬の 朝に 外へ 出ると、つぎの ような ものが 見つかります。どれも、前の 日の 夜が よく ひえた ときに できます。

見つかる ものどこを 見るできる わけ
白い 息自分の 口の 前体から 出た 水じょう気が ひえて、小さな 水の つぶに なる
しも草の 上・屋根・車の まど空気中の 水じょう気が、ひえた ものの 上で こおりつく
しもばしら花だんや 土の 道土の 中の 水が こおりながら 上へ おし出される
氷水たまり・バケツ・池の はし水が ひえて 0どに なると こおる
つらら屋根の はし・水道の ふちしたたる 水が、おちる とちゅうで こおる

とくにしもばしらは、2年生が いちばん おどろく ものです。土の 表面が 数センチ もち上がり、ふむと「ザクッ」と 音を 立てて しずみます。これは 土の 中の 水が こおる ときに、上へ 上へと のびて いくから 起きます。地面が 生きて いる ように 動くのです。

しもばしらは、どこの 土でも できる わけでは ありません。しめった 土で、その上に 草や 落ち葉が あまり のって いない 場所に よく できます。コンクリートの 上には できません。「どこに あるか」を さがす だけで、りっぱな 観察に なります。

なぜ 息が 白く なるの

「さむいから 白く なる」と 覚えて しまうと、そこで 止まって しまいます。もう 一歩 だけ 進んで みましょう。

わたしたちの はく 息には、目に 見えない水じょう気が たくさん 入って います。水じょう気は 気体なので、ふだんは 見えません。ところが 外の 空気が つめたいと、口から 出た とたんに 水じょう気が ひやされ、とても 小さな 水の つぶに 変わります。つぶに なると 光を はね返すので、白く 見えるのです。

これは、雲や きりが 白く 見えるのと 同じ しくみです。つまり 白い 息は、口の 前に できた小さな 雲だと 言えます。

だから 夏は 白く なりません。外の 空気が あたたかくて、水じょう気が 気体の ままで いられるからです。「白く なるか ならないか」を 毎日 記ろくして いくと、その 日が どれくらい さむいかが、温度計を 見なくても 分かるように なります。

白い 息の しくみ はく 息(あたたかい・水じょう気が 入って いる) ↓ つめたい 空気に 出る 水じょう気が ひえる ↓ 小さな 水の つぶに なる ← 目に 見える! ↓ 空気に まざって 消える ※ 夏は ひえないので つぶに ならない=見えない

氷を 作って くらべて みよう

冬の 自由けんきゅうで いちばん かんたんで、いちばん 発見が あるのが「氷づくり」です。作るだけでは なく、場所を 変えて くらべるのが こつです。

氷づくりの 手じゅん ① 同じ 入れもの(プリンの カップなど)を 3こ 用意する ② 同じ 深さまで 水を 入れる(ここが 大事) ③ 夜、ちがう 場所に 置く ア 日かげの 地面の 上 イ 朝 日が 当たる 場所 ウ 土ではなく、金ぞくの ふたの 上 ④ つぎの 朝、どれが こおったかを 見る ⑤ 「こおった/こおらない」を 表に 書く

やって みると、同じ 庭の 中でも 結果が ちがう ことに 気づきます。朝 日が 当たる 場所は 早く とけ、日かげは 昼まで のこります。水の 量を そろえて おくのが 大切で、そろえないと「どちらが さむい 場所か」ではなく「どちらが 水が 少なかったか」を くらべる ことに なって しまいます。

もっと 楽しく したい ときは、入れる 前に 葉っぱや 小さな 花を 水に うかべて おきます。中に とじこめられた まま こおるので、氷の かざりが できます。ひもを 一本 たらして おけば、つるせる かざりにも なります。

とけて いく ようすも 観察して ください。氷は はしから 丸く とけて いきます。「作る」で 終わらせず「とける」まで 見ると、学習は 二ばいに なります。

あたたかく する くふうの しくみ

冬の くらしの 学習では、「たくさん 着る」だけでは なく、なぜ あたたかく なるのかまで 分かると おもしろく なります。

あたたかさを 作って いるのは、服その ものでは ありません。服と 服の あいだ、服と 体の あいだに ある空気です。空気は 熱を 通しにくいので、動かない 空気の 層が 体の まわりを かこむと、体温が にげにくく なります。

だから、あつい 服を 一まい 着るより、うすい 服を何まいか 重ねるほうが あたたかく なります。重ねた 分だけ、空気の 層が ふえるからです。これを「重ね着」と いいます。

もう 一つの こつが、首・手首・足首の 三つを 守る ことです。この 三か所は 皮ふの すぐ 下を 太い 血が 流れて いるため、ここが ひえると 体ぜんたいが 早く ひえます。マフラー・手ぶくろ・くつ下は、じつは とても 理に かなった 道具なのです。

そして いちばん てっとり早い ほうほうが「動く」こと。体を 動かすと、きん肉が 熱を 作ります。外に 出て 走った 子だけが あたたかく なるのは、気もちの 問題では なく、体の しくみです。

冬の 生きものと 木の ようす

「虫が いなく なった」のでは なく、見えない ところに いるだけです。落ち葉の 下、木の かわの すきま、土の 中。そこを そっと 見ると、じっと して いる 虫が 見つかります。動かずに 冬を こす ことを冬みんと いいます。

木も 同じです。葉を 全部 落とした 木の えだの 先を よく 見て ください。小さな こぶの ような ものが ついて います。これが冬芽で、中には 春に 開く 葉や 花が、ちいさく たたまれて 入って います。つまり 冬の 木は 休んで いるのでは なく、春の 用意を 終えた すがたなのです。

球根も 土の 中で 同じ ことを して います。秋に うえた チューリップは、さむい 時期を すごす ことで 春に 花を さかせます。さむさは じゃまでは なく、ひつような 合図なのです。

鳥は ぎゃくに 冬の ほうが 見つけやすく なります。葉が ないので 姿が かくれないうえ、遠くから わたって くる 鳥も います。えさが 少ないので、公園の 地面に おりて いる ことも ふえます。

つまずきやすいところ

その1 「冬は 見る ものが ない」と 思って しまう

さがす ものを 春や 夏の ままに して いるからです。冬は 生きものでは なく、さむさが 作った あとを さがします。白い 息・しも・氷を さがす、と 決めて 外へ 出ると 一気に 見つかります。

その2 しもと 雪を 同じだと 思う

雪は 空の 上で できてふって くるもの、しもは 地面や ものの 上でその場で できるものです。だから しもは、雪が ふって いない 晴れた 朝ほど よく 見つかります。

その3 氷の 実験で 水の 量を そろえない

くらべる ときは、変える ところを 一つだけに します。場所を くらべたいなら、入れものも 水の 量も 同じに します。そろえないと、何が 結果を 決めたのか 分からなく なります。

やってみよう

Q1 息が 白く 見えるのは、何が 見えて いるのですか。

A 息の 中の 水じょう気が ひえて できた、小さな 水の つぶです。小さな 雲と 同じです。

Q2 しもばしらは どこに できやすいですか。

A しめった 土の 上で、落ち葉や 草に おおわれて いない ところです。かたい ほそうの 上では できません。

Q3 うすい 服を 重ねて 着ると あたたかいのは なぜですか。

A 服と 服の あいだに空気の 層が ふえて、体温が にげにくく なるからです。

Q4 えだの 先に ついて いる 小さな こぶは 何ですか。

A 冬芽です。中に 春に 開く 葉や 花が たたまれて 入って います。

Q5 一週間、朝 外に 出て「白い 息が 出たか」を 記ろくして みましょう。

A 出た 日と 出ない 日を ○×で 書き、天気も そえると、さむさの うつり変わりが 目で 見えます。

まとめ

おうちの方へ

冬の生活科は、寒さを理由に外に出ないと学習の材料そのものが手に入りません。朝の5分だけ一緒に外に出る——これが最も効果的な支援です。とくに白い息・しも・しもばしらは、登校前のわずかな時間にしか見られないことが多く、日中に探しても見つかりません。
氷づくりは、前の晩に子ども自身に置き場所を決めさせてください。「どこが一番さむいと思う?」と予想させてから置くと、翌朝の結果が予想の答え合わせになり、記憶に残ります。うまくこおらなかった場合も失敗ではなく、「その場所はそこまで下がらなかった」という立派な結果です。
服装については、「寒いから一枚足しなさい」ではなく「どこが一番さむい?」と聞いてみてください。首・手首・足首に自分で気づけると、その後は言われなくても自分で調整できるようになります。
なお、しもばしらを踏む・氷を割るといった遊びは、危険がない範囲で存分にやらせてあげてください。手でさわった感覚は、写真や動画では決して代わりになりません。