1年生の ために やる 単元に 見えて、じつは 2年生の ための 単元です。教える 側に なって はじめて、自分が 何を 知って いるかが 分かります。
この 単元は、2年生に なって すぐの 4月に やります。入学して きた 1年生を、2年生が 学校の 中を 案内する 活どうです。
「学校あんない」「がっこうたんけん」「1年生と なかよく なろう会」など、学校に よって 名前は ちがいますが、やる ことは 同じです。2年生が 案内する 人に なる ── ここが すべての 中心です。
去年の 自分を 思い出して ください。1年生の とき、あなたも だれかに 案内して もらいました。案内された 人が、1年後に 案内する 人に なる。この 単元は、そう やって 毎年 つづいて います。
ここで 大事なのは、先生が 案内しない こと です。先生の ほうが くわしいのに、わざと 2年生に まかせます。なぜでしょうか。
りゆうは はっきり して います。説明しようと した とたん、自分が 分かって いない ところが 見つかる からです。
「ほけんしつは、けがを した とき 行く ところだよ」──ここまでは 言えます。では、1年生に こう 聞かれたら どうでしょう。
答えられない 子が たくさん います。1年間 通って いたのに、知って いる つもりだった のです。ここで はじめて、自分から 保健の 先生に 聞きに 行きます。教える ために 調べる ── これが この 単元の いちばん 大きな 学びです。
知って いる ことと、人に 説明できる ことは 別です。説明できて はじめて、ほんとうに 分かって いると 言えます。
学校には たくさんの へやが あります。ぜんぶは 回れません。時間は だいたい 30分から 45分、回れるのは 6つか 7つの へやです。
そこで えらぶ 基じゅんを 決めます。「1年生が これから 使う へや」を 先に えらぶ のが こつです。ほけんしつ、しょくいん室、としょ室、たいいくかん、こうてい、きゅうしょくを はこぶ ばしょ。
ぎゃくに、6年生の 教室や、ふだん 入らない 倉こは、あとまわしで かまいません。相手が 使うか どうか で えらびます。
へやの 前に はる カードや、首から さげる カードを 作ります。書く ことは 3つだけ。
ここで 多いのは、2年生が 漢字で 書いて しまう 失ぱいです。習った ばかりの 漢字を 使いたく なります。でも 読む 相手は 1年生。相手に 合わせて 書きかえる ── これが 国語の 「相手を 考えて 書く」の 出発点に なります。
本ばんの 前に、友だちを 1年生役に して 練習します。すると すぐに 分かります。早口に なる、声が 小さい、むずかしい ことばを 使って いる。
「ここは しょくいん室で、先生方が しごとを する ばしょです」と 言って しまう 子も います。ていねいですが、1年生には 長すぎます。「先生の へやだよ」で 十ぶんです。
案内は、安全を まもる 役わり でも あります。1年生を つれて 校しゃの 中を 歩くのですから、2年生は 前と 後ろに 気を くばります。
| ばめん | 2年生が する こと |
|---|---|
| あるく とき | 手を つなぐか、となりを 歩く。前を 走らない |
| かいだん | 2年生が 先に 下りる。ゆっくり 一だんずつ |
| へやに 入る とき | 2年生が ノックして、あいさつを する |
| とちゅうで はぐれた | その場で 止まって、大人を よぶ |
じゅんばんも 決めて おきます。2年生が 2人 いる ばあいは、1人が 前、もう 1人が 後ろに つきます。前の 人は 道あんない、後ろの 人は おくれた 子を 見る 役です。役わりを 先に 分けて おくと、当日に まよいません。3人 いれば、まん中に 1年生を はさむ かたちに します。
そして、じゅんばんに 見て 回る 道すじも 紙に 書いて おきます。行きあたりばったりで 歩くと、同じ ろうかを 何回も 通ったり、時間が 足りなく なったり します。先に 通る 道を 決める ── これは 3年生の 町たんけんや 社会科見学でも 同じ やりかたです。
とくに かいだん は 気を つけます。1年生は まだ 足もとが あぶないので、2年生が 下に いると 安心です。
また、1年生が 「トイレに 行きたい」と 言う ことも あります。よく ある ことです。がまんさせない、そして 1人で 行かせない。近くの 大人に 声を かけます。
この 活どうでは、思った とおりに ならない ことが たくさん おきます。じつは、そこが いちばん 力に なります。
話を 聞いて くれない──1年生は 15分ぐらいで つかれます。長い 説明を やめて、短く します。
すぐ どこかへ 行って しまう──おこらずに、名前を よんで もどって もらいます。1年生は わざと やって いる わけでは ありません。
質問に 答えられなかった──「あとで しらべて 教えるね」で かまいません。分からないと 正直に 言える ほうが、まちがった ことを 教えるより ずっと よい 対おうです。
じっさい、この 「あとで 教えるね」から、2年生が 自分で 先生に 聞きに 行く 場めんが よく 生まれます。人の ために 調べる きっかけに なる のです。
案内が おわったら、かならず ふり返ります。見る ところは 2つです。
ここで 自分が どう 感じたか だけで 終わらせない ことが 大事です。「たのしかった」で 止めず、相手が どうだったか まで 考えます。相手の 立場で 見なおす この 見かたは、3年生の 社会科の 見学や、高学年の 発表でも ずっと 使います。
そして 1年生から 「ありがとう」の 手紙が とどく ことも あります。自分の した ことが 人の 役に 立った と 実感できる、貴重な けいけんに なります。
Q1 なぜ 先生では なく 2年生が 案内するのですか。
A 教える ために 調べる ことで、2年生が いちばん 学ぶ からです。
Q2 あんないカードを ひらがなで 書くのは なぜですか。
A 読む 相手が 1年生だからです。相手に 合わせて 書く 練習に なります。
Q3 1年生に 聞かれて 答えられない ときは どうしますか。
A 「あとで しらべて 教えるね」と 言います。うそを 教えないのが いちばん 大事です。
この単元は4月、進級してすぐに行われます。お子さんが「1年生に何を教えたらいいか」と相談してきたら、答えを教えるのではなく「1年生だったころ、何が分からなくて困った?」と聞いてみてください。自分の経験から考えられると、説明がぐっと具体的になります。
また、案内カードを家で作ってくる場合があります。漢字で書いていたら「1年生は読めるかな?」とだけ声をかけてあげてください。相手に合わせて書き直す経験は、国語の作文にもそのままつながります。
当日うまくいかなかった、話を聞いてもらえなかった、と落ち込んで帰ってくることもあります。それは失敗ではなく、相手が自分と違う存在だと気づけたということです。「どうすればよかったと思う?」と一緒に考えてあげてください。