2年 生活 なつの すごしかた

あつい 日の からだ ── のどが かわく 前に、水を のむ

あつい 日に 気分が わるく なる 子の 多くは、「のどが かわいたら のもう」と 思って いた 子 です。じつは、のどが かわいたと 感じた ときには、体の 中の 水は もう へって います。かわく 前に のむ。たった これだけの ちがいで、なつの 一日は べつの ものに なります。なつの すごしかた を 考える とき、いちばん 先に 決めたいのが この 一点です。この 記事では、体の 中で 何が おきて いるのかを 先に 知って、そのあとで 水とう・ぼうし・日かげの つかいかたを 決めて いきます。

あせは、体を ひやす ための 水

走ったり、外で あそんだり すると、体は あつく なります。人の 体は、あつく なりすぎると こわれて しまうので、自分で ひやす しくみ を もって います。それが あせです。

あせは、ひふの 上に 出て きて、そこで かわいて いきます。水が かわく とき、まわりの 熱を いっしょに もって いきます。プールから 上がった あと、風が ふくと ぶるっと するのは、体に ついた 水が かわく ときに 体を ひやして いるからです。あせも まったく 同じ しくみです。

体が あつく なる ↓ あせが 出る(体の 中の 水が へる) ↓ あせが かわく → 体が ひえる ↓ のんだ 水が、つぎの あせに なる ※ ここで 水を のまないと、つぎの あせが 出せない

大事なのは、いちばん 下の 行です。あせは 体の 中に ある 水で できて いる ので、のまないと なく なります。あせを 出せなく なった 体は、ひやす 方ほうを なくして しまい、中に 熱が たまって いきます。これが、あつい 日に 気分が わるく なる ときの 正体です。

「あせを かくのは いやだ」と 思って いた 人は、見かたを 変えて みて ください。あせが 出て いるのは、体が ちゃんと はたらいて いる しるしです。こまるのは、あせを かく ことでは なく、かいた 分を もどさない ことの ほうです。

のどが かわく 前に のむ、を どう やるか

「かわく 前に のむ」と 言われても、かわいて いない ときに 水とうを 出すのは、なかなか むずかしい ものです。そこで、のどでは なく 時間や できごとを 合図に する という やりかたに 変えます。

いつどれくらいりゆう
家を 出る 前コップ 1ぱい歩いて いる とちゅうでは のめない ため
2時間目の あとひとくち 2〜3回1時間目・2時間目で もう あせを かいて いる
外あそびの 前ひとくち 2〜3回あそび出すと、自分では 気づけなく なる
外あそびの あとひとくち 3〜4回へった 分を もどす
体いくの 前と あとその つど一日で いちばん あせを かく 時間

ここで つまずきやすいのが、一気に たくさん のもうと する ことです。きゅうに 大量に のむと、おなかが いっぱいに なって 気もちが わるく なり、けっきょく そのあと のめなく なります。ひとくちずつ、回数を 多く。これが 正しい のみかたです。

のむ ものは、水か むぎ茶 が 基本です。あせと いっしょに 出て いく 「塩」も おぎないたい ときは、うすい スポーツドリンクを 家の 人と 相だんして 決めます。あまい のみものだけを のんで いると、のどが かわいた 気が よけいに して しまう ことが あります。

そして、いちばん わすれられやすいのが 水とうの 中身の 量 です。朝、はんぶんしか 入って いない 水とうは、昼には からに なります。あつい 日は、前の 日の 夜に 「明日は あついらしい」と 分かった 時点で、いつもより 多めに 入れて と 家の 人に つたえて おきます。当日の 朝に 言うのでは、まに合わない ことが あります。

ぼうしと 日かげは、あそぶ 前に 決めて おく

体を 中から 守るのが 水なら、外から 守るのが ぼうしと 日かげ です。

頭は、体の 中で いちばん 日に 当たる ところです。ぼうしを かぶると、頭に 当たる 日ざしが さえぎられ、頭の 中の 温度が 上がりにくく なります。つばが ぐるりと ついた ぼうし だと、首の うしろまで かげに なるので、より 安心です。首の うしろは 自分では 見えないので、気づかないうちに 赤く なりやすい ところです。

日かげは、「つかれたら 入る 場しょ」では ありません。あそび出す 前に、どこに 入るかを 決めて おく 場しょ です。

〈 外に 出る 前の 3つ 〉 ① ぼうしを かぶった? ② 水とうを 持った? ③ 休む 日かげは どこ?(木の下・ろうか・れんらく通路 など) ※ ③を 先に 決めて おくと、しんどく なってから さがさなくて すむ

しんどく なってから 日かげを さがすのは、思って いるより むずかしい ことです。頭が ぼんやりして いる ときに 「どこへ 行こう」と 考えるのは、たいへんです。元気な うちに 決めて おく。これが、あつい 日の 外あそびで いちばん 役に立つ じゅんびです。

「あぶない」の サインと、その ときの ことば

体が あぶない ときには、かならず サインが 出ます。おぼえて おくのは、つぎの 4つです。

サインどんな かんじすぐ やる こと
頭が いたいずきずき する・重い日かげか へやに 入って すわる
気もちが わるいはきそう・くらくら する横に なる。大人を よぶ
あせが 出ないあついのに 出て こないすぐ 大人に つたえる(いちばん いそぐ)
力が 入らない足が ふらつく・立てないその場に すわる。がまんして 歩かない

とくに 気を つけたいのが、3つめの 「あついのに あせが 出ない」 です。これは、体が ひやす しくみを 使えなく なって いる しるしなので、4つの 中で いちばん いそぎます。

そして じつは、いちばん むずかしいのが それを 口に 出す ことです。「わがままだと 思われたら いやだ」「みんな 元気だから 言いにくい」と 考えて、だまって しまう 子が とても 多いのです。だから、言う ことばを 先に 決めて おきます。

「先生、気分が わるいです」。この ひとことで じゅうぶんです。理ゆうを うまく 言えなくても かまいません。声に 出せなければ、近くの 友だちの うでを 引っぱるだけでも いいのです。

友だちが しんどそうな ときも 同じです。「だいじょうぶ?」と 聞くと、たいていの 人は 「だいじょうぶ」と 答えて しまいます。だから 聞くのでは なく、「先生 よんで くるね」と 言って、走る。これが 正しい 助けかたです。

つまずきやすい ところ 3つ

① 「まだ のみたく ない」で のまない

のどが かわいて いない ときに のむ、というのが この 記事の 中心です。かわいて から のむのは、もう おくれて いる、という ことに なります。時間や できごとを 合図に して、ひとくちだけでも 口に 入れます。

② あそびに むちゅうで、休まない

おにごっこや サッカーの さいちゅうは、自分が どれだけ あつく なって いるかに 気づけません。時計を 見て、20分 あそんだら 1回 日かげ、と 先に 決めて しまうのが かんたんです。「つかれたら 休む」では、なかなか 休めません。

③ 帰り道が いちばん あぶない

学校に いる あいだは、先生が 声を かけて くれます。ところが 帰り道は 一人です。しかも、水とうは からに なって いて、時こくは 一日で いちばん 気温が 高く なる ころです。帰りの 分の 水を のこして おく こと。そして、日かげの ある がわの 歩道を えらんで 歩く こと。この 2つで、帰り道の あぶなさは ぐっと へります。

やって みよう

Q1 のどが かわいたと 感じた とき、体の 中の 水は どう なって いますか。

A もう へって います。かわいたと 感じるのは へった あとの 合図なので、その 前に のむのが よいのです。

Q2 あついのに あせが 出て こない とき、どうしますか。

A すぐに 大人に つたえます。体が ひやす しくみを 使えなく なって いる しるしで、4つの サインの 中で いちばん いそぎます。

Q3 友だちが しんどそうです。何と 言いますか。

A 「だいじょうぶ?」では なく 「先生 よんで くるね」。聞くと たいてい 「だいじょうぶ」と 答えて しまうからです。

Q4 あつい 日に 外へ 出る 前、たしかめる ことを 3つ 言って みましょう。

A ぼうし・水とう・休む 日かげの 場しょ の 3つです。とくに 3つめは、元気な うちに 決めて おきます。

まとめ

おうちの方へ

低学年のお子さんは、のどのかわきを自覚しにくく、また遊びに夢中になると休憩の判断ができません。「のどがかわいたら飲みなさい」という声かけは、この年齢では機能しにくいとお考えください。効くのは「◯時になったら飲む」「外に出る前に飲む」のように、本人の感覚ではなく外側の合図に結びつけた指示です。
水筒は、容量が足りているかを一度ご確認ください。低学年用の小さめの水筒だと、気温の高い日には午前中で空になります。空になったあとの下校時間帯が、実は一日で最も気温が高く、しかも一人になる時間です。「帰る分を残しておく」という言い方で伝えていただけると、お子さんにも理解しやすくなります。
もうひとつ、体調不良を言い出せない子が非常に多いことも知っておいていただきたい点です。我慢が偉いという価値観が働くと、限界まで黙ってしまいます。ご家庭で「気分が悪いです、と言えたら、それがいちばん正しい行動だ」と一度はっきり伝えておくことが、当日の判断を助けます。なお、症状が重い場合や意識がはっきりしない場合は、水を飲ませることよりも先に医療機関へご相談ください。